青い眼がほしい ハヤカワepi文庫

トニ・モリソン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784151200069
ISBN 10 : 4151200061
フォーマット
出版社
発行年月
2001年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,323p

内容詳細

誰よりも青い眼にしてください、と黒人の少女ピコーラは祈った。そうしたら、みんなが私を愛してくれるかもしれないから。白い肌やブロンドの髪の毛、そして青い眼。美や人間の価値は白人の世界にのみ見出され、そこに属さない黒人には存在意義すら認められない。自らの価値に気づかず、無邪気にあこがれを抱くだけのピコーラに悲劇は起きた―白人が定めた価値観を痛烈に問いただす、ノーベル賞作家の鮮烈なデビュー作。

【著者紹介】
トニ・モリスン : 1931年アメリカ、オハイオ州ロレイン生まれ。コーネル大学で英文学の修士号を取得し、テキサスの大学で教壇に立つ。二人の子供を育てながら、1964年からランダムハウスで編集者としてキャリアを積む。1970年発表の本書で文壇にデビュー。既成の社会的価値観を問いただす衝撃的な内容が絶賛された。長篇第2作『スーラ』が1973年の全米図書賞候補作となり、1977年には『ソロモンの歌』が全米書評家協会賞、1987年に『ビラウド』がピュリツァー賞を受賞した。1993年にはアメリカの黒人作家として初のノーベル文学賞の栄誉に輝いた

大社淑子 : 1931年生、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了、同大法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    語りに絶妙の工夫が凝らされている。冒頭は枠の語りで「家があります。緑と白の家です」と晴朗に始まるが、これを受けるのは「家があります緑と白の…」と、崩落の兆候が見え、そして「秘密にしていたけれど…」で、物語の本体に導入されてゆく。ここから物語を語っていくのは9歳の「わたし」(クローディア)である。彼女の眼を通してピコ−ラの悲惨な物語が綴られてゆく。これまた、なんと心憎いばかりの演出である。さて、タイトルの「青い眼」は、もちろん白人の少女のシンボルとしてあるのだが、それは単に人種の問題ではなく、経済的な階級⇒

  • 遥かなる想い さん

    「青い眼」が示す人種差別の風景を 執拗に どす黒く おぞましく描く、 読んで心に痛い物語である。 「青い眼がほしい」と願うピコーラの想いは 当時の北米の黒人少女共通の想いだったのだろうか。 9歳のクローディアが語るピコーラの悲劇.. 少女視点の展開は無邪気だが、酷い。 童話風の描写がかえって 残酷な気がする、 そんな展開だった。

  • buchipanda3 さん

    自分は醜い、だから嫌われる、だから美しい人たちと同じ青い眼が欲しい。そうすればきっと…。何とも切なくて悲しい、そして虚無感に満ちた願いだと思う。この小説で描かれるのは、一方的な価値観が浸透してしまった社会の悲しい現実。著者は悲劇がどのように起きたのかを描いた。その現実から目を逸らさないために。赤裸々な文章で、少女とその両親の人生を追いながら。そこから感じ取るもの、それが大切だと述べているかのように。語り手のクローディアが青い眼の人形に抱いた違和感が印象深い。多様な価値観、自尊心などの言葉が頭に浮かんだ。

  • nobi さん

    「家があります。緑と白の家です。…」で始まる導入部の12行の童話風描写は、次に一切句読点のない文に、そしてそのまますべてひらがなのぶんにかわる(無論日本語訳で)。と、最初の微笑ましい風景は一変する、ように思われた。黒人の悲哀という固定観念は一旦解体を迫られ、その次元を遥かに超える。時と語り手と語法の諸相を通して。いじめも破壊願望も憎しみも無視も殆ど散文詩のように描かれわたしはすべてひらがなのぶんをよむようによむ。荒んだ気持ちにさせない。Intellectualでpoeticな著者の熱い波動が伝わってくる。

  • はたっぴ さん

    人種差別が題材の濃厚な作品。受け身のまま息苦しさを感じつつ二度読み。ここで被害に遭うのは少女達であり、表出しない白人への感情(羨望、妄想、憎しみ…)が黒人同士の醜い争いとなって渦巻き、乱暴に引きずり回されたような読後感だった。米国では人種間の断層を深めてきたトランプ氏が大統領に選出された。根深い人種問題がアメリカの闇の一部になっていることがわかる象徴的な出来事だった。分断された国家は一つにまとまるのだろうか。興味本位で済ませずに関心を持ち続けたい。大変奥深い内容でタイムリーな読書となった。【G1000】

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