背後の世界

トーマス・メレ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309207544
ISBN 10 : 4309207545
フォーマット
出版社
発行年月
2018年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
金志成 ,  
追加情報
:
402p;20

内容詳細

あまりに赤裸々な告白の数々、作家や出版人は全員実名で登場。病の当事者が語る「闘病記」にしてポップカルチャー、音楽へのオマージュ。現代ドイツ最重要作家の最新作、待望の初邦訳。

目次 : プロローグ/ 1999年/ 2006年/ 2010年/ 2016年

【著者紹介】
トーマス・メレ : 1975年にドイツ連邦共和国のボンに生まれる。チュービンゲン、米国のテキサス、ベルリンの大学で比較文学および哲学を学び、2004年に修士号を取得。1997年よりベルリン在住。2004年より劇作家・小説家・翻訳家として活動し、数々の賞を受けている

金志成 : 1987年大阪生まれ。早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員(DC2)、ドイツ学術交流会研究奨学金受給生を経て、現在早稲田大学文学学術院講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    こころに入り込む、美しく綴られた文章。双極性障害に苦しみ、のたうち回り、薬物に助けられ、濫用し、躁の時には鬱陶しい人間となり、鬱の時には自らを失う。双極性障害を持つ患者は一括りにはできない。苦しみ方も症状も違う。さあ、ここで一例を見てくれと自らを差し出した。地獄で這いつくばっているような時の描写でも、彼の文章には差し込む光がある。苦しみの訴えを超えて文学に昇華させた告白の書。訳者の力技。最後には、共に震えた。「重要であるのは生き延びることである。薬は僕の命を救ってくれる。だけど何を代償にして?」

  • Maki さん

    青年期においてアイデンティティへの洞察は繰り返しあり「生きる」ことの精神的な重要なテーマだ。文学や音楽に影響を受けながら自我を確立していくはずが、著者は双極性障害によって躁と鬱と"一時的な健常者"の三者に振り回されながら、文学や音楽が与えたものは誇大妄想となり怪物となり侵食していく。その文体は他に類をみないほど切実で、表現の、語彙の、深淵をみせてくれる。ただの私小説、自伝、闘病記としてではなく、文学として評価を得られるのはドイツだからだろうとも思う。町田康の告白を読んだときのような感動が残る。

  • きゅー さん

    双極性障害の作者メレの自伝的物語(あるいはノンフィクション)。トーマス・メレは1999年に躁病を発症した後、平穏期を挟みながらも2006年、2010年にも同様に躁病を発症した。1999年では躁状態が3ヶ月間続き、その後に同様の期間の鬱状態を経験した。最初の兆候は「何かがおかしい」だったという。メレの躁状態は、たんに気分の極端な高揚だけではなく、被害妄想的なパラノイアも含んでおり、何度も事件になり、拘束され、借金は増え、抗うつ剤の副作用で髪は抜け、そうした様々な「事件」が赤裸々に描かれている。

  • Kensuke さん

    躁のエピソードに突入した時の、あらゆる物事を自分に関連ずけて陰謀論を構築していく強力な妄想パラノイアの描写がとにかく強力でビックリする。それは「ファイトクラブ」とメルギブの「陰謀のセオリー」と以前話題になったASKAの「ギフハブ」ブログエントリーを足したような。躁や鬱の強力なエピソードを乗り越えた後にふと人生は”平常運転”に戻るが、もはや自分の性格や人間性というものを信じる事が難しいことに気づく。果てしない絶望と悲しみ。物語はあくまでコミカルに軽妙にポップに語られる。最後読み終えて涙が溢れてきた。大傑作

  • 渡邊利道 さん

    最近評判のドイツの作家。それ以外の内容を知らずに読んだのだが、途中からこれは実話というか作家自身がモデルになってるのか、と思ったら解説を読むとやはりオートフィクションの一種らしい。双極性障害の作家の人生の物語を文化的記号をちりばめて断章形式で。いかにも現代的なメインストリームとポップカルチャーが混沌としたペラペラな状況と、古典的主体も美的狂気も成立しない人生の記述がパラレルに進む。

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トーマス・メレ

1975年にドイツ連邦共和国のボンに生まれる。チュービンゲン、米国のテキサス、ベルリンの大学で比較文学および哲学を学び、2004年に修士号を取得。1997年よりベルリン在住。2004年より劇作家・小説家・翻訳家として活動し、数々の賞を受けている

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