ナイロビの蜂 上 集英社文庫

ジョン・ル・カレ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087604504
ISBN 10 : 4087604500
フォーマット
出版社
発行年月
2003年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,390p

内容詳細

ナイロビの英国高等弁務官事務所に勤める外交官ジャスティンは、庭いじりをこよなく愛する中年男だ。礼儀正しく誠実な人柄で知られている。そんな彼のもとに、突然、最愛の妻テッサが、咽喉を掻き切られて全裸で発見されたという知らせが飛びこんだ。人類学者リチャード・リーキーの発掘現場に向かう車中で、何者かに襲われたのだ。静かな怒りとともにジャスティンは、真相解明に立ちあがる。

【著者紹介】
ジョン・ル・カレ : 1931年イギリス生まれ。スイスのベルン大学、オックスフォード大学で学び、イートン校で教鞭を執った後、外務省職員としてドイツに5年間勤務。64年に退職し、執筆活動に専念。東西冷戦下の諜報活動をリアルに描いた『寒い国から帰ってきたスパイ』で数々の賞を受賞し、一躍有名になる。スマイリー3部作のひとつ『スクールボーイ閣下』で英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー、83年にはアメリカ探偵作家クラブ賞グランド・マスターを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    物語の冒頭から次々に新しい人物が登場してくるために、彼等相互の関係に整理がつかない。また、後半でようやくジャスティンが行動を開始するまでは、展開がまだるっこしく、何度もギアを入れ替えるようにギクシャクとしか進まない。そういう手法なのだろうが、読む側からすれば、小説にもっとスピードが欲しいところだ。もっとも、後半からは国家、あるいはそれをも超える多国籍企業の暗部に踏み込んでいくのであり、物語の端緒であった殺人事件は大いに拡がりを示す。また、作者得意の(?)スパイ小説の様相も呈してきており、下巻に期待。

  • みも さん

    ナイロビ英国高等弁務官事務所の外交官ジャスティン。その妻テッサが車で移動中に惨殺される。同伴者の黒人医師ブルームは生死も分からず消息不明。ジャスティンの上司ウッドロウの視点で始まり、途中から事件の真相解明に踏み出すジャスティンの視点に切り替わる。持って回った言い回しである上に、時系列に回想が飛び込み、場面変転も唐突で新たな登場人物が突如現れるので、相関関係が把握し難く読み難さは否めない。それでも濃霧が刻々と晴れ徐々に視界が広がる様に、いくつかのヒントから製薬企業と国家の巨大な陰謀が仄見えてくる。下巻へ。

  • Tetchy さん

    まず驚いたのはその読みやすさだ。ル・カレ作品未読の方には本書をまず取っ掛かりとしてお勧めしたい。物語は官僚の妻が浮気中に殺されると云う下世話な三文記事ネタのような事件で始まる。その裏側にあるのは新薬開発の熾烈な争いだ。新薬開発、それは覇権争いだ。世界を席巻した新型コロナウイルスのワクチン開発がまさにそれを象徴しており、F社製品が勢力を広げているのに対し、ライバルのM社が製法をコピーしたと訴訟を起こしたニュースを聞いた時はえげつないと思ったが本書の製薬会社のなりふり構わない横暴ぶりを読むと実に腑に落ちる。

  • ケイ さん

    若い妻が、若い黒人の医師とアフリカの奥地に向かう途中に惨殺された。二人は不倫関係にあったように見える。妻は死ぬ前に強姦され、喉を切られていた。行方不明の医師に殺人の疑いがかかっている。それを聞いた中年の物静かで育ちのいい夫は、静かに受けとめる。なぜ妻を疑わない? 裏切られていても妻を盲信するほど愚かなのか、二人の間には深い信頼関係があったのか。結末は知っていても、夫の落ち着きぶりと愛にこちらが狼狽える。赤ちゃんを失ったテッサが、母親が死にかけている黒人の赤ん坊に自らの乳を与える描写が限りなく美しい。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    穏やかなクエイルの妻が殺された。妻が子供の死を機会に変わった事に気づいていたクエイルは静かな怒りと嘆きを抱いてテッサの死を追求する。妻に纏わりつく醜聞を嘲笑う者に対して感情的でもなく、静かに答えるクエイルの姿はイエス・キリストのよう。また、二人の夫婦関係は異様のようにも見えるが、近しい関係に有りがちな互いの敬意の欠如や侮り、過干渉がなく、対等関係であるのが印象的。一方でウッドロウみたいな自己弁護と自分勝手で根拠のない楽天思考の男って本当にいるから彼が語り手だとウンザリしてきました。

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人物・団体紹介

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ジョン・ル・カレ

1931年イギリスのドーセット州生まれ。オックスフォード大学卒業後、イートン校で教鞭をとる。東西冷戦期にイギリスの諜報機関MI5に入ったが、MI6に転属し、旧西ドイツのボンにイギリス大使館の二等書記官として赴任、その後ハンブルクの総領事館に勤務した。1961年に『死者にかかってきた電話』で小説家とし

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