
すべての音を克明に響かせた超高解像度演奏&録音
バッハ:インヴェンションとシンフォニア BWV772-801
ヴォルフガング・リュプザム(リュート・チェンバロ)
【概要】
◆約32年ぶりの再録音:バッハ演奏の大御所、ヴォルフガング・リュプザムが、インヴェンションとシンフォニアをリュート・チェンバロで演奏した全曲録音。リュプザムは1993年にも録音していたので、これが2度目の取り組みとなりますが、前回はピアノ演奏で、今回はキース・ヒルの製作したリュート・チェンバロによる演奏という大きな違いがあります。
◆リュート・チェンバロ:バッハはライプツィヒでは楽器のレンタルや販売仲介などをおこなっていたこともあってか、遺品目録にはチェンバロなど計8台もの鍵盤楽器が記載されており、うち2台はリュート・チェンバロでした。リュート・チェンバロのオリジナルはすべて失われ、どのような外観の楽器かもわからないため、現在、さまざまな形で復元がおこなわれていますが、ガット弦が張られ、ダンパーを使用していないという点では共通のようです。
◆自己プロデュース録音:この録音の特徴は、眼の前に楽器が置かれたような距離感でリュート・チェンバロの音が聴こえてくることで、リュプザム自身がレコーディング・プロデューサーとエンジニアを兼ねているからこそできる大胆な手法ともいえます。
◆じっくり型演奏:演奏の方も実に大胆です。バッハの音楽をいったん解体し、点検しながら組み上げて行くような独特のアプローチで、近接録音の効果もあってその音の情報量は膨大です。一方で通常聴かれる疾走感や元気なリズムといった要素は希薄化されており、リュプザムの演奏目的がフィジカルな快感ではないことは明らかです。前回の演奏時間は約66分、今回は約71分なので、平均約8%ゆったりした演奏ということになります。
【作品】
◆バッハ:15のインヴェンション(2声):単一のモチーフから対位法的に展開される短い小品。第1番(ハ長調)の3連符変奏版や、第6番(ホ長調)のような舞曲風の楽曲など、各曲で異なる性格。
◆バッハ:15のシンフォニア(3声):3つの独立した声部が絡み合う多声楽曲。第5番や第9番など抒情的、あるいは瞑想的な性格の曲も含まれます。
【演奏者】
◆ヴォルフガング・リュプザム:1973年シャルトル国際オルガン・コンクール優勝。ノースウェスタン大学の教会音楽・オルガン科教授、およびシカゴ大学ロックフェラー記念礼拝堂の大学オルガニストを23年間歴任。1996年から2010年まではドイツのザール音楽大学でも教えていました。バロックからロマン派までのオルガン作品や、リュート・チェンバロによる最新のバッハ録音を含む100枚以上のアルバムをこれまでに制作。
【収録】
◆録音:2025年4月。リュプザム自身がプロデューサーとエンジニアを兼務。
◆場所:ミネアポリス、セント・ヘレナ・カトリック教会。
【製品仕様】
◆ケース:10mm厚のポリスチレン製(ジュエルケース)。
◆ブックレット:英語。8ページ。ドイツのオルガニストで教会音楽家のクリスティアン・フォン・ブローンによる解説などが掲載。表紙の絵は楽器製作者のキース・ヒルが以前チェンバロ装飾のために描いたものです。
◆ディスク:独オプティマル・メディア(独EDELグループ)が製造。
◆レーベル:
Brilliant Classics(独EDELグループ。系列レーベルは、
Piano Classics ・
Berlin Classics ・
Neue Meister 等)
演奏者情報

ヴォルフガング・リュプザム
誕生
1946年10月16日、ドイツ国、ギーセン。
学業
1949年、3歳でピアノで遊び始めます。
1952年、6歳でピアノのレッスンを開始。
1963年、ヘッセン州のフルダでエーリヒ・アッカーマンにオルガンを師事(1967年まで)。
1967年、フランクフルト音楽大学に入学。教会音楽部門でヘルムート・ヴァルヒャに師事。在学中、テキサス州ダラスの南メソジスト大学に1年間留学。ヴァルヒャの弟子のロバート・T・アンダーソンに師事。古楽からメシアンまで、世界中のオルガンのレパートリーを毎日6時間練習し、修士号も取得。
1971年、パリでマリー=クレール・アランに師事(1974年まで)。
コンクール
1970年、インディアナ州フォートウェインで開催されたオルガン・コンクールで優勝。
1972年、ニュルンベルクとスペインのアビランで開催された国際コンクールで3位を2回獲得。
1973年、シャルトル国際オルガン・コンクールで優勝。
演奏
1962年、16歳で教会の礼拝でオルガン演奏開始。
マリエンシュタット修道院で定期的に演奏。
1981年、シカゴ大学ロックフェラー記念礼拝堂の大学オルガニストに就任(1997年まで)。
1998年、ウィスコンシン州ローレンス大学のアーティスト・イン・レジデンスに就任、大学オルガニストも兼務(2003年まで)。
教育
1974年、シカゴ近郊、ノースウェスタン大学の教会音楽とオルガンの教授に就任(1997年まで23年間在職)。
1997年、ザール音楽大学オルガン科教授に就任(2010年まで)。
録音
1977年、バッハ:オルガン曲全集を録音。CD16枚分(PHILIPS)。
1985〜1995年、バッハ:ピアノ曲集を録音。CD12枚分(NAXOS)。
1988〜1995年、バッハ:オルガン曲全集を録音。CD18枚分(NAXOS)。
1991〜1994年、ヴィエルヌ:オルガン曲全集を録音(IFO Classics/Brilliant Classics)。
1998〜2007年、ラインベルガー:オルガン曲全集を録音。CD8枚分(NAXOS)。
2011年、ヴァルヒャ:コラール前奏曲集を録音(NAXOS)。
2016〜2017年、バッハ:平均律クラヴィーア曲集をリュート・チェンバロで録音(Brilliant Classics)。
2017年、バッハ:無伴奏チェロ組曲第1〜3番をリュート・チェンバロで録音(COUNTERPOINT)。
2017年、バッハ:ゴルトベルク変奏曲をリュート・チェンバロで録音(NAXOS)。
2018年、バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲をリュート・チェンバロで録音(COUNTERPOINT)。
2019年、ヴァイス:リュート・ソナタ集をリュート・チェンバロで録音(Brilliant Classics)。
2020年、バッハ:フランス組曲をリュート・チェンバロで録音(Brilliant Classics)。
2021年、バッハ:トッカータ、パルティータをリュート・チェンバロで録音(Brilliant Classics)。
2022年、バッハ・オルガン・トランスクリプションを録音(Brilliant Classics)。
2024年、バッハ:イギリス組曲をリュート・チェンバロで録音(Brilliant Classics)。
トラックリスト(収録作品と演奏者)
CD [70'56]
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)
◆15のインヴェンション(1720-23)
【1】 インヴェンション 第1番 ハ長調 BWV772a [2’02]
【2】 インヴェンション 第2番 ハ短調 BWV773 [2’28]
【3】 インヴェンション 第3番 ニ長調 BWV774 [2’01]
【4】 インヴェンション 第4番 ニ短調 BWV775 [1’40]
【5】 インヴェンション 第5番 変ホ長調 BWV776 [2‘36]
【6】 インヴェンション 第6番 ホ長調 BWV777 [4’53]
【7】 インヴェンション 第7番 ホ短調 BWV778 [2’15]
【8】 インヴェンション 第8番 ヘ長調 BWV779 [1’33]
【9】 インヴェンション 第9番 ヘ短調 BWV780 [2’25]
【10】 インヴェンション 第10番 ト長調 BWV781 [1’17]
【11】 インヴェンション 第11番 ト短調 BWV782 [2’16]
【12】 インヴェンション 第12番 イ長調 BWV783 [1’59]
【13】 インヴェンション 第13番 イ短調 BWV784 [2’06]
【14】 インヴェンション 第14番 変ロ長調 BWV785 [1’46]
【15】 インヴェンション 第15番 ロ短調 BWV786 [1’52]
◆15のシンフォニア(1720-23)
【16】 シンフォニア 第1番 ハ長調 BWV787 [1’45]
【17】 シンフォニア 第2番 ハ短調 BWV788 [2’30]
【18】 シンフォニア 第3番 ニ長調 BWV789 [2’17]
【19】 シンフォニア 第4番 ニ短調 BWV790 [2’23]
【20】 シンフォニア 第5番 変ホ長調 BWV791 [3’22]
【21】 シンフォニア 第6番 ホ長調 BWV792 [1’57]
【22】 シンフォニア 第7番 ホ短調 BWV793 [3’17]
【23】 シンフォニア 第8番 ヘ長調 BWV794 [1’54]
【24】 シンフォニア 第9番 ヘ短調 BWV795 [3’56]
【25】 シンフォニア 第10番 ト長調 BWV796 [1’56]
【26】 シンフォニア 第11番 ト短調 BWV797 [3’04]
【27】 シンフォニア 第12番 イ長調 BWV798 [2’31]
【28】 シンフォニア 第13番 イ短調 BWV799 [2’04]
【29】 シンフォニア 第14番 変ロ長調 BWV800 [2’17]
【30】 シンフォニア 第15番 ロ短調 BWV801 [2’18]
ヴォルフガング・リュプザム(リュート・チェンバロ)
録音:2025年4月
場所:アメリカ、ミネソタ州、ミネアポリス、セント・ヘレナ・カトリック教会
Track list
Johann Sebastian Bach 1685-1750
Inventions & Sinfonias
15 Inventions(1720-23)
1. Invention in C BWV772a 2’02
2. Invention in C minor BWV773 2’28
3. Invention in D BWV774 2’01
4. Invention in D minor BWV775 1’40
5. Invention in E-flat BWV776 2‘36
6. Invention in E BWV777 4’53
7. Invention in E minor BWV778 2’15
8. Invention in F BWV779 1’33
9. Invention in F minor BWV780 2’25
10. Invention in G BWV781 1’17
11. Invention in G minor BWV782 2’16
12. Invention in A BWV783 1’59
13. Invention in A minor BWV784 2’06
14. Invention in B flat BWV785 1’46
15. Invention in B minor BWV786 1’52
15 Sinfonias(1720-23)
16. Sinfonia in C BWV787 1’45
17. Sinfonia in C minor BWV788 2’30
18. Sinfonia in D BWV789 2’17
19. Sinfonia in D minor BWV790 2’23
20. Sinfonia in E flat BWV791 3’22
21. Sinfonia in E BWV792 1’57
22. Sinfonia in E minor BWV793 3’17
23. Sinfonia in F BWV794 1’54
24. Sinfonia in F minor BWV795 3’56
25. Sinfonia in G BWV796 1’56
26. Sinfonia in G minor BWV797 3’04
27. Sinfonia in A BWV798 2’31
28. Sinfonia in A minor BWV799 2’04
29. Sinfonia in B flat BWV800 2’17
30. Sinfonia in B minor BWV801 2’18
Wolfgang Rübsam lute-harpsichord
Recording: April 2025, Saint Helena Catholic Church, Minneapolis, USA