シューマン、ロベルト(1810-1856)

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CD

シューマン:ピアノ・ソナタ第3番、バッハ=ブラームス:左手のためのシャコンヌ 鐡 百合奈

シューマン、ロベルト(1810-1856)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
NF29501
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

感性、理性、そして美。鐡 百合奈デビュー

鐡 百合奈のデビューCDには、弾いていると涙が溢れてくるというシューマンのピアノ・ソナタ第3番 「大ソナタ」と、有名なバッハの「シャコンヌ」をシューマンを師とも仰ぐブラームスが左手のために編曲した2作品を収録しています。
 鐡は2017年第86回日本音楽コンクール本選はサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番を弾き第2位を得ましたが、第3予選で弾いたのがシューマンのピアノ・ソナタ第3番で、演奏の深さ、ロマン性の豊かさで審査員たちを驚かせたといいます。さらに驚くべきは、2017年と2018年に柴田南雄賞本賞を以下の評論で2年連続受賞していること!

・『ソナタ形式』からの解放(2017年)
・『演奏の復権:「分析」から音楽を取り戻す』(2018年)

このCDでも鐡が自らライナーノーツを執筆しており、以下はそこからの一部の引用です。

「シューマンのピアノソナタ第3番は、1835年に恋仲になったシューマンとクララは恋仲になったが、父は二人の交際に猛反対し、二人の仲を裂こうとした。この苦難の時期に、ロベルトはとめどなく溢れるクララへの愛をそのまま音にした5楽章からなるピアノソナタを作曲し、さらに大幅な改訂がなされ、4楽章構成の『グランドソナタ第3番』として1853年に出版された。
 付点のリズムとC-B-As-G-F(ドシラソファ)の5度下降の音型を特徴とする「クララ・ヴィークの主題による変奏曲風」の楽章が中心に据えられ、クララへの狂おしいまでの恋慕に満ちている。
「左手のためのシャコンヌ」は、ブラームスが他のショパン、ウェーバとバッハの作品の編曲集である『5つの練習曲』の中の第5番としてシャコンヌを編曲したものである。敬愛する師シューマンの妻クララへ捧げられ、この頃、偶然にも右手を痛めていたクララは大変喜んだ。
左手だけで奏する難しさによって、より指先の感覚が鋭敏になる。一音一音に集中すると、耳の中で無限に和声が広がりだす。現実の音として聴こえないからこそ、想像の幻の音が、無上の美しさで訪れる。原曲のヴァイオリンの音域ではなく、左手の低音域に編曲されたこともあって、倍音が豊かに響く。」

鐡の作曲家や作品に対する鋭い洞察力、分析力が、情感豊なこのCDの演奏にも溢れています。(メーカー資料より)

【収録情報】
● シューマン:ピアノ・ソナタ第3番へ短調 Op.14『大ソナタ』(1853年版)
● J.S.バッハ=ブラームス:左手のためのシャコンヌ Anh.Ia/1

 鐡 百合奈(ピアノ)

 録音時期:2018年10月11,12日
 録音場所:神奈川県立相模湖交流センター
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

【初めてのCDに寄せて 鐵 百合奈】
シューマンの魅力に惹き込まれたのは、大学に入ってからでした。それまでは、行き場のない興奮や、何度も繰り返される楽想を掴みきれませんでした。ところが、シューマンのソナタ第1番を初めて聴いたとき、その感情の渦と深い悲しみ、慟哭の虜になりました。第1番を弾くと、次は第3番を弾きたくなりました。
第3番はシューマンの心が千々に乱れ、身の破滅を賭してクララを愛した激しさと狂気に満ちています。第3楽章の破滅の和音、第4楽章のクライマックスの手前(150小節〜と312小節〜)では、本番で弾きながら泣いてしまいます。
弾いていると涙が溢れてくるもう一つの曲は、ブラームス編曲のシャコンヌです。昔からヴァイオリンの原曲が大好きで、音楽高校の同級生にねだって昼休み時間に弾いてもらった思い出があります。ブラームスの左手のための編曲は原曲の本質に極めて近く、自分で奏でることのできる幸せをかみしめています。ブラームスの「編曲」と読める箇所は楽譜通りに、ブラームスの誤植と解釈した箇所はバッハの原曲の音を採択しています。ピアノでは同時に鳴らせる和音も、ヴァイオリンの厳しく切り裂くようなアルペジオを模倣しました。さらに、ピアノは音程を変えられないため、現代では一般に平均律で調整される楽器ですが、今回は特別に、いわゆる古典調律とされている調律方法の一つを土台にして、シャコンヌに現れる和音が純正に近くなるように微調整していただきました。

【鐵 百合奈 Yurina Tetsu】
1992年香川県生まれ。第86回日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)、三宅賞。第4回高松国際ピアノコンクール審議員特別賞。日本クラシック音楽コンクール高校の部グランプリ。大阪国際/ローゼンストック国際ピアノコンクール、各第1位。皇居内桃華楽堂において御前演奏を行う。これまでに神奈川フィルハーモニー管弦楽団、芸大フィルハーモニア、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、高松交響楽団と共演。2017年度香川県文化芸術新人賞受賞。論文「『ソナタ形式』からの解放」で第4回柴田南雄音楽評論賞(本賞)を受賞、翌年『演奏の復権:「分析」から音楽を取り戻す』で第5回同本賞を連続受賞。ヤマハ音楽振興会、よんでん文化振興財団、岩谷時子Foundation for Youth、宗次エンジェル基金、各奨学生。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学をアカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞、同声会賞を得て卒業。同大学院修士課程を大学院アカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞を得て修了。現在、同博士後期課程に在籍。(メーカー資料より)

内容詳細

デビュー盤にしてはマニアックな内容だ。シューマンの第3番は初版ではなく最晩年の改訂版を使用。シューマン特有のイデオムの習熟度の高さ、洞察に満ちた解釈と緻密な表現力に驚く。併録のブラームスの珍品にも驚く。なんと純正律に近い調整での演奏は前代未聞。かなり衝撃的なアルバムである。(弘)(CDジャーナル データベースより)

ユーザーレビュー

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鐡さんのご出身地(香川高松)の近くに住ん...

投稿日:2021/02/28 (日)

鐡さんのご出身地(香川高松)の近くに住んでいるため、香川でのコンサートは毎回足を運んでいます。演奏は当然ながらすばらしく、毎回感動をいただいております。 このCDの演奏も感動的でぜひおすすめしたいものです。 なお、このCDには地元でのコンサートにおいて終演後にサインもいただき、宝ものとなっております。(鐡さんは宛名も入れていただけるので本当に感謝!)

浜っ子 さん | 愛媛県 | 不明

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シューマン、ロベルト(1810-1856)

ロベルト・シューマン(Robert Alexander Schumann)は、 1810年6月8日にドイツのツヴィッカウに生まれました。5人兄弟の末っ子で、出版業者で著作もあったという父親のもとで早くから音楽や文学に親しみ、作曲や詩作に豊かな才能を示したといいます。  ロベルト16才の年にその父親が亡くなり、安定した生活を願う母親の希望で法学を選択、1828年にライプツィヒ大学に入学しますが、音

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