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イメージ ちくま学芸文庫

ジョン・バージャー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480095039
ISBN 10 : 4480095039
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

イメージが氾濫する時代において、「ものを見る」とはどのような意味をもつのだろうか。今日もなお視覚論の中核でありつづけるこのテーマに、様々な角度から新たな問題提起をしたのが本書である。メディアとしての油彩画のありよう、裸体の持つ意味と“富=所有”の関係、美術館の成立経緯、古典的絵画から現代のコマーシャル・フォトへとつながる系譜とは?美術史上の名画や巷に流布する広告など、多種多様なイメージ群を提示しつつ、それらを等価に論じ、「見ること」そのものの再検討を迫ったロングセラー。

目次 : 1 イメージの変容/ 2 社会空間になったイメージ/ 3 「見ること」と「見られること」/ 4 見られる女たち 取り囲む女たち/ 5 所有するタブロー/ 6 「見ること」のなかの「所有すること」/ 7 広告の宇宙/ 見ることのトポロジー(伊藤俊治)

【著者紹介】
ジョン・バージャー : 1926年、ロンドン生まれ。美術批評家、脚本家、小説家、ドキュメンタリー作家。美術教師などを経て著述業に入る

伊藤俊治 : 1953年生まれ。美術史家/美術評論家。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 夜間飛行

    遠近法は科学的とはいえ、失われた神や王の視線の代替物にも思える。その無時間的で一方的な視線に対して、複製技術が「今この一瞬」を取り戻した意義は大きい。しかし広告という新たな「現在の喪失(未来への囚われ)」が現れたことも忘れてはいけない。本書のもう一つのテーマは闘いとしての逸脱だろうか。それは例えば、常に男性鑑賞者の欲望に応えるポーズをとってきた女性のヌードにおいて、ルーベンス描く妻の裸体画の奇妙なズレだったり、所有の讃美であり続けた油絵において、《存在への疑問》だけを残したレンブラントの老自画像だったり。

  • うえぽん

    英美術批評家が絵画、広告等の歴史的展開を通じ、「見ること」の再検討を迫った1972年の作品。裸体像を含めた見られる存在としての女性像、所有形式としての絵画、家畜、ペットから奴隷に至る「見ること」の中の所有など、単なる美術鑑賞では扱われない美術の側面に光を当てる。広告は、油絵の視角言語に依存するが、利用する歴史や神話は不正確、無意味であり、本質的に白昼夢でかつ無事件的だとする。写真やメディアの変遷により、見ることの閉鎖化、現実からの乖離、2次元化が益々進んだことを訳者の解説や後年の文庫版あとがきで思い知る。

  • みつ

    非常に密度の高い本。訳者による70頁を超える、いわば補論がさらに理解の助けとなる。「ルネッサンス以前は最も重要な感覚が聴覚であったのに対し十六世紀に視覚と順位の入れ替えがあった」とのこと(p230の要旨)。ほぼ同時期に油絵が登場し、絵画が個人所有されることの意味が述べられる。その後写真等の複製芸術、さらには広告の登場による「視る」ことの変遷が展開する。今回も気になった箇所を書き写していたらB5ノート30ページ近くになった。特に裸婦画の視線を手がかりに、見ることと見られることの関係を述べた箇所が印象的。▶️

  • 内島菫

    現実にある物を写し取り絵に表現するとき、意識的な方法としての表現と、無意識的なものの見方とが混然一体となって現れる。また絵画は、それが描かれることになった背景や飾られていた場所、描かれた時代の社会や制度と切り離し得ない文脈を持っていた。しかしながら、そうした絵を描くための補助機械として作り出され、改良され発展したものの先にカメラがあり、今度は逆にカメラが絵を撮影し、複製し、オリジナルを文脈から引き離し何重にも拡散させる。

  • しゅん

    「見る」という行為に含まれた制度性を暴きだす古典的な一冊。資本主義の発達の中で「所有」の概念が生まれ、絵画の在り方を変えたこと。絵画も広告もテレビも含む「イメージ」のなかの見る・見られる女が、理想の観客としての「男」を作り出してしまうという暴力性。多くの図録とともに展開される、我々の日常の行動を解体してみせるような、何気なく受け入れている物事を再審に付すような刺激的な論考集。全ての視覚芸術にとって役立つ本。私的財産という観点において油絵と広告が近接するという話も興味深かった。

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