羞恥

チョン・スチャン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622087168
ISBN 10 : 4622087162
フォーマット
出版社
発行年月
2018年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
225p;19

内容詳細

「脱北者」の三人には、亡命の過程で家族を失うという共通点があった。ウォンギルはモンゴル砂漠で力尽きた妻を見捨てて娘を背って逃げてきた。トンベクは国境を越える直前に家族全員が目の前で公安警察に捕まるが、自分だけ助かった。ヨンナムは別ルートで脱出した家族が中国で行方不明、人身売買グループの手に渡ったらしい。やがてオリンピックの選手村建設予定地で、朝鮮戦争にさかのぼる大量の人骨が出土した…。経済至上主義のなかで、脱北者たちのささやかな倫理感が崩れ落ちていく。北朝鮮出身の両親をもつ作家が韓国社会を凝視し、衝撃を放った小説。

【著者紹介】
チョン・スチャン : 1968年大邱生まれ。延世大学電気工学科卒業。両親が南北分断により北朝鮮から韓国へ避難してきた、「失郷民」二世である。2004年『いつのまにか一週間』で第9回文学トンネ作家賞を受賞して作家デビューした

斎藤真理子 : 1960年、新潟市生まれ。明治大学文学部地理学科考古学専攻卒業。91‐92年、延世大学語学堂に留学。2015年、パク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳 クレイン、2014)で第一回日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あじ さん

    トンベク、ヨンナム、そしてウォンギルとカンジュの三家族は、脱北の過程でそれぞれ家族を失う。意に反した結果が招いた“羞恥”、それは停頓とする生と死の綱引きの始まりだった。彼らの目の前で発掘されたいつかの骸たち。忘れ去られた虚しい死(物議)が、オリンピック誘致(人民の思惑)の妨げになろうとしていた。その影で描かれる生き恥の葛藤と押し付け合い。寄せては返す波間のささめきに、胸まで浸かってしまう。チョン・スチャンの水量に計り知れないものを感じる。【韓国文学】購入本

  • 星落秋風五丈原 さん

    本当は一つの国であった朝鮮が思いがけないほどかけ離れた二つの国になったことから起こり、今も続いている悲劇。生きるための選択をそれぞれしてきたのに恥が追いかけてきて押しつぶす。

  • ヘラジカ さん

    脱北する過程で家族を失った人間たちの苦悩の生をテーマにした韓国文学。羞恥をレゾンデートルとして生きるという経験がどのようなものであるかを静かに描いた力強い作品。作中での「罪を洗い流したら、その後に何が残るのか?」という自問が胸に刺さる。こちらも斎藤氏が翻訳し今年刊行された韓国文学『野蛮なアリスさん』の荒々しさとは対照的で穏やかな小説だと思っていたが、最後に明かされる話によって一撃を食らわされた。韓国と北朝鮮の関係性について、もう少し日本人は知ろうとしても良いと思う。重要な作品。

  • おかむら さん

    初めて韓国文学を読んでみた。脱北者の男が主人公。平昌オリンピックの建設現場で大量の人骨が。朝鮮戦争時の虐殺だという。米軍の仕業なのか人民軍(北)の仕業なのか。社会派作品だけど、過去に傷を抱えた男たちのドラマでもあり、特に友だちのヨンナムにグッときたー。良かったー! 翻訳モノに感じる読みにくさが全然ないし、訳者のあとがき解説がまたいいのだ。 韓国のドラマや映画はたまに見るしすげー面白いのあるので(今はドラマ「シグナル」にどハマり)、小説も絶対色々面白いのあるはずだな。要チェックだな。

  • takaya さん

    最近出たばかりの韓国文学です。北朝鮮から韓国に逃れてくる途中で家族を亡くした脱北者の罪の意識と、彼らへの韓国社会側の複雑な心理が描かれています。重い小説ですが、現代韓国の一断面を知ることができ、読んでよかったです。

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チョン・スチャン

1968年大邱生まれ。延世大学電気工学科卒業。両親が南北分断により北朝鮮から韓国へ避難してきた、「失郷民」二世である。2004年『いつのまにか一週間』で第9回文学トンネ作家賞を受賞して作家デビューした

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