パエール:歌劇『レオノーラ』
2020年8月、新型コロナ感染症(COVID-19)のパンデミック下で行われたインスブルック古楽音楽祭。ベートーヴェン生誕250周年を記念して用意された演目は、パエールの『レオノーラ』の演奏会形式上演でした。
パエールはベートーヴェンと同世代の1771年生まれのイタリア出身の作曲家。この『レオノーラ』は1804年の作品で、忠実な妻が不当に投獄された夫を地下牢から救うという筋書きはベートーヴェンの『フィデリオ』と同じであるものの、パエール作品では政治的な要素は薄められ、個人の愛と正直さが称賛されています 。また台本はイタリア語であり、この言葉の違いが音楽に表現方法やリズムなどのかなりの違いをもたらしています。構成はハッセやポルポラ、モーツァルトなどの影響を受けたイタリア・オペラの形式に則っており、リズミカルなレチタティーヴォやコロラトゥーラを駆使した聞かせどころの多いアリア、カバレッタ、そしてまろやかな二重奏などが次々と登場します。
イタリア・バロック・オペラの指揮で名高いアレッサンドロ・デ・マルキによる精彩に富んだ音楽と、題名役を歌うベロッチの見事にコントロールされた高難度のコロラトゥーラが聴きどころです。(輸入元情報)
【収録情報】
● パエール:歌劇『レオノーラ』全曲
〜クリスティアン・ザインデンベルクの新版による初演〜
レオノーラ…エレオノーラ・ベロッチ(ソプラノ)
フロレスターノ…パオロ・ファナーレ(テノール)
ロッコ…レナート・ジローラミ(バリトン)
マルツェリーナ…マリー・リーズ(ソプラノ)
ジアッキーノ…ルイジ・デ・ドナート(バス)
ドン・ピッツァーロ…カルロ・アッレマーノ(テノール)
ドン・フェルナンド…クレシミル・シュピツェル(テノール)
インスブルック音楽祭管弦楽団
アレッサンドロ・デ・マルキ(指揮)
録音時期:2020年8月5-11日(インスブルック古楽音楽祭)
録音場所:インスブルック、チロル州立劇場
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ 演奏会形式上演)