トーマス・ベルンハルト

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アムラス

トーマス・ベルンハルト

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309207834
ISBN 10 : 4309207839
フォーマット
出版社
発行年月
2019年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
268p;20

内容詳細

どうしてぼくたちは、まだ生きなければならないのか。死病にかかった母のための一家心中未遂で父母を失い、塔に幽閉された兄弟の静謐なる惨劇『アムラス』、ウィーンの街を散歩しながらエーラーは発狂した友人についてえんえんと語り続ける。軽快にして暗澹たるスラップスティック『行く』。深淵を通り、深淵のなかへつきすすむトーマス・ベルンハルトのおそるべき傑作。

【著者紹介】
初見基 : 1957年生まれ。ドイツ文学専攻。日本大学教員

飯島雄太郎 : 1987年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    狂気について。『アムラス』思春期の少年二人は、癲癇に苦しむラプンツェル、イカロスの息子たち。その二人で完成される狂気の混じる世界で、絶対的な力でねじ伏せようと顔を歪める精神科医。二人が抱き合う結び付きは、その狂気をもたらした母のお腹の中でのキズナのようであり、朝に届けられるミルクとパンのフレッシュさが二人の若さと瑞々しさに相応しく思えた。『行く』同じく狂気とそれをコントロールしようとする精神科医の無知さを描いているのに、こちらは全く屁理屈で、屁理屈が執拗すぎて、ついに狂気が平穏にまでいってしまった。

  • ヘラジカ さん

    ベルンハルトは2冊目。前作『凍』から、延々と続く呪詛は変わらず、鬱屈とした語りが不穏な挿話を繋いでいく。自殺相続権というパワーワードや、「ある役者」の狂気的な逸話は記憶に残る。もう一つの収録作『行く』は、過剰な反復によって破綻したテキストを生真面目に追って行くと次第に乾いた笑いが押し寄せてくるという不可思議な小説。ズボンの下りに至って一体自分は何を読んでるのかと思わず自問してしまった。他に類を見ない作品として読む価値があると思いたいが、楽しい読書だったかと聞かれると黙り込んでしまうかもしれない。

  • あさうみ さん

    ベルンハルトの作品は読んでると頭皮がぞわぞわしてくる。一寸先は闇、いや闇の真っ只中。息詰まるというか、精神と思考が閉じ込められて、ぐるぐる彷徨う。個人的に「行く」が好き。これ訳すのすごく大変だったのでは…解説までご一読あれ。あと、この題名「アムラス」の刺々しいデザインがすごくすごく素敵。まさしく心をざくざく串刺される。

  • erierif さん

    『アムラス』弟の存在、父母、叔父の存在。彼=弟の脳や脳髄への働きかけ…塔や癲狂院の存在…様々なモチーフで何かあらわしているようでもあり、観察記録のようにも感じる。難しく理解できない部分が多いながらも読ませる筆力がすごい。土地への呪詛、土地からの呪詛(病)に押しつぶされ消滅していく一家。滅び壊れていく詳細な記録のような後半、同じような苦しみを感じた。とはいえどこまで理解できたか霧の中のようにつかめない読書だった。『行く』『凍』『アムラス』と読んできて比較的読みやすかった。反復する言葉は歩行の動作のよう(続

  • 三柴ゆよし さん

    表題作は辛いほうのベルンハルト。自閉する語りが次第にきれぎれになり、最後には一種のアフォリズムというか断片の寄せ集めとなる。これはこれで実にベルンハルト的な様式ではあるが、読んでいて楽しいかといえば、決して。併録「行く」は表題作とは一転、おぬしら、こういうのが読みたかったんじゃろ? という感じのベルンハルトで、間接話法の極端なまでの多用、郷土嫌悪をおしすすめた先にある祖国嫌悪など、ほとんどセルフ・パロディの域に達しており、結論すれば、どちらの作もそれなりにベルンハルトを読んできた人向けだと思う。

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