(こちらは新品のHMVレビューとなります。参考として下さいませ。中古商品にはサイト上に記載がある場合でも、封入/外付け特典は付属いたしません。また、実際の商品と内容が異なる場合がございます。)
ラザール・ベルマン/コンプリートCBSレコーディング(6CD)
名ピアニスト、ラザール・ベルマンが全盛期におこなった西側での録音は、ソニーとドイツ・グラモフォンをメインにおこなわれましたが、今回はそのソニーの録音をすべてまとめたセットの登場です。
ベルマンのソニー(当時はCBS)での制作は、1976年にロンドンとニューヨークでおこなわれたセッション・レコーディングに始まり、1979年のカーネギー・ホールでのリサイタルのライヴ・レコーディングに至る、LP6枚分ですべてとなっています。
ラインスドルフ指揮シカゴ交響楽団とのブラームスのピアノ協奏曲第1番、アバド指揮ロンドン交響楽団とのラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、ベートーヴェンの熱情ソナタ&第18番、トルコ行進曲や火祭りの踊りなどの小品集、そしてカーネギー・ホールでのライヴ録音という収録内容で、どれも発売当時はたいへんな話題になったものでした。
完全限定生産盤。解説書は付いておりません。
【ベルマン・プロフィール】
ラザール(ラーザリ)・ナウモヴィチ・ベルマンは、1930年2月26日、レニングラードに誕生し、2005年2月6日、フィレンツェの自宅で亡くなっています。
ベルマンは2歳からペテルブルグ音楽院出身の母にピアノを学び、その後、レニングラード音楽院付属の早期英才グループでサフシンスキーに師事。1934年、4歳のときに最初のリサイタルを開いて自作を演奏し、7歳では初めてのレコーディングをおこない、9歳でモスクワ音楽院に入学、。高名なゴリデンヴェイゼル(ゴールデンワイザーとも)に23歳までの長期間にわたって師事し、この19世紀生まれの巨匠から絶大な影響を受けることとなります(「私は19世紀の人間であり、ヴィルトゥオーゾと呼ばれるタイプに属しています」と自らを語った有名な言葉の背景にはゴリデンヴェイゼルの存在が大きいようです)。
1951年にはベルリンで開かれた国際青少年音楽祭で第1位、1956年にブダペストのリスト国際ピアノ・コンクールで第1位となります。
モスクワ中央音楽院卒業後は、ソ連国内と東欧諸国でさかんに演奏活動をおこない、特にハンガリーで「リストの再来」として高い評価を獲得します。1958年にはロンドンにもデビューしますが、1960年代に入るとコンサート活動から次第に遠ざかるようになります。
その間、再びピアノの研鑽に励み、思索を深めたベルマンのピアノは、以前の名技至上主義的なものから、音楽の内容を深くつかみとろうとするものに変わって行き、1971年にはイタリアにデビュー、1976年にはアメリカにデビューしてセンセーショナルな成功を収めることとなリます。日本へも1977年以来何度か訪れており、演奏のほか、教育活動にも熱心なところを見せていました。(HMV)
【収録情報】
Disc1
● ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ロンドン交響楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音時期:1976年
録音場所:ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
Disc2
● ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
シカゴ交響楽団
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
録音時期:1979年11月
録音場所:シカゴ
Disc3
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 Op.57『熱情』
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3
録音時期:1976年
録音場所:ニューヨーク
Disc4
● ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2
● ラフマニノフ:前奏曲 ト長調 Op.32-5
● ラフマニノフ:前奏曲 ト短調 Op.23-5
● スクリャービン:練習曲 変ロ短調 Op.8-11
● スクリャービン:練習曲 嬰ニ短調 Op.8-12
● ハチャトゥリアン:トッカータ
● プロコフィエフ:『3つのオレンジへの恋』〜行進曲
● ベートーヴェン:トルコ行進曲
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2〜メヌエット
● ショパン:練習曲 嬰ハ短調 Op.25-7
● シューベルト/リスト編:グレートヒェン
● シューベルト/リスト編:魔王
● ファリャ:火祭りの踊り
録音時期:1976年12月
録音場所:ロンドン、CBSスタジオ
Disc5-6
『カーネギー・ホール・ライヴ1979』
● クレメンティ:ピアノ・ソナタ ロ短調 Op.40-2
● モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13『悲愴』
● ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35『葬送』
● リスト:葬送前奏曲と葬送行進曲 S.206
● リスト:スペイン狂詩曲 S.254
● ショパン:夜想曲第19番ホ短調 Op.72-1
● ガーシュウィン:前奏曲第2番
録音時期:1979年3月11,12日
録音場所:ニューヨーク、カーネギー・ホール
ラザール・ベルマン(ピアノ)
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション、ライヴ:Disc5-6)