ジェームズ・ロバートソン

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ギデオン・マック牧師の数奇な生涯 海外文学セレクション

ジェームズ・ロバートソン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488016630
ISBN 10 : 4488016634
フォーマット
出版社
発行年月
2018年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
432p;20

内容詳細

スコットランドの出版社に、半年前に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。彼は実直な人間として知られていたが、失踪する直前に、神を信じないまま牧師になったことや悪魔と親しく語らったことを告白し、教区の信徒たちから非難されていた。手記には彼の生い立ちから、自分以外には見えない立石を発見したことや悪魔との出会い、そしてなぜそれを大衆の前で語ったのかがすべて記されていた。―出版者による序文、マック牧師の手記、そしてまた出版者が執筆したエピローグという独特の構成で描かれる、一人の牧師の数奇な生涯。スコットランドを代表する作家が、歴史、風俗、伝説、父子の物語などさまざまな要素を織り込んで綴ったブッカー賞候補作。

【著者紹介】
ジェームズ・ロバートソン : 1958年、イングランド生まれ。6歳の頃に祖父の出身地であるスコットランドへ移る。書籍販売をふくむさまざまな仕事に携わったのち、1990年代に作家となった。数々の短編集や詩集、児童書を上梓しているほか、編集者、翻訳家としての顔も持つ。長編3作目にあたる『ギデオン・マック牧師の数奇な生涯』は、2006年のブッカー賞の候補となった。4作目のAnd the Land Lay Stillはサルタイアー・ソサエティが主催する文学賞で、スコットランド文学のベスト1に選ばれている

田内志文 : 翻訳家、物書き。小説の執筆や朗読も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    最後まで読んでから最初のページに戻ると、その流れの不気味さが急に形をとって現れた気がした。形容したがたい不気味さ。信仰には神の存在がある。神がいるなら悪魔は存在することになる。悪魔と会話したと言うならば、むしろそれは神の存在を際立たせはしないだろうか。彼を疑うものは、キリスト教そのものに疑いを持つ者たちではないか。問いは常に二元的になり、表裏一体だ。キリスト教にとって大切な岩がキーワードとなっていることも考えさせられる。疑問を残すが、読み込むのは躊躇われる不気味さがある。

  • ヘラジカ さん

    同じスコットランドの作家ジェイムズ・ホッグの『悪の誘惑』を想起させるが(もちろん影響を受けているだろう)、終始暗澹としたものを抱えながら読んだあちらとは桁違いに物語に魅力がある。近年では珍しい古典的スタイルの宗教・怪奇小説の傑作。邦訳が刊行された近年のブッカー賞候補作をいくつか読んで、「これは」という読み応えのある作品には出会えていなかったのでこの作品には特別驚かされた(どれもそれなりに良い小説ではあったのが)。さらにこの小説が2006年の最終候補にすら残っていなかったと知って二重の驚きである。

  • 星落秋風五丈原 さん

    本人はどこまでまともなんだろうか?と思いながら読みました。悪魔にバックでXXされるシーンはうわー!と。

  • そふぃあ さん

    ギデオン・マックの性格も考え方も処世術もほとんど自分と同じでつらくなってきた。分身みたいな人が破滅(?)に向かうを見るのは心にくる。あなたのような人は破滅以外ないですよと言われたようでもある。他にも細かい部分で心を抉られる描写があり、ハードな読書体験だった。保守的な土地で牧師が神を信じていないと明言するのは、かなりの恐慌をきたすことだろう。だがそれが悪だとは思えなかった。浮かび上がるのは<神は嘘で人々を安心させる>一方、<悪魔は真実で人々を惑わす>の対比構造。死後に悪魔と面白おかしく暮らすのも悪くない。

  • ネコベス さん

    スコットランドの出版社に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。牧師は失踪直後に神を信じていない、悪魔と出会った等告白して周囲から非難された。手記は牧師の子供時代から遡り自身の人生が記されていた。虚実ないまぜにして語られる牧師の眼から見た人との軋轢、不倫、牧師としての成功と対立は地味目な展開ながら興味深く読ませる。牧師の主観的な手記なのでどこまでが真実なのか分からず常に不確かさが漂う。不可知論者であっても死の間際では超越的な存在を求めてしまう人の業が巧みに描かれている。不思議な魅力のある物語。

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