私の心の奥底にあるブラームスのヴァリエーション
ブラームス、ヘンデル、パレストリーナ、ペシェッティ、他
ルイザ・イモルデ(ピアノ)
ドイツのピアニスト、ルイザ・イモルデはブラームスを好んでいますが、ブラームスだけでまとめたようなプログラムはありきたりで興味が無いとも語っており、ここでも凝ったプログラミングでブラームスの音楽に取り組んでいます。
イモルデは、ブラームスが古楽に詳しく、指揮や作曲、編曲、出版でも深く関わっていたことに着目し、ブラームス晩年の「4つの小品」や歌曲と古楽作品を組み合わせており、時代様式を跨がる面白さを示しながら、別角度から見たブラームス作品の姿をヴァリエーション豊かに楽しませてくれます。
最後の「ロベルト・シューマンの主題による変奏曲」は、ブラームス自身が変奏曲の主題にふさわしくないと言及していたシューマン晩年の「最後の楽想による幻覚の変奏曲」の主題をあえて用いた4手のための凝った変奏曲をキルヒナーが2手用に編曲したヴァージョン。4手に負けない情報量を持つ見事な編曲と演奏です。
装丁はデジパック仕様で、ブックレット(英語・ドイツ語・14ページ)には、ドイツの音楽学者、ハナー・シュミットによる解説が掲載。
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演奏者情報
ルイザ・イモルデ(ピアノ)
1989年、ケルン近郊のヴィールに誕生。父はピアニストのシュテファン・イモルデ、母は音楽教師のギーザ・シェール。3歳の時から母によるピアノのレッスンがおこなわれ、9歳の時にユーゲント・ムジツィールト・コンクールで優勝。2009年からケルン音楽大学でアンドレアス・フレーリヒに師事し、2012年にはザルツブルク・モーツァルテウム音楽院でジャック・ルヴィエに師事。
2009年、ブレーシャとパドヴァのコンクールで優勝、2011年、ヴァレンシアのホセ・ロカ・ピアノ・コンクールで第2位。
ルイザ・イモルデは、様々な作曲家の作品を比較検討してコンサートやレコーディングに臨むことが多く、凝ったプログラミングの面白さでも高評価をエています。2016年のソロ・デビュー・アルバム「サーカスの踊り」でも、シューマン作品とヴィトマン作品を組み合わせていました。
以後、2019年のべートーヴェン、モーツァルト、ヴェルフルのフーガ、変奏曲、ソナタ集(恩師ルヴィエが2台ピアノのアダージョとフーガで登場)、2020年のバッハ、カプースチン作品集、2022年のクープランとメシアンの作品集といった具合にリリースが続き、2023年にはクララ・シューマンとウェーバーのピアノ協奏曲ほかを組み合わせたアルバムを制作。
CDは、Berlin Classics、Ars Produktionなどから発売。
トラックリスト (収録作品と演奏者)
CD 73min.
◆
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
1.
メヌエット第2番ト短調 BWV 842(「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための音楽帳」より) 01:11
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897]
2.
間奏曲 Op.119 No.1(「ピアノ小品集」より) 04:10
◆
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル [1685-1759]
3.
前奏曲 HWV434 No.1(クラヴサン組曲第2集より) 01:44
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897]
4.
間奏曲 Op.119 No.2(「ピアノ小品集」より) 04:50
◆
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル [1685-1759]
5.
ソナタ HWV434 No.2(クラヴサン組曲第2集より) 01:44
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897]
6.
間奏曲 Op.119 No.3(「ピアノ小品集」より) 01:52
◆
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル [1685-1759]
7.
アリアと変奏 HWV434 No.3(クラヴサン組曲第2集より) 04:04
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897]
8.
ラプソディ Op.119 No.4(「ピアノ小品集」より) 05:31
◆
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル [1685-1759]
9.
メヌエット HWV434 No.4(クラヴサン組曲第2集より) 02:34
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897] (テオドール・キルヒナー [1823-1903] 編曲)
10.
「時々思い出す」Op.103 No.7(「ジプシーの歌」より) 01:54
◆
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペシェッティ [1704-1766]
チェンバロ・ソナタ ハ短調 09'26
11. I. アレグロ・マ・ノン・プレスト 02:55
12. II.モデラート 05:15
13. III.プレスト 01:16
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ヨハネス・ブラームス [1833-1897] (テオドール・キルヒナー [1823-1903] 編曲)
14.
「スミレに」 Op.49 No.2(5つの歌」より) 03:00
◆
ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ [1525-1594] (レオポルド・ゴドフスキー [1870-1938] 編曲)
15.
「主を拝み(アドラムス・テ)」 02:04
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897]
16.
「バッハによるプレスト」 Anh.Ia/1 No.4(「ピアノのための5つの練習曲」より/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 BWV1001終曲による) 03:06
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897] (テオドール・キルヒナー [1823-1903] 編曲)
17.
「別れ」Op.69 No.3(「9つの歌」より) 01:22
◆
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ [1710-1784]
18.
前奏曲 ハ短調(アンダンテ) Fk.29 02:09
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897] (フェルッチョ・ブゾーニ [1866-1924] 編曲)
19.
「わが心の切なる願い」Op.122 No.10(「11のコラール前奏曲」より) 03:25
◆
ヨハネス・ブラームス [1833-1897] (テオドール・キルヒナー [1823-1903] 編曲)
「ロベルト・シューマンの主題による変奏曲」 Op.23
20. 主題 01:49
21. 第1変奏 01:26
22. 第2変奏 01:36
23. 第3変奏 01:50
24. 第4変奏 01:58
25. 第5変奏 01:11
26. 第6変奏 01:34
27. 第7変奏 01:22
28. 第8変奏 00:58
29. 第9変奏 02:19
30. 第10変奏 03:09
ルイーザ・イモルデ(ピアノ/ベーゼンドルファー280VC)
録音:2024年3月28〜29日、5月4〜5日 、ケルン、ドイチュラントフンク・カマームジークザール
Track list
Johann Sebastian Bach
1. Menuet 2, BWV 842 (Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach) 01:11
Johannes Brahms
2. Nr. 1, Intermezzo. Adagio (Klavierstücke Op.119) 04:10
Georg Friedrich Händel
3. I. Prelude (Suite in B-Dur, HWV 434) 01:44
Johannes Brahms
4. Nr. 2, Intermezzo (Klavierstücke Op. 119) 04:50
Georg Friedrich Händel
5. II. Sonata (Suite in B-Dur, HWV 434) 01:44
Johannes Brahms
6. Nr. 3, Intermezzo (Klavierstücke Op. 119) 01:52
Georg Friedrich Händel
7. III. Aria mit Varia tionen (Suite in B-Dur, HWV 434) 04:04
Johannes Brahms
8. Nr. 4, Rhapsodie (Klavierstücke Op. 119) 05:31
Georg Friedrich Händel
9. IV. Minuet g-Moll (Suite in B-Dur, HWV 434) 02:34
Johannes Brahms (In Bearbeitung von Theodor Kirchner)
10. Nr. 7, Kommt dir Manchmal in den sinn (Zigeunerlieder Op. 103) 01:54
Giovanni Battista Pescetti
Sonata c-Moll
11. I. Allegro ma non presto 02:55
12. II. Moderato 05:15
13. III. presto 01:16
Johannes Brahms (In Bearbeitung von Theodor Kirchner)
14. Nr. 2, An ein Veilchen (5 Lieder Op. 49) 03:00
G. P. da Palestrina (In Bearbeitung L. Godowsky)
15. Adoramus te 02:04
Johannes Brahms
16. Presto. Nach J. S. Bach BWV 1001 (Studie No. 4) 03:06
Johannes Brahms (In Bearbeitung von Theodor Kirchner)
17. Nr. 3, Abschied (9 Lieder Op. 69) 01:22
Wilhelm Friedemann Bach (1710–1784)
18. Andante. Falck No. 29 (Preludio in c-Moll) 02:09
Johannes Brahms (In Bearbeitung von Ferrucio Busoi)
19. 10 "Herzlich thut mich verlangen" Andante tranquillo (11 Choralvorspiele Op.122) 03:25
Johannes Brahms (In Bearbeitung von Theodor Kirchner)
Variationen über ein Thema von Robert Schumann Op. 23
20. Thema. LEISE UND INNIG 01:49
21. Var. I 01:26
22. Var. II 01:36
23. Var. III 01:50
24. Var. IV 01:58
25. Var. V Poco pi u ani mato 01:11
26. Var. VI All egro non tropp o 01:34
27. Var. VII Con moto 01:22
28. Var. VIII Poco pi u viv o 00:58
29. Var. IX 02:19
30. Var. X Molto moderato, 03:09
Luisa Imorde Bösendorfer 280 VC
Recorded 28./29. of March 2024 and 4./5. of May 2024 at the Deutschlandfunk Kammermusiksaal in Cologne