1700円で購入しました。この値段でこの演奏は…ありがたいですねえ。カラヤンベルリンフィルのコンビとは対極をなす様な、期待した通りのいぶし銀の世界。決して興奮する様な演奏ではないが、着実にブラームスの世界を描いている。一昔前のブラームスという感もあるが、渋いブラームスをお求めの方には是非。

これはなかなかのブラームスではないか。無骨で流麗さとは無縁。終楽章は無手勝流に突進する。コーダはフルトヴェングラー的に加速するが、オーケストラがついていけず、縦の線がずれている。しかし、このアマチュアっぽさがまた良い。熱い。

学生時代にブラ２はこの録音、ブラ３もＶＰＯとのモノラル録音で入門しました。当時は少し渋めの印象を受けましたが、是非また聴き直してみたいです。

やはりこの当時のザンデルリンクは三流だったと痛感させられる一組。SKDの響きも彼の棒では魅力がない。

遅いテンポがかえってブラームスの本質を炙り出す絶対の名演。グールド盤より、本盤の方が私には心に沁みました。特に117の３曲と118-2はいつ聞いても鼻の奥がツンと鳴ります。

ﾍﾞｰﾑの｢ﾌﾞﾗ2｣は何といってもﾍﾞﾙﾘﾝ･ﾌｨﾙとの録音が素晴らしい!!今でもLPﾚｺｰﾄﾞで愛聴している｡晩年には老人性ﾘｽﾞﾑ硬直症＆ﾃﾝﾎﾟ停滞症を露呈していたが､50年〜60年半ばの壮年期のﾍﾞｰﾑが最も輝いていたと思う｡ﾍﾞﾙﾘﾝ･ﾌｨﾙとの｢ﾌﾞﾗ1｣や｢ｻﾞ･ｸﾞﾚｰﾄﾞ｣､｢ﾍﾞﾄ5｣､｢ﾍﾞﾄ7｣はﾌﾙﾄｳﾞｪﾝｸﾞﾗｰ時代のﾄﾞｲﾂ魂の響きを感じさせる｡歴史に残る｢ﾌﾞﾗ2｣の名演復活に拍手!!

精緻にして十二分に熱く，そしてスタイリッシュ。Andanteの洋々たる広がりと続くRondoの痛烈な追い込み!!ブラームスのマジャール気質への傾倒とシェーンベルクのオーケストレーションの巧緻さを堪能。おまけの2曲も楽しい。

ワイセンベルクは、一つ一つの音の響きを美しく響かせ、かつそれを自らが十分楽しみながら弾いています。それをきちんとインテンポの中でしっかりやっているのが凄い。さらにそのピアノがなよなよせず、どっちかというと筋肉質にも聞こえるから、あら不思議。ムーティもいつものようにマッチョに元気。まとめると硬質で美しく、インテンポなブラームスです。

ブラームスはこれくらいやってくれれば文句はない。N響としても最高のアンサンブルでこたえており、現在でもこれほどのブラームスをやれるかどうか疑わしい。録音も良好。

購入してから半年経ちますが、素敵な全集ですね。今も聞き入っています。３番の美しさはなんとも形容しがたいですね。