なぜ中間層は没落したのか アメリカ二重経済のジレンマ

ピーター・テミン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784766426748
ISBN 10 : 4766426746
フォーマット
発行年月
2020年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
352p;20

内容詳細

アメリカの「現実」を直視する。二極化した階層を固定化する政策、低賃金、大量投獄、人種差別―アメリカ経済史の大家による警告。

目次 : 1 アメリカの二重経済(二重経済―成長の終焉とルイス・モデル/ FTE部門―金融・技術・電子の特権階層 ほか)/ 2 二重経済の政治(人種とジェンダー―根深い差別の存続/ 政治の投資理論―政治資金の影響力 ほか)/ 3 二重経済の統治(大量投獄―人種差別と負のスパイラル/ 公教育―財源不足と学生ローン地獄 ほか)/ 4 比較と結論(比較―技術変化と国際化のなかのアメリカ/ 結論―公正な社会のための行動計画)

【著者紹介】
ピーター・テミン : 1937年生まれ。マサチューセッツ工科大学名誉教授

栗林寛幸 : 1971年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業(国際関係論)。ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(経済学)。現在、一橋大学経済研究所規範経済学研究センター研究員

猪木武徳 : 1945年生まれ。大阪大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。マサチューセッツ工科大学(Ph.D.,Economics)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ばたやん@かみがた さん

    「格差拡大」は、T.ピケティ氏『21世紀の資本』が我が国でもベストセラーになる等、先進国共通の課題として関心が高い分野です。経済史家として名高い著者は、経済学と政治学にわたる知見を活かして取り分け先進国中でも深刻とされる米国の格差問題について、その実態となぜ是正されないのかについて迫っていきます。/テミン教授はまず中間層(中位家計所得の2/3〜2倍の所得層)が1970年には全米家計所得の62%を得ていたが、2014年には43%までに減り、所得分布が二極化している状況を端的に示します。(1/7)

  • パトラッシュ さん

    トランプ政権誕生の背景にあるアメリカの分断について、高賃金部門と低賃金部門に分かれている現状を二重経済モデルで論証する。世界最大国家の経済が人種、ジェンダー、公教育、インフラなど各面で富裕層が貧困層を搾取する形で成立している有様は、金の卵を産む鶏を強制給餌しながら飼っているようだ。鶏である白人低所得層が反発するどころか、富裕層による人種と性差別レトリックに惑わされて自分たちが食い物にされるのを喜んでいるとは。途上国経済分析のため考案された二重経済モデルがアメリカにふさわしいとは、何ともグロテスクな光景だ。

  • koji さん

    日本でも「一億総中流」という言葉が死語になりつつある中、アメリカの中間層は最早消滅の危機にあります。本書は、ルイス・モデルをアメリカに適用し二重経済における民主主義のあり方を考察する書です。指摘される生々しい事例の数々はアメリカの闇を感じさせます。本書の趣旨は、猪木武徳先生の解説につきます。特に「中産階級の縮小は健全なデモクラシーを危うくする。『ほどほどに持つ人々』の健全な判断力による安定的な社会、というデモクラシーのプラス要素が傷つけられる」。痺れる言葉です。他山の石として読んでもらいたい洞察の書です。

  • 34 さん

    アーサー・ルイスの考案した二重経済モデルによると、発展途上国の経済は資本主義部門と生存部門の二つに分かれ、前者は後者の賃金を抑制することで利潤を得ようとする。70年代以後、アメリカは生産性と賃金の伸び率が乖離し格差が著しく拡大したが、本書は上記のモデルを修整して現在(2017年)のアメリカの状況に当てはめようとしたものである。アメリカの政策はほぼ、巨額の政治資金を捻出できる超富裕層の選好によって決定されるが、本書の中心的な主張は、それが経済格差だけでなく容認しがたい人種差別をももたらしているということだ。

  • Mc6ρ助 さん

    なってこったい、言葉では理解したつもりだったけど、BlackLivesMatter、大量投獄をはじめとする差別、格差・・、アメリカの実態を知らなさすぎだ。日欧は再配分がまだまともに機能しているようだが、身内に仕事をまわして国民に金を出したがらず、教育・インフラよりも軍事に支出する政権って、兄貴の後を追いかける愚弟のような気分になる。団塊の世代とそれに続く我々は、世界が一番平等な時代に文句を言ったあと、世界の格差の拡大にひたすら貢献してきたことを、ここでも指弾された気分になるのだった。

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