個人的な事だが、私はカラヤンの作り上げる音楽があまり好きになれない。しかしながら、この作品は、数少ない例外の１つ。ツィマーマンの流麗かつダイナミックな独奏と精密に計算されたオーケストラのサウンドの見事にマッチしたところが素晴らしい。

シューマンは平凡かもしれませんが何回聴いても飽きない安定した演奏です。今手に入る演奏（音質も考慮して）としてはキーシン／ジュリーニと双璧だと思います。

陰影濃い名演。ルイサダの思索家のごとき、一音一音をも疎かにせず細部のニュアンスにまで徹底的こだわった表現はすばらしいの一語に尽きる。ルイサダをサポートしたティルソン・トーマスの指揮がこれまた見事。柔軟に歌わせながら、随所で彼の知的で切れ味鋭い個性を発揮し、充実した響きを作り出している。

10年以上この2つのコンチェルトを聴き続けているが、 聞くたびごとに新鮮な気持ちで耳を傾けることが出来る。 シューマンのコンチェルトは、ロマンチシズム溢れる演奏。ルービンシュタインのピアノが、ときにやさしく、ときに雄大な表現で迫れば、ジュリーニの棒は、全体を包み込む、絶妙な旋律の歌い回しをする。序奏からしてそれが聞き取れる。／グリーグの方は、曲が持つ、北欧を連想させる透明感が、ルービンシュタイン独自のタッチと合わさって、えもいわれぬ美しさを醸し出している。ダイナミックレンジも広い。バックのオケは、いま少し。