シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)

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【中古:盤質AB】 『英雄の生涯』『町人貴族』 ラトル&BPO(2CD)

シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)

中古情報

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AB
特記事項
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帯付,2枚組み
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基本情報

ジャンル
カタログNo
TOCE55797
日本
フォーマット
CD

商品説明

(こちらは新品のHMVレビューとなります。参考として下さいませ。中古商品にはサイト上に記載がある場合でも、封入/外付け特典は付属いたしません。また、実際の商品と内容が異なる場合がございます。)

ラトルにとって、リヒャルト・シュトラウスのフルオケ作品の録音は今回が初めてですが、この『英雄の生涯』に関しては、2003年にウィーン・フィルの定期演奏会で取り上げて絶賛を博したという自信のレパートリーでもありました。
 今回は満を持してのベルリン・フィルとのレコーディングとなり、いまや強固な結びつきを感じさせる最強のパートナーとなった同オケとの綿密な共同作業に大いに期待がかかるところでもあります。
 実際、演奏は素晴らしいもので、作曲者が作品に込めたシニカルな思いがかつてないほど鮮明に浮かび上がる面白さがあります。この曲は、ともすると大音量&レガート主義という、シュトラウス本来の音楽性とは大きく離れたハリウッド的な音楽(?)として演奏されがちで、それも決して悪くは無いと思いますが、ラトルは敢えてここで作品の意味の再考を促すかのような潔癖なフレージングと、木管セクションの驚くべきテクニックにより精緻なリズム処理を追求、膨大な情報を前面に打ち出すことに成功しています。
 大言壮語し自己陶酔する英雄は、(作曲者の自作自演同様)もはやここにはなく、あるのは、英雄の敵(評論家やアンチ・シュトラウス主義者)や、英雄の妻に攻撃され翻弄されながらも着々と自分の芸術を制作し続ける生活を営み、やがて成就への野望よりも諦念にこそ価値を見出すであろう将来まで予見する英雄の姿なのです。なんと人間的な英雄なのでしょう。
 ラトルとベルリン・フィルの面々による『英雄の生涯』は、作品本来の意味を追求した結果、複雑な味わいを獲得し、優れて啓発的な仕上がりを示した名演であると思われ、鋭い知性ゆえのシニカルさが実は大きな魅力となっている作曲家、リヒャルト・シュトラウスのスタンスについて改めて考えさせてくれること請け合いです。



 なお、当初、『英雄の生涯』のみでのリリース予定だったこのアルバムですが、ラトル自身の強い希望により、同じリヒャルト・シュトラウスの『町人貴族』組曲が加えられることとなりました。
 『英雄の生涯』が、自らを英雄にたとえ、それまでの自分を振り返り、将来まで予見するという設定だったのに対し、こちらは、町人が貴族に憧れて見栄を張り、作法や教養を身につけようとするものの、結局は体よく貴族からお金を巻き上げられてしまうという皮肉なモリエールの戯曲に付曲したもので、ラトルは実演では、ベートーヴェンの『英雄』などと一緒に演奏していました。
 筋はともかく、音楽的には、打楽器が多目の小編成オーケストラによる多彩な響きがとても楽しい音楽で、『ナクソス島のアリアドネ』がもともとはこの『町人貴族』の劇中劇だったことが思い出されます。
 ということは、案外、ラトルはこのアルバムで、『英雄の生涯』と『町人貴族』という考えようによってはとてもシニカルな作品を組み合わせて、その複雑な人生の機微を楽しんでくれとでも言いたかったのかもしれません。ちなみに、よく問題になる『町人貴族』の曲順ですが、ここでは慣習に従いエンディングは「宴会」となっています。



・R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』 op.40
 英雄
 英雄の敵
 英雄の妻
 英雄の確信の主題
 英雄の戦場
 英雄の戦場(戦闘のファンファーレ)
 英雄の業績
 英雄の引退と完成
 諦念



・R.シュトラウス:交響詩『町人貴族』 op.60
 第1幕への序曲
 メヌエット
 剣術の先生
 仕立屋の入場と舞踊
 リュリのメヌエット
 クーラント
 クレオントの登場
 第2幕への前奏
 宴会



 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 サイモン・ラトル(指揮)



 録音:2005年9月、ベルリン

収録曲   

ディスク   1

  • 01. 交響詩≪英雄の生涯≫ 作品40 英雄
  • 02. 交響詩≪英雄の生涯≫ 作品40 英雄の敵
  • 03. 交響詩≪英雄の生涯≫ 作品40 英雄の妻
  • 04. 交響詩≪英雄の生涯≫ 作品40 英雄の戦場
  • 05. 交響詩≪英雄の生涯≫ 作品40 英雄の業績
  • 06. 交響詩≪英雄の生涯≫ 作品40 英雄の引退と完成

ディスク   2

  • 01. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 第1幕への序曲
  • 02. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 メヌエット
  • 03. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 剣術(フェンシング)の先生
  • 04. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 仕立屋の登場と踊り
  • 05. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 リュリのメヌエット
  • 06. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 クーラント
  • 07. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 クレオントの登場
  • 08. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 第2幕への前奏曲 (間奏曲)
  • 09. 組曲≪町人貴族≫ 作品60 宴会

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