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ボグ・チャイルド

シヴォーン・ダウド

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784902257212
ISBN 10 : 4902257211
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1981年北アイルランド。国境近くの村に暮らす高校生ファーガスは、紛争が続くこの土地から離れてイギリスの大学で医者を目指していた。ある日、盗掘に出かけた湿地で少女の遺体を発見し…。カーネギー賞受賞作。

【著者紹介】
シヴォーン・ダウド作 : 1960年、ロンドンのアイルランド系の家庭に生まれる。オックスフォード大学卒業後、PEN(国際ペンクラブ)で、アジアや中南米の作家の人権活動などに携わる。2006年、「A Swift Pure Cry」で作家デビュー、ブランフォード・ボウズ賞を受賞。その後の活躍が期待されたが、2007年8月、がんのため四十七歳で逝去。死後、書きためていた作品が刊行され、高く評価されている。「Bog Child」は、2009年カーネギー賞、ビスト最優秀児童図書賞を受賞

千葉茂樹 : 1959年、北海道生まれ。国際基督教大学卒業。児童書編集者を経て、翻訳家に。札幌市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    ヤングアダルトと言われる分野で、こんなにいい作品を紹介してくれた『翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK』には感謝 。さすが、金原瑞人さんが関わられているだけある。ジョン・レノンが射殺された頃の北アイルランド。アイルランド、イギリス、カトリック、プロテスタント、ウエールズ、ハンガーストライキ、サッチャー。この頃のキーワードが並ぶ。そして、10代後半の心の揺れも。紀元前のお話と交差する所も、何もかも本当に良かった。小学校高学年から高校の図書文庫とかに置かれたらいいのになと思う作品。おすすめ。

  • Willie the Wildcat

    作為vs.不作為。視点や立場の違いで、生じる罪は苦楽どちらにも為りえる。それを自認できなくなる根本的な問題を、あたかも提起している感。メル=ジョー、ルー=コーラと仮定し、ブレナー=タリー叔父と勝手に置換えてみる。世の中の”都合”が齎す負の連鎖を、止める覚悟を体現するメルとジョー。メルの回想が繋ぐ過去と現在は、未来を暗喩。不変の”都合”也。1981年に発生したハンガー・ストライキも踏まえた執筆とのことだが、本著より壮絶な描写である映画『Hunger』が脳裏に浮かんだ。

  • honyomuhito

    成長期の少年には長距離走がよく似合う。そう思ってしまうのはアラン・シリトーの「長距離走者の孤独」や吉田秋生の「カリフォルニア物語」を思い出すからだろうか。長距離走はいつ終わるともしれない長い距離を一歩ずつ進んでいくしかない。その地道でもどかしい歩みが、成長期の葛藤や矛盾と、とてもよく似合うと思うのだ。ボグ・チャイルドとは誰だったのか。読み終わるとその疑問にたどりついた。ボグで生まれ育った子供たちが目指した未来はどこなのか。https://chirakattahondana.com/ボグ・チャイルド/

  • NAO

    泥炭の盗掘をしていたファーガスと伯父が見つけた鉄器時代のものと推察される遺体ボグ・チャイルド(ボグは泥炭)には、絞殺の跡があった。アイルランドの紛争地帯に住んでいて自由を渇望している少年ファーガスの葛藤と、アイルランドではときおり発見される古代生贄として泥炭に埋められた生贄らしき遺体が見事にリンクしている。プロヴォを支持する父と政治理念より家族の方が大切だと考える母の対立やファーガスの考古学者の娘への淡い恋心などもからめて、紛争地帯に住む思春期の少年の心理が生々しく描かれている。

  • 星落秋風五丈原

    ティーンの少年のひと夏の成長ものジャンル。けれどその成長には様々な事が含まれていて彼が暮らしているアイルランドの歴史と土地柄も影響している。。都会からやってきた少女の恋、主義を持つ兄のハンガーストライキ、将来への期待と不安、立ち場の異なる兵士との交流。これらの現実のテーマに少年が叔父と見つけたボグチャイルドの過去の物語が更に絡んでいき、暴力の歴史という共通のテーマが浮かび上がる。複数の主題を扱いながらそれを見事に回収してゆくストーリー展開の手腕が素晴らしい。

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