恐るべき子供たち 岩波文庫

ジャン・コクトー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003256619
ISBN 10 : 4003256611
フォーマット
出版社
発行年月
2011年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,135p

内容詳細

詩人コクトー(1889‐1963)の手にかかると、子供の世界も、ギリシア悲劇を思わせる格調の高さをもって、妖しく輝きだす。白い雪の玉で傷ついた少年ポールが、黒い丸薬で自殺するという幻想的な雰囲気のなかに登場する少年少女は、愛し、憎み、夢のように美しく、しかも悲痛な宿命をになって死んでゆく。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    1929年に書かれた作品。 第一次世界大戦後の フランスの混乱した時代を 背景に、子供たちの 日々を透明感あふれる 文体で描く。 肩を寄せあって生きる姉 エリザベートと弟ポール… この生き様が読んでいて なぜか懐かしい気になるのは、 なぜなのだろうか。 姉弟を取り巻く人々との 会話が劇場のセリフの ように芝居がかって いるのが、なぜか可笑しい そんな読後感だった。

  • ヴェネツィア さん

    ダルジュロスの悪意、そして彼に怪我をさせられながらも固着し続けるポール。その関係は何年にもわたって「刷り込」まれるのだろうか。幼少時の雪合戦は数年後に形を変えて決着を見ることになる。姉のエリザベートもまた強固なエゴイズムで弟のポールを自己の支配下に置き続ける。アガートも、そしてジェラールもそれに巻き込まれていくのだが、ここには善意を前提とした社会性は存在しない。むしろ、そうした社会的な秩序を根底から覆し否定し尽くす一種のアナーキズム、あるいはダダイズムがこの小説を支配する原理なのだろう。

  • のっち♬ さん

    世間から孤立して夢想に遊び耽る姉弟が、恋愛や嫉妬が絡んで一歩一歩破滅へ導かれてゆく。社会的に大人になっても童心を保持する恐るべき主役たちは愛するが故に益々傷つけ合う。激情が暴力的に飛び交う密室に格調高く注ぎ込まれるポエジーはイメージを幻想的に飛躍させる。とりわけ姉弟の肉体を超越した交感の妖しくも神秘的な描き方は幼心を尊重した美意識が顕現している。奸智を動員するエリザベスは求心力抜群で、痺れるような強烈な余韻を残す。白い阿片が齎した依存生活で人生が暗転した著者が、離脱症状と戦後社会双方の混沌を汲んだ代表作。

  • 新地学@児童書病発動中 さん

    コクトーの名作。翻訳が直訳調でやや読みにくいのが残念だが、この小説が持っている魔法のような雰囲気は十分伝わってくる。人間として成熟するのを拒否したポールとエリザーベートの弟姉が悲劇的な最期をむかえるまでを、コクトー流の詩的できらめくような文体で描いている。冒頭に雪合戦が出てくるのが象徴的で、雪の玉を自分の体に受けた止めたポールは、魔法の世界に行ってしまい、そこから日常生活に完全に戻ってくることはなかったのだと思う。永遠の子供のまま死んでいくポールとエリザーベートの二人には、時間を超越した美を感じた。

  • マエダ さん

    ”彼らは複雑だった。しかし、それはバラのような複雑さで、それを見る批判者の方が複雑なのだ。”言葉の使い方が良いところが多々ある。作品全体としてクレイジーであり素晴らしく面白い。

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