ラ・ロンド〜リスト：ロ短調ソナタ、シューマン：クライスレリアーナ、ショパン：『革命』、他　ニコラ・アンゲリッシュ

ニコラ・アンゲリッシュ／ラ・ロンド
シューマン、リスト、ショパン作品集

1970年シンシナティ生まれのアメリカのピアニスト、ニコラ・アンゲリッシュ（アンジェリシュ、アンジェリックなどとも）は、パリに学び、フランスを拠点にヨーロッパを中心に活躍しています。
　今回の『ラ・ロンド』と題されたアルバムでは、シューマンとリスト、そしてショパンの作品を取り上げています。ライプツィヒの『一般音楽新聞』で、シューマンがショパンについて記した『諸君、脱帽したまえ、天才だ』の言葉はあまりにも有名ですが、リストについては『優しく、空気のように軽く、その後大胆、かつ激しくピアノを演奏した』と記しているように、シューマンは2人の音楽家を世に広めようとしていたのです。
　アンゲリッシュがとりあげた3つの作品は全て関連があり、シューマンの『クライスレリアーナ』はショパンに捧げられ、ショパンは練習曲の作品10をリストに捧げ、リストは彼の『ロ短調』ソナタをシューマンに捧げています。アルバム・タイトルの『LA RONDE（巡る）』はこれに由来するものです。
　ニコラ・アンゲリッシュは、チッコリーニやロリオ、ベロフらに師事し、カサドシュ国際コンクール第2位、ジーナ・バッカウアー国際コンクール第1位という経歴の持ち主。パリ国立高等音楽院ではピアノ、室内楽、伴奏の各クラスでプルミエ・プリを受賞し、ドイツ物も得意とするアンゲリッシュ。アルゲリッチからも高く評価される彼の芸風は、単なるヴィルトゥオーゾ志向ではなく、作品そのものへの共感や、共演者にも共鳴しあうものを求めるタイプで、それゆえ室内楽や協奏曲での演奏にも説得力が備わっているものと思われます。（ＨＭＶ）

【収録情報】
● シューマン：クライスレリアーナ Op.16
● リスト：ピアノ・ソナタ ロ短調S.178
● ショパン：練習曲 Op10-10
● ショパン：練習曲 Op.10-12『革命』

　ニコラ・アンゲリッシュ（ピアノ）

　録音時期：2016年1月
　録音場所：ドイツ、バイエルン州、エルマウ城
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）