テンシュテットもいいけれど、ハイティンクの「抑制の美学」は、得難い強烈な個性を放っている。８０年代に入ってからのコンセルトヘボウとの偉業の名演奏から、いっさいの気負いと力みを削ぎ落としたような演奏。この人は解脱しちゃったのではなかろうか。ＬＳＯもうまくて、いい味出している。

これは隠れた名演なのではないだろうか。ギレリスにはライナー／シカゴ響と組んだ名盤があったけれど、この演奏はそれをはるかに凌ぐ。ヨッフムも、ここでは世紀の大指揮者だ。BPOとのスタジオはもとより、他のなみいる名演に勝るとも劣らない熱いオケを聴かせてくれている。この人はブラームスだと化けるなぁ。

１番は、かつて名演の誉れの高かった演奏で、期待通り。２番は、実は初めて聴いたのだけれども、これが凄くよかった。ヨッフムは見かけの所為か、温厚な伝統派といった印象をもっていたのだけれど、ブラームスに関しては（他もそうなのかもしれない）すごく情熱的な演奏で、本当に見直した。

ブラ１のベスト演奏とも言うべき録音で、これまで多くの讃辞が捧げられました。肝心の音質ですが、ターラの旧盤のステレオ・エフェクトが気持ち悪い、また新盤の線が細くて頼りないという不満が解消されるものだと思います。この価格であれば「買い」です。ただノイズが多少あってももっと情報量が多いものが出来そうな予感がします。

発売元からブラームスの映像頒布があると聞いていたので楽しみにしていましたら、ディーリアスまであるとは！Ｍｕｓｉｃ　＆ＡＲＴＳ　から出ていた録音と同じようですが、とても楽しみです。ディーリアス以外は海賊盤含め過去一度しか発売がありません。この時代の引き締まったテンポと華やかなボストン響の響きのマッチングが美しいです。

個人的にはBBC LEGENDSと並んで最近お気に入りの自主制作レーベル：LSO。今のところ同じシリーズの中ではこのハイティンク指揮のブラームスが最高ではないかと思っている。なにしろ�@二重協奏曲からすさまじいパッションなのだから、これは聴かずにはいられない！交響曲第２番も第２楽章辺りから徐々にオケの自主性が芽生えはじめ、第４楽章ではもうみんなが一生懸命で弾いている様子が手に取るようにわかる。聴いている方も嬉しく、手に汗握る。フルトヴェングラー、ベーム、ミンシュなど同曲名演・名盤多いが新しいところでは当盤を推したい。録音

購入したのは5CD-BOXセットで，ロ短調ミサ　モツレク　フォレレク　ドイツレクが2,700円というものでした。しかしなんという美しさ！体中に震えが走るほどです。今まで私が聴いてきたドイツレクの中の白眉です。コルボは本当に素晴らしい！

このCDはお買い得です。後年のコロンビア交響楽団の演奏と比べ、覇気、推進力、集中力は圧倒的にすごい。録音もかなり良い。（これを乱暴な演奏と言うことはもちろん可能）NYフィルはマズア以来馬鹿にされることがあるが、この当時に実力はヨーロッパのオーケストラに引けをとらない実力を持っている。この時期のワルターをかうかどうかは聴き手の音楽性にによる。自分の耳で聴き、自分の感性を信じましょう。

後年のミュンヘンPOのものより、こちらのほうが好きだ。特に、4番はこの曲の代表盤だ。1番や2番も素晴らしい。朝比奈・新日本フィル（2回目）、ワルター・NYPなどと並んで全集としては５指に入れたい。

これは大健闘のブラ１である。スタジオ録音ということで、アンサンブルも間然とするところがなく、完成度が高い。大学祝典序曲も速めのテンポで素晴らしい。惜しむらくは、弦の薄さが散見され、それさえなければ欧米の名盤に拮抗しうる名演奏となったことだろう。