バロックをまた聴き始めた。たまたまこれが目について聴いたのだが、なんてゴージャスな響きであることよ。ヴァイオリンに哀愁もあり、ボクは納戸のような空間で聴いているのだが、１０畳ぐらいのスペースでゆったりと聴きたい。CDでさえそうなのだから、SACDだと、どういうことになるんだろう。とにかくこれは贅沢なサロン音楽。

この曲、並の演奏で聞けば、やや物悲しくて旋律が美しいだけの普通の名曲。難曲なのかもしれないが、後代のバルトークやショスタコビッチと比べればどうってこともない。 でもマンゼのこの盤は表現性にあふれていて、面目一新です。曲の再現としては歪んでいるのかも知れないけれど……

タルティーニの協奏曲は歯医者のＢＧＭよりは内容があるようである。最近は寝る前の一時、音を絞って静かに聞いている。

僕も本盤(ｼﾞｬｹの絵見て購入即決！)で「悪魔のトリル」の異妖な深淵を垣間見た一人。無伴奏ゆえにManzeの型破り＆ﾔﾘﾀｲ放題の前衛的技法を駆使し、悪魔にとり憑かれたおぞましいやり取りを生々しくも饒舌な独白で表現。本曲の旧概念も木っ端微塵！録音極上！

同じ曲でも演奏者が違えば、大分印象が違いますよね？ 私は他の誰よりもマンゼの演奏する「悪魔のトリル」が大好き。 無伴奏の為、目をつむればタルティーニの夢に出てきたアムドゥシアスがトリルを奏でる姿が浮かんでくるようです。 ジャケットのそのままにダイレクトな悪魔に衝撃を受けつつ、星５つ☆☆☆☆☆！