ギリシャの作曲家、ニコス・スカルコッタスの作品集である。
カロミリス等と共にギリシャを代表する国民的な作曲家で、知名度の割に意外と録音は多い。
このCDはスカルコッタスの紹介に力を入れてきたBISの最新のアルバムで、スカルコッタスの協奏的作品を中心にセレクトしたアルバムとの事。
演奏はアテネ・フィルハーモニー管弦楽団、バイロン・フィデツィスの指揮で収録。
スカルコッタスはベルリンで、ユオンやシェーンベルクと言った当時の現代音楽作曲家に学んだ事もあって、初期作品にはモダンで現代的な作品も多いが、後半になると国民学派的なギリシャ色濃厚な作品が増えてくる。
このCDでも『ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲』『小組曲』は前者のタイプ、『9つのギリシャ舞曲』『古風なギリシャ行進曲』『行進曲』は後者のタイプである。
演奏のアテネ・フィルハーモニー管弦楽団は2016年にできた新しい団体である。
ギャラが安いのか廉価盤レーベルや現代音楽専門のレーベルで見かけるが、腕はなかなかのもの。
本CDではギリシャやスカルコッタスの復刻に力を注ぐフィデツィスのタクトの下、共感豊かで、分かりやすい演奏を聴かせてくれる。
シンフォニッタや古風なギリシャ行進曲はこんにち出回っている音源の中でも名演と言えるのでは無いか。
録音は最近なので、音は問題なし。
ケースはプラではなく、紙で出来た環境に配慮したタイプ。
ちょっと収納時に取り出しにくいが。