チャイコフスキー(1840-1893)

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SACD 輸入盤

交響曲第5番、他 エッシェンバッハ&フィラデルフィア管弦楽団

チャイコフスキー(1840-1893)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
ODE1076
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド,輸入盤

商品説明

前作、「バルトーク:管弦楽のための協奏曲」で一躍注目を集めたフィラデルフィア管弦楽団とオンディーヌ・レーベルのレコーディング契約は、元ポリグラム/ユニバーサル・ミュージックの副社長、ケヴィン・クラインマンの尽力によるもので、今回登場する第2弾では、チャイコフスキーの交響曲第5番が選ばれています。
 3年間の契約期間中には、マーラーなど今後もいくつかの興味深いプランが練りこまれているということですが、注目すべきは、彼らの新しい本拠地、ヴェリゾン・ホール(2001年12月完成)で録音がおこなわれていることでしょう。
 このチェロの筐体を模したとされるガラスドーム状のホールの音響の良さはなかなかのもので、前作のオケコンでも、通常、ハンディを伴いがちなライヴ・レコーディングでありながらも抜群のサウンドを聴かせてくれていたものでした。
 同じ時期にライヴ収録された今回のチャイコフスキーはかなり重厚型の音質で、SACDマルチチャンネル音声やステレオ音声はもちろん、通常のCDステレオ音声でも迫力あるサウンドを再生することが可能です。
 このレコーディングが、ライヴにありがちな薄っぺらな音にならずにすんだのは、プロデューサー(兼エンジニア)が元PHILIPSのマーサ・デ・フランシスコ、エンジニアが同じく元PHILIPSのジャン=マリー・ヘイセンであるということが最大の要因でしょう。
 マーサ・デ・フランシスコは1980年、デトモルト音楽院でトーンマイスターの資格を取り、1980年代初頭からデジタル録音のパイオニアとして活躍、1986年からはPHILIPSで、ガーディナーやブレンデル、マリナー、ノーマンといったアーティストのレコーディングを数多く制作、1999年からは独立系プロデューサーとして、Deutsche GrammophonやDECCA、PHILIPS、EMIなどで仕事をした人物。ジャン=マリー・ヘイセンもPHILIPSで多くの仕事をこなしたのち、ポリヒムニア・インターンショナルに迎えられ、Pentatoneや、Telarc、Avieなどの仕事を手がけています

 バルトークのときと違って、今回の録音での弦楽器の配置は、左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、そしてコントラバスが舞台左後方に一列に並び、金管が右後方に配されるというこだわりの対向配置が採用されています。
 フィラデルフィア管弦楽団といえば伝統のストコフスキー・シフトからの転向は音楽監督エッシェンバッハの意向なのでしょう。もしかするとフィラデルフィア管弦楽団の対向配置はクレンペラーの客演以来かもしれませんが、このオーケストラのシンボルともいえる弦の美しさは対向配置でもその魅力を存分に示し得ており、その艶やかで滑らかなサウンドが、エッシェンバッハの繊細なコントロールによって非常に表情豊かな音楽を生み出しています。
 対向配置ならではの絶妙な立体感も聴きもので、洗練された管楽器セクションとの密接な絡み合いの隙の無さや自在なテンションの変化は、まさに世界最高水準のオーケストラならではの見事なものです。
 もちろんエッシェンバッハのことですから、両端楽章の激しさにはかなりのものがあり、その劇的性格の濃さ、振幅の大きさはかなりのものですが、ここでの聴きものはやはり第2楽章。洗練された美しさを示す弦楽の上に漂うやわらかく完璧なホルン、そして各楽器の対話の立体的な響きが織り成す叙情には、エッシェンバッハという音楽家の持つ本質的にロマンティックな性向が如実に示されているとみるべきでしょう。しかもオーケストラ・サウンドはあくまで極上、おまけに録音も優秀です(ただしそのままだと音調が重厚にすぎて情報量が少々乏しく感じられるので、鑑賞時に高音域を強調するとより快適になります)。
 カップリングのピアノ・ソロによる『四季』も独特の雰囲気のある演奏で、肩の力を抜いた自然体のピアノが好感触です。
 オケコン同様、通常のCDプレーヤーでも再生可能な高品位フォーマット、SACDハイブリッド盤でのリリース。

チャイコフスキー:
・交響曲第5番ホ短調 op.64 [49:56]
 第1楽章 [16:17]
 第2楽章 [15:32]
 第3楽章 [05:59]
 第4楽章 [12:08]

・『四季』 op.37b [24:40]
〜1月「炉ばたで」 [05:18]
〜2月「謝肉祭」 [02:41]
〜3月「ひばりの歌」 [02:36]
〜4月「松雪草」 [03:58]
〜5月「五月の夜」 [04:19]
〜6月「舟歌」 [05:48]

 フィラデルフィア管弦楽団
 クリストフ・エッシェンバッハ(指揮、ピアノ[op.37b])

録音:2005年5月、フィラデルフィア、ヴェリゾン・ホール[ライヴ]
エグゼクティヴ・プロデューサー:ケヴィン・クラインマン
プロデューサー:マーサ・デ・フランシスコ
エンジニア:エヴェレット・ポーター

収録曲   

チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 op.64

  • 01. 第1楽章 Andante - Allegro con anima
  • 02. 第2楽章 Andante cantabile, con alcuna licenza
  • 03. 第3楽章 Valse. Allegro moderato
  • 04. 第4楽章 Finale. Andante maestoso

チャイコフスキー:『四季』 op.37bから

  • 05. 1月「炉ばたで」
  • 06. 2月「謝肉祭」
  • 07. 3月「ひばりの歌」
  • 08. 4月「松雪草」
  • 09. 5月「五月の夜」
  • 10. 6月「舟歌」

ユーザーレビュー

総合評価

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来日公演では緊張感が持続しない場面も散見...

投稿日:2007/01/22 (月)

来日公演では緊張感が持続しない場面も散見されたが、ここでは全ての表現が音楽的で堂に入っている。絢爛豪華なフィラデルフィアサウンドはなく、ほの暗いかといって重厚でもない独特のチャイ5が展開される。ただし音質は、SACDとしては鮮度に不足する感がある。ピアノは繊細な思索に満ちて、音質も申し分ない。

ごま さん | 名古屋 | 不明

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チャイコフスキーの第5番、良い演奏と思い...

投稿日:2006/06/19 (月)

チャイコフスキーの第5番、良い演奏と思いますが、HMVのレビューは大げさではないかと感じました。(HMVのレビューを読んで期待して聴きましたが・・・。うーん。)この演奏であれば、もっと優れた演奏は他にたくさんあります。四季には好感を抱きました。

まつ さん | 山口 | 不明

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人物・団体紹介

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チャイコフスキー(1840-1893)

1840年:ロシアのウラル地方ヴォトキンスクで鉱山技師の次男として誕生。 1859年:法務省に勤務。 1861年:アントン・ルービンシュタインが設立した音楽教室(1962年にペテルブルク音楽院となる)に入学。 1863年:法務省を退職。 1866年:交響曲第1番『冬の日の幻想』初演。初のオペラ「地方長官」を完成。 1875年:ピア

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