【中古:盤質AB】 交響曲全集　ベーム＆ベルリン・フィル

ベーム / シューベルト：交響曲全集(4CD)　

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団　
カール・ベーム（指揮）　

1963-71年ステレオ録音。以前から高い評価を誇る名盤で、元気だった頃のベームがきわめて力強い演奏で聴かせてくれるシューベルト・アルバム。ベルリン・フィルのサウンドも現在とはまったく異なる剛毅なもので、伝統的シューベルト演奏の価値観に根ざした壮大なスケール感が交響曲好きをうならせる演奏を実現しています。
　第1番など初期の作品さえ柄の大きな風格で聴かせてしまうあたりはさすがと言えますが、特に、全集の最初に録音された『グレート』は、その剛健そのもののサウンドと頑健きわまりない造型が昔から絶賛されているもので、この名指揮者が残したレコーディングの中でも屈指の傑作とされるばかりか、ドイツ・シンフォニズムの典型とまで賞される名盤中の名盤です。『未完成』の重厚きわまりない手応えも、現代には求められないものと言えるでしょう。
　また、シューベルト作品ならではのあふれるような旋律の美しさが、その頑丈なフォルムの中から渋味がかった光沢を放ちながら立ち昇るあたりの妙も、当全集の他に得がたい美点と言えます。
　時代考証の洗礼を受けた軽量なシューベルト演奏が主流となっている昨今ですが、こうしたいわば噛みでのある味わいに富んだ演奏は、時代の潮流に左右されるされることなく、今後もその価値を減じることはないでしょう。


シューベルト：交響曲全集

・交響曲第1番ニ長調 D.82
・交響曲第2番変ロ長調 D.125
・交響曲第3番ニ長調 D.200
・交響曲第4番ハ短調 D.417『悲劇的』
・交響曲第5番変ロ長調 D.485
・交響曲第6番ハ長調 D.589
・交響曲第8番ロ短調 D.759『未完成』
・交響曲第9番ハ長調 D.944『グレート』

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団　
カール・ベーム（指揮）

録音：1963-71年[ステレオ]