ジャン・ピエール・デュピュイ

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ありえないことが現実になるとき 賢明な破局論にむけて ちくま学芸文庫

ジャン・ピエール・デュピュイ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480099990
ISBN 10 : 4480099999
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

なぜ私たちは最悪の事態に備えることができず、大惨事が繰り返されてしまうのか。あるいは、たとえば「経済か予防か」といった不毛な対立をしりぞけることはいかにして可能なのか。現代世界において破局的な出来事は、「想定外」のものとして思考の埒外に置かれるか、計量可能な「リスク」の問題へと矮小化されてきた。だが、そうした事態に繰り返し直面する今日にあって、私たちは破局を直視し、それを思考するすべを手に入れなければならない―。「賢明な破局論」を手掛かりに、私たちの認識のありようを鋭く問い、その根源的な転換を迫る警世の書。

目次 : 第1部 リスクと運命(特異な視点/ 迂回、逆生産性、倫理/ 運命、リスク、責任/ 技術の自律/ 係争中の破局論)/ 第2部 経済的合理性の限界(予防―リスクと不確実性との間で/ 無知のヴェールと道徳的運/ 知ることと信じることは同じではない)/ 第3部 道徳哲学の困難、欠くことのできない形而上学(未来の記憶/ 未来を変えるために未来を予言する(ヨナに対するヨナス)/ 投企の時間と歴史の時間/ 破局論の合理性)

【著者紹介】
ジャン=ピエール・デュピュイ : 1941年フランス生まれ。哲学者。理工科学校教授、スタンフォード大学教授、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)倫理委員会委員長、イミタチオ財団研究主任などを歴任。2011年、ロジェ・カイヨワ賞受賞

桑田光平 : 1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授

本田貴久 : 1975年生まれ。中央大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • びす男

    9.11、原発事故、気候変動、コロナ禍、戦争……。人類が自ら破局を招く力を持ったいま、この本に思わず手が伸びた■政治、経済など幅広い学問や理論を踏まえ、新しい哲学を形づくる。その相手はもはや、予想・予防できる「リスク」ではない。「予測できるのに信じられない」破局である■破局を念頭に置き、人類の将来を考える――。それが「綺麗事」でなくなる必要がありそうだ。難題にも思えるが■最近、全面核戦争を避ける「小規模な核兵器」というものがあると知った。倫理を置き去りに、破局に向かうチキンレースはますます先鋭化している。

  • きゃれら

    とても難解で歯が折れそうな歯応えだったが、今読むには極めて興味深い議論で、わからないところが沢山あるまま読み終えた。再読必須。「破局」を計算できる「リスク」として考えるのをやめるべきだというのが趣旨。リスクは防止もしくは予防できるが、破局は必ず起こるのだから。議論は身の回りの理屈から遊離していて、「だからこうするべき」という答えも出していない。あくまで哲学に徹している、ということらしい。新型コロナ禍がなんであるかについての見方によりいろんな議論が考えられるが、破局について考えるときには参照すべき本と思う。

  • おっとー

    災害は科学的に予測してコントロールする、万が一破局が起きた場合にはなぜそれが起きたのかを検証する、わからないということは許されない…現在のコロナも含め、人間は破局に対してこうした万能感溢れる態度をとる。この中では想定外の事態は絶対に許されない。しかし筆者はこうした事態をコントロールできなかったことを反省するのではなく、想定外は常に起こりうるものと考え、素直に受け入れることの重要性を提起する。想定外をありえないこととみなすのは、人間の思考の可能性を奪ってしまうことになる。

  • Bevel

    近代合理主義はライプニッツの迂回の論理(より適切な仕方で目的に到達するためにやり直す)として定式化できる。ところでこのとき、車を維持するための時間が、車によって節約できる移動時間とそれほど変わらないというようなイリイチの逆生産性の問題がある。この技術の自律としての「運命」において「予防原則」(=ベイジアン)は役に立たず、因果的に依存するが反実仮想的に非依存な「投企の時間(=破局の可能性)」を考慮にいれる必要がある。英米系の倫理学・政治哲学、STS、哲学の踏まえ方など、バランスが絶妙でさすがだなという印象。

  • 茅野

    少し前、個人的な経験だが「ありえないことが現実になった」と感じたので、救いを求て。歯応えがあり、かなり難解だったので時間をかけて読んだ。著者の経歴から、政治的な話が多いのかとおもったが、それは最初と最後の数章のみで、哲学的・論理学的・形而上学的な話が続く。今後はこの本の思想を念頭に未来を考え、未来に対する責任感を保持し、それと同時に精神を落ち着ける術を身に付けたい。

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