SACD 輸入盤

ヨハネ受難曲 クイケン&ラ・プティット・バンド(2SACD)

バッハ(1685-1750)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CC72545
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド,輸入盤

商品説明


バッハ:ヨハネ受難曲
クイケン&ラ・プティット・バンド


クイケンとラ・プティット・バンドは、1987年にドイツ・ハルモニ・ムンディにヨハネ受難曲を録音しており、非常に美しい演奏として高く評価されてきましたが、それからほぼ四半世紀を経て再録音されたのが今回のチャレンジ・クラシックス盤です。
 今回、クイケンとラ・プティット・バンドは、楽譜資料を深く考察した後、独自のヴァージョンを作成して使用しており、各声部1名による合唱にる見通しの良い響きを確保しています。

【クイケンが語る、ヨハネ受難曲の謎】
「バッハの生前、この作品は4回演奏され、演奏毎に新たな変更が加えられていた。時々の状況に合わせる場合もあれば、バッハがその時に自由に使える音楽家や楽器に影響を受ける場合もあり、しかし、バッハが最大限に実験的な試みを行ったのは、1725年の第2稿だった。例えば、冒頭に異なる合唱部分(その部分は後に、当時まだ作曲されていないマタイ受難曲第1部の最後の合唱として使用されている)を使用し、作品後半にも数曲異なるアリアを使用している。後に、バッハは1724年の第1稿に回帰し、楽器編成でいくつか変更する労作を行った。例えば、最終稿では、バッハは“バッソーノ・グロッソ”という楽器を加えているが、バッハが具体的にどの楽器を想定していたのか、はっきりとしたことは誰にもわからない。おそらく、16フィートのファゴット―即ちコントラファゴットで、まさに2メートルの長さの煙突のような楽器。しかし、バッハはいつもこの楽器をリュートや2台のヴィオラ・ダモーレといった繊細な音の楽器と組み合わせているので、バッハがそのような楽器を選んだとは信じ難く、むしろ8フィートのファゴットの方が可能性が高い。バッソーノ・グロッソという楽器はそれ以前のダルシアンよりむしろ、こちらの新しいタイプの楽器をおそらく示唆している。もっとも、ダルシアンも当時完全に流行遅れだったわけではない。私はここで、バッソーノ・グロッソとは何かについて確たる見解を打ち出そうとしたわけではないので、この楽器を使用しなかった。これは、私があえて第1稿にこだわったもう一つの理由であり、第1稿には不確定な問題が比較的少ないのだ。それでも、様々なグレーゾーンが存在する。バッハは、初演に先立ち個々の楽器のパート譜を作成する前に、スコアの清書を始めたが、結局この作業は完成しない。このスコアは実際の演奏に使用された楽譜から様々な点で逸脱しており、最も信憑性のある歴史的事実を見極める過程は、まるで推理小説を思わせるような様相を呈している。いずれにしても、詳細はわからないのだ」(シギスヴァルト・クイケン)

【収録情報】
・J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV.245

 ソリスト
 ゲルリンデ・ゼーマン(ソプラノ)
 ペトラ・ノスカイノヴァ(アルト)
 クリストフ・ゲンツ(テノール、福音史家)
 イェンス・ハーマン(バス、イエス・キリスト)

 合唱
 マリー・クイケン(ソプラノ)
 パトリツィア・ハルト(アルト)
 クヌート・ショッホ(テノール)
 ヴァルテル・テストリン(バス)

 ラ・プティット・バンド
 シギスヴァルト・クイケン(指揮、ヴァイオリン、ガンバ、ヴィオラ・ダモーレ)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. First Part (Chorus: Herr, Unser Herrscher)
  • 02. First Part (Recitative: Jesus Ging Mit Seinen Jngern - Chorus: Jesum Von Nazareth - Recitative: Jes
  • 03. First Part (Chorale: O Gro゚e Lieb)
  • 04. First Part (Recitative: Auf Dass Das Wort Erfllet Wrde)
  • 05. First Part (Chorale: Dein Will Gescheh)
  • 06. First Part (Recitative: Die Schar Aber Und Der Oberhauptmann)
  • 07. First Part (Aria: Von Den Stricken Meiner Snden)
  • 08. First Part (Recitative: Simon Petrus Aber Folgete Jesu)
  • 09. First Part (Aria: Ich Folge Dir Gleichfalls)
  • 10. First Part (Recitative: Derselbige Jnger)
  • 11. First Part (Chorale: Wer Hat Dich So Geschlagen)
  • 12. First Part (Recitative: Und Hannas Sandte Ihn - Chorus: Bist Du Nicht Seiner Jnger Einer? - Recitat
  • 13. First Part (Aria: Ach, Mein Sinn)
  • 14. First Part (Chorale: Petrus, Der Nicht Denkt Zurck)

ディスク   2

  • 01. Second Part (Chorale: Christus, Der Uns Selig Macht)
  • 02. Second Part (Recitative: Da Fhreten Sie Jesum Von Kaipha Vor Das Richthaus - Chorus: Wre Dieser Ni
  • 03. Second Part (Chorale: Ach, Groer Knig)
  • 04. Second Part (Recitative: Da Sprach Pilatus Zu Ihm - Chorus: Nicht Diesen, Sondern Barrabam! - Recita
  • 05. Second Part (Arioso: Betrachte, Meine Seel)
  • 06. Second Part (Aria: Erwge, Wie Sein Blutgefrbter Rcken)
  • 07. Second Part (Recitative: Und Die Kriegsknechte Flochten - Chorus: Sei Gegret, Lieber Judenknig -
  • 08. Second Part (Chorale: Durch Dein Gefngnis)
  • 09. Second Part (Recitative: Die Jden Aber Schrieen Und Sprachen - Chorus: Lssest Du Diesen los - Reci
  • 10. Second Part (Chorus & Aria: Eilt, Ihr Angefochtnen Seelen)
  • 11. Second Part (Recitative: Allda Kreuzigten Sie Ihn - Chorus: Schreibe Nicht: Der Jden Knig - Recita
  • 12. Second Part (Chorale: In Meines Herzens Grunde)
  • 13. Second Part (Recitative: Die Kriegsknechte Aber - Chorus: Lasset Uns Den Nicht Zerteilen - Recitativ
  • 14. Second Part (Chorale: Er Nahm Alles Wohl in Acht)
  • 15. Second Part (Recitative: Und Von Stund An)
  • 16. Second Part (Aria: Es Ist Vollbracht)
  • 17. Second Part (Recitative: Und Neigte Das Haupt)
  • 18. Second Part (Chorus & Aria: Mein Teurer Heiland)
  • 19. Second Part (Recitative: Und Siehe Da)
  • 20. Second Part (Aria: Mein Herz, in Dem Die Ganze Welt)
  • 21. Second Part (Aria: Zerflie゚e, Mein Herze)
  • 22. Second Part (Recitative: Die Jden Aber)
  • 23. Second Part (Chorale: O Hilf, Christe, Gottes Sohn)
  • 24. Second Part (Recitative: Darnach Bat Pilatum)
  • 25. Second Part (Chorus: Ruht Wohl, Ihr Heiligen Gebeine)
  • 26. Second Part (Chorale: Ach Herr, La゚ Dein Lieb Engelein)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
2
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
過去自分が聴き得たどの「ヨハネ受難曲」と...

投稿日:2012/05/22 (火)

過去自分が聴き得たどの「ヨハネ受難曲」とも次元を異にする演奏で、現在S.Kuijkenがどれ程高いレベルのBach演奏家となっているか、を如実に示す盤ではないでしょうか。自分にとってS.Kuijkenの新盤を聴いて真っ先に浮かぶのは、Kuijkenの旧盤でなく、彼がヴァイオリニストとして参加していたGustav Leonhardtの「マタイ受難曲」。世俗に背を向け、ひたすら過去の音楽をそれが鳴り響いた瞬間に還すことを唯一の目標とし、一切の妥協を拒みつつ生涯を歩み、今年1月にひっそり世を去ったLeonhardtの姿が、このKuijkenの「ヨハネ」新盤には明らかに透けて見えます。昨今特に個性的な演奏に事欠かない「ヨハネ」ですが、Kuijkenの演奏はどこまでも透明で、一切の誇張がありません。特に劇性を強調することもなく、さりとてあくまで宗教的に信仰心を前面に押し出す訳でもない。ただBachの音楽のあるがままに姿を、ひたすら歴史的に忠実に鳴り響かせる以外の意図は一切感じられません。それが顕著に判るのはコラールの演奏で、どんな演奏であっても演奏者が何らかの想いのたけを込めずにはいられないのに、このKuijkenの演奏はまるでつい先程集まってきた群衆が何の打ち合わせもなく歌い始めたかのように、そっけなくまたどこをとっても強調や作為がない、ただ合唱人数もほとんど補強せず限りなく簡素に歌われるからこそ、このコラールには長い年月にドイツの民衆の中で培われてきた想いが、素のままで提示されており、終結合唱の何の人為的作業も経ない簡潔な美しさは例えようがありません。このような演奏者の一切の作為から離れた、ただBachの音楽のありのままの姿にのみ奉仕するBachの受難曲演奏は、それこそLeonhardtのマタイ以外に思い当たりません。そしてそのLeonhardtの晩年の演奏でおそらく歴史上初めて実現した、Bach演奏における完全に至適なテンポとリズム、および声楽と器楽の理想的なバランスが、Kuijkenの演奏においても感じられつつあり、それが前のどこまでも美しかった「マタイ」およびこの「ヨハネ」新盤を限りなく客観的で美しくする基盤になっています。歌手・演奏者一人一人は、おそらくメンバー交代もあり、若手が入り決して全てが名手という訳でないのにも関わらず、この演奏の透明さ、全く夾雑物の欠片もない美しさは驚異的です。S.Kuijkenが現在このような高みにあり、元気で活動しているということは、我々Bach愛好家にとって、またBach演奏史にとって、どれ程幸福なことでしょうか。前の「マタイ」ほど目立たないかも知れませんが、おそらく過去のあらゆる「ヨハネ」と比較しても別次元の、Bachにどこまでも真正であろうとする演奏として、歴史に残る価値のある演奏と思います。

mimi さん | 兵庫県 | 不明

4
★
★
★
★
★
クイケンのマタイは初めて聴いた瞬間から美...

投稿日:2012/04/07 (土)

クイケンのマタイは初めて聴いた瞬間から美しさがこぼれ落ちる、満開の桜のような演奏でした。この新しいヨハネは、スルメというとキリストに失礼かもしれませんが、肉厚のハマグリのような早春の歓びに満ちている様が聴くほどに深みを増していくのです。ジャケットの写真は再考してもいいかも。見た目に惑わされないでください。途方もなく美しく、かつ味わい深いヨハネですので。

Ibsatoshi さん | 東京都 | 不明

1

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

バッハ(1685-1750)

1685年:アイゼナハで誕生。 1700年:リューネブルクに移り、修道院付属学校の給費生として生活。 1703年:ヴァイマルの宮廷楽団に就職。 1707年:ミュールハウゼンの聖ブラジウス教会オルガニストに就任。同年、マリア・バルバラ・バッハと結婚。 1708年:ヴァイマルに移って宮廷オルガニストに就任。 1714年:楽師長

プロフィール詳細へ

バッハ(1685-1750)に関連するトピックス

古楽 に関連する商品情報

おすすめの商品