ファン・ジョンウン

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野蛮なアリスさん

ファン・ジョンウン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309207407
ISBN 10 : 4309207405
フォーマット
出版社
発行年月
2018年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
207p 19cm(B6)

内容詳細

私はアリシア。女装ホームレスとして四つ角に立っている。ソウル郊外に建設される、大規模マンションを巡り加熱する人々の欲望―凶暴な母と年老いた父、そして沢山の食用犬と暮らす少年アリシアのたったひとりの戦い。数々の賞を総なめにする最前線の女性作家が強烈なイメージで描く怒りと敗北、無垢な祈りの物語。暴力の心臓を描く傑作!

【著者紹介】
ファン・ジョンウン : 1976年ソウル生まれ。2005年、京郷新聞「新春文芸」に短編が当選し作家デビュー。2010年『百の影法師』で韓国日報文学賞、2012年『パ氏の入門』でシン・ドンヨブ文学賞、2014年「誰が」(短篇)で第15回イ・ヒョソク文学賞、2015年『続けてみます』で第23回大山文学賞、2017年「笑う男」でキム・ユジョン文学賞を受賞

斎藤真理子 : 1960年、新潟市生まれ。明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業。80年より韓国語を学び、91〜92年、韓国の延世大学語学堂へ留学。15年、パク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、14年、クレイン)で第1回日本翻訳大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    街に立つ女装ホームレスのアリシア。人々に不快感を持たせながらも纏わりつくような彼女は、人々が恐れて敢えて見ないようにしている部分を語る。貧しく、周囲から馬鹿にされ続け、母親からは「クサレオメコ」という言葉で罵られながら暴力を受け、誰も助けてくれない。アリシアが唯一、家族で大切に思っていた弟の寝入り端に紡いでいた物語。そこには親から生まれて生きていく事の静かな呪詛、どうしようもできない現状の受容、右往左往する大人社会への冷めた視線がある。まだ、彼は遥かに若いのに心はどの大人よりも擦り切れてしまっている。

  • アマニョッキ さん

    決して楽しい読書ではない。辛くて目を背けたくなる、苦痛を伴う読書かもしれない。でもファン・ジョンウンの哀しみから、怒りから、嘆きから、淋しさから、わたしは目が離せなかった。文章がわたしを殴る。容赦なく殴りつける。ラストの章を読んで涙が溢れる。「日本の皆さんへ」の作者あとがきを読んでさらに胸をえぐられる。斎藤真理子さんの訳が素晴らしいことはもう言うまでもない。それにしても韓国文学の底知れなさには恐ろしささえ感じる。本当にアリスの穴のよう。韓国文学という穴に落ちて落ちて落ちて、わたしはまだ落ち続けている。

  • future4227 さん

    あまりにも衝撃的な表紙と内容の想像がつかないタイトル。現実が辛すぎて、もはや空想物語に逃げ込むしかない女装ホームレスの少年。しかしそこでも、暗い穴に落ちていく自分しか想像できない絶望感。都市開発を背景に富める者と貧しい者とに別れる格差社会。飼い犬を食い、いじめに耐え、親の虐待に耐える日々。やっとの思いで役所に逃げ込めば、部署が違うと言われ、親と一緒に予約してから来いと言われ、そんな人間たちへの諦めと憎しみを込めてクサレオメコ!と連呼する。そんな韓国社会の暗部を描いた社会派小説。彼らに明るい未来は来るのか?

  • りつこ さん

    面白かった、と言っていいのか悩むくらい、残酷でしんどい物語。日常的に暴力をふるう母に、飼っている犬を殺して食う父。見て見ぬふりの隣人に、役に立たない行政。子どもはあまりに無力で、暴力には暴力で立ち向かうしかないのか、持たない者に浮上するチャンスはないのか。悪夢のような物語だが、インパクトのある表紙と相まって、忘れられない一冊になりそうだ。

  • あじ さん

    主人公は「女装ホームレスのアリシア」─これは結果であって、物語の過程ではない。アリシアが纏う臭気を嗅がす(案山子)ため、四つ角に立たせたシンボルだ。「野蛮なアリスさん」は本書のテーマである、暴力の碑(いしぶみ)である。韓国純文学の台頭は黎明期をも司る。その先頭に立つミューズが『ファン・ジョンウン』だ。 ◆韓国文学の翻訳が目覚ましい発展を遂げている。斎藤真理子ありきと語られる日は、そう遠くない。【購入本】

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ファン・ジョンウン

1976年ソウル生まれ。2005年、短編「マザー」でデビュー。2010年『百の影』(オ・ヨンア訳)で韓国日報文学賞、2012年に『パ氏の入門』(未訳)で申東曄文学賞、2014年「誰が」(本書収録)で李孝石文学賞、2015年『続けてみます』(オ・ヨンア訳)で大山文学賞、2017年「笑う男」で金裕貞文学

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