作品集“Melody, Ergodicity and Indeterminacy”

ジェームズ・テニー初録音集！

ジョン・ケージとならぶ実験的コンピューター・ミュージックの草分け、ジェームズ・テニーの初録音作品集。

コンピューター・ノイズを音楽として認めながらも作品の絶対的支配は困難だったなかで、テニーはそこに審美的な要素を求めた最初のコンポーザーだといえるでしょう。
　彼はケージの偶然性についての熱意を認めつつもコンピューター音楽が「偶然」でなく「予測しきれない」音楽になりえないだろうかと考えました。
　この作品は彼が常に心にかけていた「もし〜だとしたら？」「どうしたらそうなるのだろう？」という２つの疑問に注目したアルバムといえるでしょう。どうやってマテリアルを組み立て、音楽的な連続性を創りだすかと試行錯誤を重ねた様子がうかがえます。
　『Ergodos』はミニマル・ミュージック、ドローン（持続低音）の先駆けといわれています。聴き手はサウンドの作られる過程、彼が体験した音の組み立てを感じることができるでしょう。

James Tenney: Melody, Ergodicity and Indeterminacy

・Poem(1955)/ Jos Zwaanenburg(fl)
・Ergodos 1(1963)/ computer music
・Monody(1959)/ John Anderson(cla)
・Ergodos II(1964)/ computer music
・Seegersong #1/ John Anderson(cla)
・String Complement(1964)/ computer music & 4 strings
・Seegersong #2(1999)/ Jos Zwaanenburg(fl)
・Instrumental Responses(1964)/ computer music & ensemble
・Ergodos III(1994)/ Frank Denyer and Nora Mulder(p)
・Percussion Response(1964)/ Tobias Liebezeit(per)