CD 輸入盤

弦楽四重奏曲集 シュナイダー四重奏団(15CD)

ハイドン(1732-1809)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
AN105
組み枚数
:
15
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


シュナイダー四重奏団/ハイドン弦楽四重奏曲集(15CD)

ブダペスト弦楽四重奏団でおなじみのヴァイオリニスト、アレグザンダー・シュナイダーが結成した「シュナイダー四重奏団」による一連のハイドンの弦楽四重奏曲録音は、かつてボストンを拠点に活動していたレーベル「ハイドン・ソサエティ・レコーズ」による大規模なプロジェクトでした。
 当時はまだハイドンの弦楽四重奏曲の認知度が低く、まとまったものとしては、HMVが1930年代に制作したプロアルテ四重奏団による29作品の録音があったくらいですが、そこでは安全策として、「ハイドン・カルテット・ソサエティ」という名前で予約者を募っての販売方法が採択されていました。
 シュナイダー四重奏団による大型企画は、通常の販売方法で展開されていましたが、マイナー・レーベルで販路が小さかったことも影響してか、シリーズ途中で資金難に陥り、全集完成には至りませんでした。しかし、当時、ハイドンの弦楽四重奏曲を体系的かつ大量にレコーディングしたことは、現在でも偉業として高く評価されています(当セットでは現在ディヴェルティメントとされている曲などを除いて収録)。
 アレグザンダー・シュナイダーとカザルスの薫陶を受けた若者たち(とヘルマン・ブッシュ)による演奏は、ハイドンの音楽の多彩な表情を、緩急の幅や、重さと軽さの表現上の違いをしっかりと描き出したもので各楽器の存在感も十分、小気味い良いユーモア感覚から悲痛な表現まで見事な彫琢が示されています。
 国会図書館や礼拝堂での公演曲にも選ぶなど、当時のシュナイダーにとって重要な作品であった大曲『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』もすばらしい演奏で、ゆるく流されがちな7つのソナタも、ここではメリハリの利いた音楽づくりでダレることがありません。


【アレグザンダー・シュナイダー】
コンサートマスターから指揮者
ロシア帝国のヴィルナに生まれたアレグザンダー・シュナイダー[1908-1993]は、生地とフランクフルト、ベルリンで勉強し、フランクフルト・ムゼウム管弦楽団のコンサートマスターとなり、その後、ハンブルクのオーケストラの副指揮者となったものの、ユダヤ系だったためナチの台頭により解雇されてしまいます。

ブダペスト弦楽四重奏団第1次入団
ちょうど同じころの1932年に、兄のミッシャ・シュナイダー[1904-1985]が在籍していたブダペスト弦楽四重奏団のヴァイオリニストが欠員になったため、同四重奏団に入団、以後、第2ヴァイオリン奏者として12年間に渡って演奏します。しかし、やりたいことやアイデアがあふれていたシュナイダーは、やがてカルテット以外のことにも大きな関心を抱くようになり、別な道に進むことを決意。

退団と新たな道の模索
1944年にブダペスト弦楽四重奏団を退団したシュナイダーのもとには、メトロポリタン歌劇場からの指揮者契約要請や、プロアルテ四重奏団、パガニーニ四重奏団からのリーダー就任要請などもありましたが、シュナイダーはこれらを断っています。
 1945年、ピアノのエーリッヒ・イトル・カーン、チェロのベナー・ハイフェッツと「アルベネリ・トリオ」を結成、ピアノ三重奏の室内楽作品を数多く演奏(ちなみにグループ名の「ALBENERI」は、アレクサンダー・シュナイダーの「AL」、ベナー・ハイフェッツの「BEN」、エーリッヒ・イトル・カーンの「ERI」を組み合わせた造語)。
 続いて、チェンバロのラルフ・カークパトリックと組んで独奏ヴァイオリニストとしてツアーをおこなったほか、米コロンビアにモーツァルトのレコーディングも実施。
 1947年、フランスとスペインの国境近く、ピレネー山脈ふもとのプラドに隠遁していたカザルスのもとを訪れて交流。音楽祭の提案のほか、バッハ解釈に関する教えも受けていました。
 続いて、ダンバートン・オークス室内管弦楽団を指揮してヴィヴァルディとモーツァルトなどを演奏し、ハイドン・ソサエティ・レコーズに録音。共演はカークパトリックやグリーンハウス。
 さらに、ニューヨーク・ピアノ四重奏団に参加、ミエチスワフ・ホルショフスキのピアノとフランク・ミラーのチェロ、ミルトン・カティムズのヴィオラとの共演でピアノ四重奏レパートリーを演奏。
 1949年、たび重なるカザルスとの交流からバッハ解釈に自信を持ったシュナイダーは、大作「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」をマーキュリー・レーベルに全曲録音。
 1950年、ホルショフスキと共にプラド音楽祭を開催して成功を収めて定着、以後、翌1951年に近郊で追加開催されたペルピニャン音楽祭や、プエルト・リコでのカザルス音楽祭、マールボロ音楽祭へと繋げて行きます。

シュナイダー四重奏団結成
1950年、プラド音楽祭で交流のあった若手演奏家たちと「シュナイダー四重奏団」を結成。なお、チェロについては、1953年にフォーリーが退団、後任のダニエル・サイデンバーグ[1906-1997]もすぐに辞めてしまったため、ハイドン作品にも精通していたヘルマン・ブッシュに交代しています。

●イシドア・コーエン[1922-2005]:第2ヴァイオリン
ジュリアード音楽院出身のコーエンは、シュナイダー四重奏団の後、ジュリアード弦楽四重奏団の第2ヴァイオリン奏者、ボザール・トリオのヴァイオリニストを歴任。
●カレン・タトル[1920-2010]:ヴィオラ
カーティス音楽院出身のタトルは、ガリミール四重奏団、ゴッサム弦楽四重奏団などで演奏したほか、教育者としても活躍し、キム・カシュカシアンなど多くのヴィオラ奏者を育成。
●マデリーン・フォーリー[1922-1982]:チェロ
ジュリアード音楽院出身のフォーリーは、マールボロ音楽祭の常連として活躍。シュナイダーの弦楽アンサンブルでも弾き、ニューイングランド音楽院やマンネス音楽大学などでは後進を育成。マールボロで心臓発作のため59歳で亡くなっています。
●ヘルマン・ブッシュ[1897-1975]:チェロ
ケルンとウィーンで学んだブッシュは、ブリュッセル交響楽団、ウィーン交響楽団、ドレスデン・フィル、ブッシュ=ゼルキン・トリオ、ブッシュ四重奏団、アドルフ・ブッシュ室内管弦楽団などに在籍。教育者としては、マールボロ音楽学校共同設立のほか、マイアミ大学などで教授として活動。

ブダペスト弦楽四重奏団第2次入団
1955年、第1ヴァイオリンのロイスマンの強い希望により、シュナイダーは第2ヴァイオリン奏者としてブダペスト弦楽四重奏団に再び入団。チェロのミッシャ・シュナイダーの背中の手術の失敗を機に解散するまでの12年間を過ごします。第1次と合わせると24年間の在籍期間でした。


アンサンブル設立と指揮、教育
退団後は、指揮者としてコンサートやレコーディングをおこなう機会が増え、イギリス室内管弦楽団やコロンビア交響楽団、マールボロ音楽祭管弦楽団などと数多く共演。
 教育の機会も増え、ニューヨーク州立大学、カリフォルニア大学、シカゴ大学、ミシガン大学、ワシントン大学などで教鞭をとっていました。
 1957年、ブダペスト弦楽四重奏団在籍中に、シュナイダーは、演奏会と教育を兼ねたプログラム「シュナイダー・コンサート」を立ち上げ、亡くなるまで毎年開催。
 1969年には、若手演奏家たちを集めて「ニューヨーク弦楽オーケストラ」を創設。これも演奏会のほかにセミナーも開催するシステムで、毎年開催して膨大な数の若手演奏家を育てています。
 1972年、若手演奏家たちを集めて「ブランデンブルク・アンサンブル」を創設。客演アーティストにも配慮して、亡くなるまで定期的に演奏会を開催。
 1993年2月4日、ニューヨークの自宅で心不全で死去。

【十字架上のキリストの最後の7つの言葉】
 「父よ、彼らをお赦し下さい」
 「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」
 「婦人よ御覧なさい。あなたの子です」
 「わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」
 「渇く」
 「成し遂げられた」
 「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」

これら『最後の7つの言葉』として知られる、死を目前にしたイエス・キリストの七つの言葉に基づく作品は、ハイドンのほかにも、シュッツ、グノー、デュボワ、マクミラン、クルターク、グバイドゥーリナ、トゥルヌミールなどさまざまな作曲家によるものがありますが、代表的な存在はやはりハイドンでしょう。
 現在、様々なヴァージョンで知られるハイドンのこの作品ですが、もともとは、スペイン、カディスのサンタ・クエバ教会での聖金曜日の礼拝の際に『最後の7つの言葉』の一つ一つについて説教をする司教が、会衆を黙想させるのに効果的なオーケストラの音楽を希望した、という依頼を受けて作曲されたものでした。

初演の成功と複数ヴァージョンの出現
教会での1786年の初演は成功してすぐに楽譜も出版され、さらにハイドンは、演奏機会が増えるよう、翌1787年には弦楽四重奏版も書き上げます。
 同じ年には、出版社により鍵盤楽器ヴァージョンもつくられ(校訂はハイドン)、さらに後の1795年には合唱つきのオラトリオ・ヴァージョンまで書かれたという念のいりようでした。
 また、演奏の際に、福音書朗読を組み合わせるという本来の姿の復元だけでなく、グレゴリオ聖歌を挿入するといったこともおこなわれるようになり、さらにオラトリオ・ヴァージョンの合唱パートを重唱にして弦楽四重奏と組み合わせたりと、『最後の言葉』のインスピレーションは、ハイドンの手を離れてからも影響力が強かったことが良くわかります。

ゆったりした曲調と過激な「地震」
全曲は、7つの言葉に対応する7つのソナタ楽章と、キリスト昇天時の天変地異を描いた急速で迫力のある「地震」の楽章から成っており、終曲の「地震」以外はゆったりとした楽章が続く、1時間前後の大曲となっています。
 シュナイダー四重奏団の録音はトータル52分12秒と快速なもので、奏者4人の交わりも克明に、弦楽四重奏曲としての味わいが追求されているかのようです。ちなみにシュナイダー四重奏団の礼拝堂での公演に際しては、俳優による福音書朗読も組み合わせていたということですが、弦楽四重奏曲としての鑑賞には、この録音のスタイルの方が良さそうです。(HMV)


【収録情報】
ハイドン:弦楽四重奏曲選集

Disc1
●弦楽四重奏曲第1番変ロ長調 Op.1-1 Hob.III:1『狩』
●弦楽四重奏曲第2番変ホ長調 Op.1-2 Hob.III:2
●弦楽四重奏曲第3番ニ長調 Op.1-3 Hob.III:3
●弦楽四重奏曲第4番ト長調 Op.1-4 Hob.III:4

Disc2
●弦楽四重奏曲0番変ホ長調 Op.1-0 Hob.III:5
●弦楽四重奏曲第6番ハ長調 Op.1-6 Hob.III:6
●弦楽四重奏曲第7番イ長調 Op.2-1 Hob.III:7*

Disc3
●弦楽四重奏曲第8番ホ長調 Op.2-2 Hob.III:81*
●弦楽四重奏曲第9番へ長調 Op.2-4 Hob.III:10*
●弦楽四重奏曲第10番変ロ長調 Op.2-6 Hob.III:12*

Disc4
●弦楽四重奏曲第17番へ長調 Op.17-2 Hob.III:26
●弦楽四重奏曲第18番ホ長調 Op.17-1 Hob.III:25
●弦楽四重奏曲第19番ハ短調 Op.17-4 Hob.III:28

Disc5
●弦楽四重奏曲第20番ニ長調 Op.17-6 Hob.III:30
●弦楽四重奏曲第21番変ホ長調 Op.17-3 Hob.III:27
●弦楽四重奏曲第22番ト長調 Op.17-5 Hob.III:29『レチタティーフ』

Disc6
●弦楽四重奏曲第23番ヘ短調 Op.20-5 Hob.III:35*
●弦楽四重奏曲第24番イ長調 Op.20-6 Hob.III:36*
●弦楽四重奏曲変ホ長調 Op.2-3 Hob.III:9*
●弦楽四重奏曲ニ長調 Op.2-5 Hob.III:11*

Disc7
●弦楽四重奏曲第25番ハ長調 Op.20-2 Hob.III:32*
●弦楽四重奏曲第26番ト短調 Op.20-3 Hob.III:33*
●弦楽四重奏曲第27番ニ長調 Op.20-4 Hob.III:34*

Disc8
●弦楽四重奏曲第28番変ホ長調 Op.20-1 Hob.III:31*
●弦楽四重奏曲第29番ト長調 Op.33-5 Hob.III:41『ご機嫌いかが』
●弦楽四重奏曲第30番変ホ長調 Op.33-2 Hob.III:38『冗談』

Disc9
●弦楽四重奏曲第31番ロ短調 Op.33-1 Hob.III:37
●弦楽四重奏曲第32番ハ長調 Op.33-3 Hob.III:39『鳥』
●弦楽四重奏曲第33番ニ長調 Op.33-6 Hob.III:42

Disc10
●弦楽四重奏曲第34番変ロ長調 Op.33-4 Hob.III:40
●弦楽四重奏曲第35番ニ短調 Op.42 Hob.III:43
●弦楽四重奏曲第36番変ロ長調 Op.50-1 Hob.III:44
●弦楽四重奏曲第37番ハ長調 Op.50-2 Hob.III:45

Disc11
●弦楽四重奏曲第38番変ホ長調 Op.50-3 Hob.III:46
●弦楽四重奏曲第39番へ短調 Op.50-4 Hob.III:47
●弦楽四重奏曲第40番へ長調 Op.50-5 Hob.III:48『夢』

Disc12
●弦楽四重奏曲第41番ニ長調 Op.50-6 Hob.III:49『蛙』
●弦楽四重奏曲第60番ト長調 Op.76-1 Hob.III:75*
●弦楽四重奏曲第61番ニ短調 Op.76-2 Hob.III:76『五度』*

Disc13
●弦楽四重奏曲第62番ハ長調 Op.76-3 Hob.III:77『皇帝』*
●弦楽四重奏曲第63番変ロ長調 Op.76-4 Hob.III:78『日の出』*
●弦楽四重奏曲第64番ニ長調 Op.76-5 Hob.III:79*

Disc14
●弦楽四重奏曲第65番変ホ長調 Op.76-6 Hob.III:80『幻想』
●弦楽四重奏曲第66番ト長調 Op.77-1 Hob.III:81
●弦楽四重奏曲第67番ヘ長調 Op.77-2 Hob.III:82

Disc15
●『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』Op.51 Hob.III:50-56 (弦楽四重奏版)
 1. 序章
 2. 第1ソナタ「父よ、彼らの罪を赦したまえ」
 3. 第2ソナタ「おまえは今日、私と共に楽園にいる」
 4. 第3ソナタ「女性よ、これがあなたの息子です」
 5. 第4ソナタ「わが神よ、なぜ私を見捨てたのですか?」
 6. 第5ソナタ「渇く」
 7. 第6ソナタ「果たされた」
 8. 第7ソナタ「父よ、あなたの手に私の霊を委ねます」
 9. 地震
●弦楽四重奏曲第68番ニ短調 Op.103 Hob.III:83

シュナイダー四重奏団
アレグザンダー・シュナイダー(ヴァイオリン)
イシドール・コーエン(ヴァイオリン)
カレン・タトル(ヴィオラ)
マデリーン・フォーリー(チェロ)
ヘルマン・ブッシュ(チェロ)*

録音:1951-1954年(モノラル)

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人物・団体紹介

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ハイドン(1732-1809)

ハイドンは1732年に生まれ、1809年に亡くなっています。その77年の生涯は、29歳から58歳までを過ごした30年に及ぶエステルハージ時代を中心に、それ以前とそれ以降の3つの時期に分けて考えることができます。「エステルハージ以前」の28年間は、幼少期の声楽やさまざまな楽器演奏の修行、青年期に入ってからの作曲の勉強に

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