ディーノ・ブッツァーティ

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怪物 ブッツァーティ短篇集

ディーノ・ブッツァーティ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784885881008
ISBN 10 : 4885881005
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

知られざるエッフェル塔建設秘話、流行り病に隠された恐るべき真実、砂漠での謎の任務に出立する若い医師……幻想と寓意とアイロニーが織り成す未邦訳短篇集第三弾


〈なんてこった! おれたちは入っちまった!……〉謎のメッセージを残し、地球の周りを回りつづける人工衛星の乗組員が見たものとは?……人類に癒しがたい懊悩をもたらした驚愕の発見を語る「一九五八年三月二十四日」、古代エジプト遺跡の発掘現場で起きた奇跡と災厄を描く「ホルム・エル=ハガルを訪れた王」、屋根裏部屋でこの世のものとは思われない、見るもおぞましい生き物に遭遇した家政婦兼家庭教師の娘が底知れぬ不安と疑念にからめとられてゆく「怪物」など、全18篇を収録。

目次
もったいぶった男
天下無敵
エッフェル塔
テディーボーイズ
一九五八年三月二十四日
可哀そうな子!
偽りの知らせ
ホルム・エル=ハガルを訪れた王
ラブレター
五人の兄弟
最後の血の一滴まで
イニャッツィオ王の奇跡
挑発者
二人の正真正銘の紳士――そのうちのひとりは非業の死を遂げた――への有益な助言
密告者
夕べの小話
流行り病
怪物

著者プロフィール
ディーノ・ブッツァーティ (ディーノ ブッツァーティ) (著/文)
1906年、北イタリアの小都市ベッルーノに生まれる。ミラノ大学卒業後、大手新聞社「コッリエーレ・デッラ・セーラ」に勤め、記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書き、生の不条理な状況や現実世界の背後に潜む神秘や謎を幻想的・寓意的な手法で表現した。現代イタリア文学を代表する作家の一人であると同時に、画才にも恵まれ、絵画作品も数多く残している。長篇『タタール人の砂漠』、『ある愛』、短篇集『七人の使者』、『六十物語』などの小説作品のほか、絵とテクストから成る作品として、『シチリアを征服したクマ王国の物語』、『絵物語』、『劇画詩』、『モレル谷の奇蹟』がある。1972年、ミラノで亡くなる。

長野徹 (ナガノ トオル) (翻訳)
1962年、山口県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院修了。イタリア政府給費留学生としてパドヴァ大学に留学。イタリア文学研究者・翻訳家。児童文学、幻想文学、民話などに関心を寄せる。訳書に、ストラパローラ『愉しき夜』、ブッツァーティ『古森の秘密』『絵物語』、ピウミーニ『逃げてゆく水平線』『ケンタウロスのポロス』、ピッ

【著者紹介】
ディーノ・ブッツァーティ : 1906年、北イタリアの小都市ベッルーノに生まれる。ミラノ大学卒業後、大手新聞社「コッリエーレ・デッラ・セーラ」に勤め、記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書き、現代イタリア文学を代表する作家の一人であると同時に、絵画作品も数多く残している。1972年、ミラノで亡くなる

長野徹 : 1962年、山口県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院修了。イタリア政府給費留学生としてパドヴァ大学に留学。イタリア文学研究者・翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • りつこ

    久しぶりに読んだブッツァーティ。半世紀以上前の作品なのにまるで古びていない…どころか、今のコロナウィルス騒動やポピュラリズムやヘイトを予感さえるような作品もあって驚く。人間の抱く欲望、恐怖、不安というのは普遍的なもので、そういう普遍性を描くのが文学なのかな。ひょいっと現実を越えるような幻想的な出来事にぞくぞくしたり寓話的な物語ににんまりしたり楽しい読書。「もったいぶった男」「ホルム・エル=ハガルを訪れた王」「イニャッツィオ王の奇跡」「怪物」が特に好き。

  • あさうみ

    短編集。10〜20ページほどで本と本の読書の隙間に怖がりたいとき?読んでいた。幻想+恐怖といった味、逸話っぽいのもあれば皮肉さたっぷり、どれも味が微妙に違う。一番好きな短編は「可哀そうな子!」杉江松恋さんがミステリー好きならこれだろう、とおっしゃってたが、その通りでした。

  • あーびん

    ふとした事件をきっかけに変容していく人間の姿を寓話的、アイロニカルに捉えた話が多い。バベルの塔めいた壮大な建設秘話「エッフェル塔」、ある意味未知との大遭遇な「一九五八年三月二十四日」、祖国の敵にのみ感染する官製インフルエンザ流行の顛末...「流行り病」、屋根裏部屋で謎の生き物を見た主人公が疑心暗鬼に陥っていく不穏さがたまらない「怪物」

  • DEE

    短編集第3弾。急転直下の心変わりにハッとさせられる「ラブレター」、絶望がひしひしと伝わってくる「密告者」、そして最後まで明かされることのない屋根裏部屋の秘密、疑心暗鬼になっていく様が不気味であり、どこか滑稽でもある表題作「怪物」が特に良かった。 どれもかなり短い作品だけど、ちゃんと書き切っているところがすごい。

  • グラスホッパー

    「偽りの知らせ」「ホルム•エル=ハガルを訪れた王」「5人の兄弟」が印象深かった。みえない力で、人生を阻まれているような話が多かった。現実を受け入れられないまま、年老いた悲哀が、余韻を残す。

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