ヴァイオリン作品全集　ハッセ・ボロプ、アンドリュー・ストープ

ニールセン：ヴァイオリン作品全集

幼少期から優れた音楽的才能を発揮したニールセン。中でも彼が最も得意としたのはヴァイオリンの演奏でした。20代から30代にかけてデンマーク王立管弦楽団で第2ヴァイオリン奏者を務め、ヴェルディのオペラのデンマーク初演に携わるなどプロの奏者として活躍しただけあって、彼のヴァイオリン作品には、楽器を知り尽くした人ならではの旋律の歌わせ方が随所に感じられます。
　このアルバムには彼が作曲したヴァイオリンのための作品を全曲収録。初期の作品、ト長調ソナタからはモーツァルトの香りが漂いますが、円熟期の作品『ヴァイオリン・ソナタ第2番』はニールセンが模索した「発展的調性」（調性からの離脱）が見られるだけでなく、後に友人のアドヴァイスにより、若干冗長であった第1楽章に大きな変更が加えらるなど、作品の完成度を高めるためのさまざまな工夫が凝らされています。後期の作品48と作品52はバッハ作品から想起されたものですが、特殊奏法やダブルストップなどが多用された実験的、かつ後期のニールセン作品が持つ独自の晦渋な作風が模索された作品です。
　デンマーク出身、アメリカを中心に活躍するヴァイオリニスト、ハッセ・ボルプの味わい豊かな音色が耳に残ります。（輸入元情報）

【収録情報】
ニールセン：
1. ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 Op.9, FS20, CNW63 (1895)
2. ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.35, FS64, CNW64 (1912/1919)
3. 前奏曲、主題と変奏曲 Op.48, FS104, CNW46 (1922-23)
4. 前奏曲とプレスト Op.52, CNW47 (1927-28)
5. ヴァイオリン・ソナタ ト長調 FS3b, CNW62(1881-82)
6. ロマンス ニ長調 CNW61（作曲年不明）
7. ロマンス ト長調 CNW60 (1888)
8. ポルカ イ長調 FS1, CNW44 (c.1873)
9. 挨拶（断章） CNW45 (1890)

　ハッセ・ボロプ（ヴァイオリン）
　アンドリュー・ストープ（ピアノ：1,2,5-7）

　録音時期：2019年3月14-16日（1,2,5-7）、4月13,14日（3,4,8,9）
　録音場所：オーデンセ、デンマーク国立音楽大学、カール・ニールセン・ホール
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　世界初録音（7-9）