パトリック・シャモワゾー

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素晴らしきソリボ

パトリック・シャモワゾー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309206707
ISBN 10 : 4309206700
フォーマット
出版社
発行年月
2015年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
246p;20

内容詳細

カーニバルの夜、語り部ソリボは言葉に喉を掻き裂かれて死ぬ──クンデラに「ボッカッチョやラブレーにつづく口承文学と記述文学の出会い」と激賞された、クレオール文学の旗手の代表作。

【著者紹介】
パトリック・シャモワゾー : 1953年、フランスの海外県マルティニークの首都フォール=ド=フランスに生まれる。86年、『七つの不幸の年代記』で作家デビュー。92年、黒人たちの民話の語りを応用しつつ豊かな想像力と鮮やかな文体によって描かれた『テキサコ』でコンクール賞を受賞、世界的に注目される。現在、クレオール文学の第一人者として国際的に活躍している

関口涼子 : 1970年、東京生まれ。翻訳家、作家。日本の小説や漫画の仏語訳も多数。パリ在住

パトリック・オノレ : 1961年、フランス、マルティーグ生まれ。翻訳家。小説や、漫画をはじめとして、これまでに100点以上の日本の作品をフランス語に翻訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    クレオールの口承文化。舞台はマルニチークあたり。語り部のソリボが語る途中に突然に死ぬ。聴くもの達の助けようとするための奔走と警察や消防隊との温度差に、クレオールに潜む白人社会からの迫害や彼らの抱える苦しみが滲む。登場人物達のニックネームが独特で、終盤に勢ぞろいするまで分かりにくいところもあるが、このあたりの理解は再読する時の楽しみ。圧巻は最後の「ソリボの口上」 その掛け合いが聴こえてくるようだ。「あぁ、この場にいたい」と思った。第二回日本翻訳大賞受賞作。訳書の1人は、私にフランス語を教えてれた人。

  • zirou1984 さん

    小説とはつまるところ、物語から声の力を強奪した屍体なのだろうか。物語は時にその内容と同じくらいに言葉の響きや抑揚、押韻が意味を持っているのであり、それは朗読することで驚くほど違った表情を見せてくれることもある。言語の混血児であるクレオール語が用いられるカリブ海諸島を舞台とした本作は調書―死んだ言葉から始まり、語り―小説には本来書き留められない生きた言葉で終わる。ソリボは死んだ、ソリボの言葉はもう産まれない。だからこそ本作はその生きた言葉の力を満面のユーモア込みで、こんなにも豊潤に伝え蘇らそうとする傑作。

  • zumi さん

    「言葉」によって喉を切り裂かれた者がいる。彼は語り部だ。物語は失われた言葉を再構成するところから始まる。書かれたものと話されたものは、一体どれほどの違いがあるのだろう。これは話された言葉を書き言葉に翻訳するという、ほとんど不可能とも言うべき、混成言語を構築する試みで貫かれた作品だ。

  • スミス市松 さん

    誰もが愛するソリボは言葉に喉を掻き裂かれて死ぬ。クレオール語はフランス語に押し流され、蔓延する書き言葉が「本当の言葉」を覆い隠し、カリブ海のまばゆい輝きに彩られたモノガタリはその色味を失っていく。歪みつつある島の「書き留める者」を自称するシャモワゾーは、自らは決して「ソリボ」にはなり得ないことを、それどころか己れの書き言葉はソリボの〈声〉の残響の破片にすらならないことを自覚しつつも、なお街場の人々の語りに耳をすませて書かずにはいられなかった。それはなぜか。それは「ソリボとは誰だったのか」を忘れないためだ。

  • マリカ さん

    カーニバルの夜に語り部のソリボが言葉に喉を掻き裂かれて死んだ。犯人はだれだ?フランスの海外県、カリブ海の島マルティニークに深く根づいたクレオール人とその支配者層の相容れない価値観のズレを描きつつ、クレオールの語り言葉が消えゆくことへの悲哀と、語り言葉を書き言葉として残すことの不可能性を同時に伝えている。クレオール語の魅力を日本語に見事に写し取った翻訳者の偉業に脱帽。本を閉じてもなおクレオールの口上の心地よいリズムと絶妙な合いの手が聴こえてくる。ぱたっとぅ、さっ!ぱたっとぅ、しっ!

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