ノルウェーの女性作曲家
パウリーネ・ハルが残した歌曲&ピアノ曲集
アガーテ・バッケル・グロンダールとともに第二次世界大戦前の世代を代表するノルウェーの女性作曲家、パウリーネ・ハル。音楽批評家、作家、音楽書翻訳家としても活動。国際現代音楽協会(ISCM)のノルウェー支部会長を23年に渡って務め、歌曲、ピアノ曲、室内楽曲、管弦楽曲、劇音楽のジャンルに作品を残しました。代表作に挙げられる管弦楽のための『ヴェルレーヌ組曲』と劇音楽『ユリウス・カエサル』組曲がSimaxの「Norway in Music」の1枚としてリリースされています。
ハルの書いた歌曲は約50曲。『ある芸術家に』には、ガルボルグ、ボー・ベリマン、ヤコブセン、ハイネ、モルゲンシュテルン、ヴェルレーヌをはじめとする、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、フランスの詩をテクストとする抒情と内省の歌が22曲収録されました。1920年代に初演され好評だったもの、出版されなかったせいで忘れられてしまっていた作品です。ノルウェー国立図書館所蔵の手稿譜がこの演奏のために使われました。
メゾ・ソプラノのトーヴェ・トレスダールと、ピアノで共演するペール・アルネ・フランセン 、作品1のピアノ曲を弾くイングリ・アンスネス。歌心のある素晴らしい音楽家たちです。アルバムの制作は 2Lのモッテン・リンドベルグが担当。優れた録音で知られる 2Lレーベルと同じクオリティの録音が、ソフィエンベルグ教会で行われたセッションの「楽興の時」を伝えてくれます。(キングインターナショナル)
【収録情報】
ハル:
・子守歌 (Berceuse)
・ある芸術家に (Till en konstnar)
・黄昏に (I skymningen)
・スヴェン・ヘルルフセンの言葉 (Svend Herlufsens ord)
・ワルツ Op.1-3(ピアノ・ソロのための)
・アンナの歌 (Annas sangor) 〜第4曲「ねえ、盗んだのが誰なのか、おまえに言えるかしら (Sag, kan du namna mig tjufvens namns)」
・アンナの歌 (Annas sangor) 〜第3曲「少女は草地で野いちごを摘み (Sma flickorna i graset de plocka smultronbar)」
・露にぬれた花よ (Du blomst i dug)
・わたしの大きな苦しみから (Aus meinen grossen Schmerzen)
・秘密の花園 (Der verschlossene Garten)
・わが心 (Mein Herz)
・冬の夕べ (Winterabend)
・黄昏どきの夢 (Traum druch die Dammerung) Op.1-1(ピアノ・ソロのための)
・ヴェスレモイ (Veslemoy)
・途方に暮れて (Raadlaus)
・冬の嵐 (Vinter-strom)
・愛の歌 (エロティク) (Erotikk) Op.1-2(ピアノ・ソロのための)
・空 (Le ciel)
・巷に雨が降るごとく (Il pleure dans mon coeur)
・暗く果てない眠り (Un grand sommeil noir)
・スケルツィーノ (Scherzino) Op.1-4(ピアノ・ソロのための)
・牧場で (Auf einer Wiese)
・魂 (Seelen)
・憂鬱の小鳥 (Voglein Schwermut)
・死んでしまった感覚 (Tote Sinne)
・この世に (Uber die Welt hin)
トーヴェ・トレスダール(メゾ・ソプラノ)
ペール・アルネ・フランセン(ピアノ)
イングリ・アンスネス(ピアノ)
録音時期:2010年8月
録音場所:オスロ、ソフィエンベルグ教会
録音方式:デジタル(セッション)
制作:モッテン・リンドベルグ (2L)
録音:ベアトリス・ユハンネセン