『こうもり』ドイツ語全曲録音＆英語抜粋録音　ダノン＆ウィーン国立歌劇場（１９６３　ステレオ）（２ＣＤ）

『こうもり』ドイツ語全曲録音＆英語抜粋録音
オスカー・ダノン＆ウィーン国立歌劇場

1913年、サラエヴォ（当時はオーストリア＝ハンガリー帝国領）に生まれた名指揮者、オスカー・ダノンの指揮により同時期にレコーディングされたドイツ語全曲録音と英語抜粋録音の両方を収めたユニークなアルバム。
　オペレッタ黄金期時代の録音だけあって歌手はなかなか豪華。特に全曲録音の方は、LP時代には名盤と呼ばれていましたが、CD化はモッフォの人気もあって抜粋録音の方が先になってしまいます。
　全曲録音は、ガラ・パフォーマンス無しのヴァージョンで演奏時間は約96分。抜粋録音は先に単独リリースされたアルバムと同じく有名曲が約41分収録されています。
　演奏はどちらも聴かせどころを心得たダノンの活気に満ち、湧き立つような演奏が心地よいもの。全曲録音では、1928年ロンドン生まれのイギリスのソプラノ、アデール・リーの美しいロザリンデ、ワルツ『春の声』も聴きもののローテンベルガーによる可憐なアデーレ、ワーグナーで名高いコーンヤによる楽しげなアルフレード、そしてハマリ役のヴェヒターによるアイゼンシュタインとクンツによるフランクのほか、貫録たっぷりのリゼ・スティーヴンスのオルロフスキー、そしてかのジョージ・ロンドンがファルケを歌うという多彩な布陣が実に愉快。
　抜粋録音は、アンナ・モッフォが主役といった感じですが、共通キャストのジョージ・ロンドンのファルケのほか、『大地の歌』のスペシャリストでもあったテノール歌手、リチャード・ルイスがアイゼンシュタインを歌っているのにも注目。
　オリジナル・アナログ・マスターから24bit/96kHzハイ・レゾリューション・リマスタリングがおこなわれているのもポイントで、鮮烈なステレオ・サウンドでイキの良い演奏を味わうことができます。なお、16ページのブックレットには歌詞は掲載されておりません。

【収録情報】
ヨハン・シュトラウス2世：
・喜歌劇『こうもり』全曲（ドイツ語版）
　アデール・リー(ロザリンデ)
　エバーハルト・ヴェヒター(アイゼンシュタイン)
　アンネリーゼ・ローテンベルガー(アデーレ)
　シャーンドル・コーンヤ(アルフレード)
　リゼ・スティーヴンス（オルロフスキー）
　エーリヒ・クンツ(フランク)
　ジョージ・ロンドン(ファルケ)
　エーリヒ・マイクート(ブリント)
　ウィーン国立歌劇場管弦楽団
　オスカー・ダノン(指揮)

　録音時期：1963年6月15〜25日（ステレオ）
　録音場所：ウィーン・ゾフィエン・ザール（セッション）

ヨハン・シュトラウス2世：
・喜歌劇『こうもり』抜粋（英語版）
　アンナ・モッフォ(ロザリンデ)
　リチャード・ルイス(アイゼンシュタイン)
　ジャネッテ・スコヴォテッィ(アデーレ)
　セルジオ・フランキ(アルフレード)
　ジョン・ホウクスヴェル(フランク)
　ジョージ・ロンドン(ファルケ)
　ウィーン国立歌劇場管弦楽団
　オスカー・ダノン(指揮)

　録音時期：1963年6月28〜30日（ステレオ）
　録音場所：ウィーン・ゾフィエン・ザール（セッション）