Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• 扉のこちら側

  読了日：2018/08/10

  2018年475冊め。著者のアフガン難民のシリーズを読了したが、今度は隣国イラン少女の話。革命後のテヘランで飛びぬけて裕福な家庭に産まれ、しかし家でも学校で孤立する寂しさ。唯一心を通わすことができた美しい転校生へと傾いて行く心に、瑞々しい恋の喜びが訪れたのはほんのひと時だった。イスラム圏での同性愛と聞けば悲劇的な結末しか想像できない。終盤はまさに流転の運命だが、この話は自身もレズビアンである著者が取材した事実に基づくものだと聞くと尚更モデルとなった彼女の現在が心配でならない。

• しいたけ

  読了日：2022/04/03

  十五歳の若い二人がお互いを思い見上げるのは、まだ夜も浅い九時の月。これが恋だと気づけた奇跡は、女同士の恋ゆえに悲劇の結末へと走り出す。イラン・イラク戦争終結後の暗闇の中、四千人以上のレズビアンが処刑されたという。自分の生きる世界の現実を知るには、まだ幼過ぎたのか。あまりに無防備で、性急で、親たちの冷たさもあわせて胸が痛んだ。実話をベースに書かれたものとのこと。守るべきものが国家であったり宗教であったりと、人が人を思う気持ちではないことがつらかった。ヤングアダルトのくくりだが、どんなふうに受け取るのか。

• りつこ

  読了日：2018/06/02

  戦争で命の危険にさらされ、革命で世の中がひっくりかえった後はお互いを監視しあい、どこにも居場所を見つけられず窮屈な毎日を送る少女ファリン。サディーラという少女と出会い心を通わせ恋する喜びに包まれたのもつかの間、悲劇的な結末へと転がり落ちていく。同性愛で死刑になり、物語を読んだり音楽を聞いたり未来を夢見ることまでも禁じられるなんて、なんてむごいんだろう。逃げたいと夢見ながらもどこにも救いの手を見つけられない、そんな人たちがこの世界にどれぐらいいるのだろうと思うと絶望的な気持ちになる。

• 星落秋風五丈原

  読了日：2017/08/05

  実際にあったことをフィクション化。イランＶＳイラク戦争とその背後にいるアメリカに翻弄される大人達のなかでどこまでも無力な少女達。

• 杏子

  読了日：2017/12/28

  イランの首都テヘランを舞台にした物語。名門女子校に通う裕福な家の一人娘だったファリンが、転校してきた美しい少女サディーラと出会ったことで何もかもが変わっていく。舞台が舞台なだけに普通とは違うだろうとは思っていたが、私は自分が何も知らないことを知らなかった。普通の学校生活が続いていくとしか…。ファリンの身の上に起きたことは全く信じがたいことで、現代日本に住む私からは受け入れがたいことだった。この話は実在のイラン出身の女性の話から生まれたそうだが、本当にこれが真実ならば。せめて女性に平安が訪れることを祈る。

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