CD 輸入盤

『わが祖国』全曲 ヴァーツラフ・スメターチェク&チェコ・フィル

スメタナ(1824-1884)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
111981
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD

商品説明

スメターチェク&チェコ・フィル/スメタナ:『わが祖国』全曲

【収録情報】
● スメタナ:連作交響詩『わが祖国』全曲


 第1曲:ヴィシェフラト(高い城)
 第2曲:ヴルタヴァ(モルダウ)
 第3曲:シャールカ
 第4曲:ボヘミアの森と草原より
 第5曲:ターボル
 第6曲:ブラニーク

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴァーツラフ・スメターチェク
(指揮)

 録音時期:1980年9月8-12日
 録音場所:プラハ、ルドルフィヌム
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

【スメタナ:『わが祖国』】
第1曲『高い城(ヴィシェフラド)』
プラハの南、モルダウ河のほとりの崖の上に建つヴィシェフラド城は、10世紀後半に建設された中世ボヘミア王国の城で、そこではかつて伝説の吟遊詩人ルミールが、英雄や愛について歌っていました。 曲頭のハープの動機は、この吟遊詩人ルミールのハープを表したもので、以後、『わが祖国』全体を通じて変形使用されることとなり、この連作交響詩が、あたかも吟遊詩人によって歌われたボヘミアの物語であるといった様相を呈しています。

第2曲『モルダウ(ヴルタヴァ)』
『わが祖国』を代表する人気作で、単独で演奏される機会の非常に多い作品でもあります。内容的には、チェコの中央部を流れる大河モルダウとその周辺の景観を描写したもので、変化に富む水の流れと、民族舞曲や月夜の水の精、聖ヨハネの急流などが描かれており、最後には循環動機でもある『高い城』の主題をモルダウの主題にかぶせて輝かしく終わります。

第3曲『シャールカ』
恋人の裏切りから、なぜか全男性への復しゅうを誓ってしまった女傑シャールカ率いる女性の軍隊と、男性の軍隊との戦いを描いた作品で、同じ題材のヤナーチェクのオペラも有名です。シャールカ討伐に向かったツティラートが、色香と酒によって簡単に負かされてしまうといったストーリーが、スメタナの音楽では最後の勇猛果敢な音楽に象徴されるようにきわめてシリアスなものとして描かれています。

第4曲『ボヘミアの牧場と森から』
きらきらと輝く陽光を受けた緑の平原、収穫祭を思わせる農民たちの楽しげな踊り、森にそよぐ風や小鳥たちのさえずりがあるときは陽気に、あるときは淋しげに描かれる『モルダウ』に次ぐ人気作。

第5曲『ターボル』
免罪符販売を非難したことによってローマ法王から破門され、やがて虐殺されることになるチェコの宗教改革運動家、ヤン・フスの衣鉢を継いだ急進的グループ「ターボル派」を中心に巻き起こったフス戦争を描いた作品。スメタナはフス教徒たちの信条を民族主義の旗印として捉え、主題に彼らの賛美歌(コラール)を用いることで、チェコの歴史上、最大の民族的盛り上がりを見せた出来事を叙事詩的壮大さをもってダイナミックに描き上げています。

第6曲『ブラニーク』
前曲からつながっているこの作品は、ボヘミアのブラニーク山に眠る救国の騎士たちの伝説を描いており、主要主題には第5曲のターボルの主題が用いられて、チェコの危機を救う英雄の存在を強く印象付けます。
 実際の戦争では、十字軍のたび重なる侵攻を撃破しながらも、結局は内部分裂によって敗戦を迎えることになる彼らの戦いぶりを考えると、スメタナの描写は少々理想主義的美化が過ぎるようにも思えてきますが、この曲集が、吟遊詩人ルミールによって語られるチェコについての幻想的な物語である点、『ターボル』と異なり、フス教徒ではなく伝説上の存在である騎士たちに戦いがシフトしている点を考慮すれば、スメタナの設定は当を得たものと言えるのではないでしょうか。

総合評価

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スッキリとした演奏で好感が持てます。音質...

投稿日:2012/08/22 (水)

スッキリとした演奏で好感が持てます。音質も素晴らしい。

カズニン さん | 東京都 | 不明

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スメタナの交響詩「わが祖国」はチェコ音楽...

投稿日:2012/08/18 (土)

スメタナの交響詩「わが祖国」はチェコ音楽の一丁目一番地とも言える国民的作品。それだけに、チェコ・フィルにとっても名刺代わりの作品であり、累代の常任指揮者や錚々たる客演指揮者などがこぞって同曲を録音してきた。かつてのターリヒをはじめ、アンチェル、クーベリック、ノイマンなどの大指揮者の名演は燦然と輝いているし、小林研一郎などによる個性的な名演も記憶に新しいところだ。こうした個性的な名演の中で、いぶし銀とも言うべき渋い存在感を有している名演こそが、本盤におさめられたスメターチェクとのスタジオ録音であると言える。カラヤンと同年に誕生した指揮者ではあるが、実力の割には必ずしも華々しい経歴を有しているとは言えず、チェコ・フィルとの演奏もあまり遺しているとは言い難い。今や、知る人ぞ知る存在に甘んじているとさえ言えるが、本演奏は、そうした地味な存在であったスメターチェクの実力を窺い知ることが可能な稀代の名演奏であると言っても過言ではあるまい。本演奏も、スメターチェクの華麗とは言い難い経歴を表しているかのように、華麗さとは無縁の一聴すると地味な装いの演奏であると言える。テンポもどちらかと言うとやや早めであると言えるところであり、重々しさとは無縁とも言えるところだ。しかしながら、各フレーズに盛り込まれたニュアンスの豊かさ、内容の濃さ、そして彫の深さには尋常ならざるものがあり、表面上の美しさだけを描出した演奏にはいささかも陥っていない。そして、スメターチェクも、同曲の込められた愛国的な情熱に共感し、内燃する情熱を傾けようとはしているが、それを直截的に表現するのではなく、演奏全体の厳しい造型の中に封じ込めるようにつとめているとも言えるところであり、そうした一連の葛藤が、本演奏が、一聴すると地味な装いの中にも、細部に至るまで血の通った内容の豊かな演奏になり得ているとも言えるのかもしれない。加えて、本演奏で優れているのは、演奏全体に漂っている格調の高さ、堂々たる風格であると言える。同曲は、チェコの民族色溢れる名旋律の宝庫であるが、スメターチェクは、陳腐なロマンティシズムに陥ることなく、常に高踏的な美しさを保ちつつ、正に大人の風格を持ってニュアンス豊かに描き出していく。これぞ、まさしく巨匠の至芸と言うべきであり、累代の常任指揮者による同曲の名演と比較しても、いささかも遜色のない名演に仕上がっていると評しても過言ではあるまい。本演奏については、これだけの名演であるにもかかわらず、これまで高音質化の波から取り残されてきた。そのような中で、今般、かかる名演がBlu-spec-CD化がなされたということは、本演奏の価値を再認識させるという意味においても大きな意義があると言える。いずれにしても、スメターチェク&チェコ・フィルによる素晴らしい名演をBlu-spec-CDで味わうことができるのを大いに喜びたい。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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個人的にはシャールカなどアッチェランドな...

投稿日:2010/01/02 (土)

個人的にはシャールカなどアッチェランドなどで盛り立てず劇的な表現をしているノイマン&ライプツィヒゲヴァントハウスの方が好きですね。これはフォルテの音がこもるようなのがちょっと気になりました。悪い演奏ではありません。

アッキ さん | 茨城県 | 不明

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