Keyboard Music Vol.2: A.hewitt(P)

アンジェラ・ヒューイット、
クープラン第２弾！

クープランの「クラヴサン曲集」を収録した3巻シリーズの2枚目にあたるアルバム。
バッハやスカルラッティのチェンバロ作品はピアノでも演奏する習慣が定着しているのに、クープランではあまり試みられてきませんでした。
　ヒューイットが長年暖めていたこの企画は、定評あるバッハと同様、高い評価を得ています。
　「全226曲を前もって検討した後、私は現代のピアノにいちばん合うと感じられたもの、そしてもっとも興味深いと思われたものを選び出した」と語るヒューイット。前回のCD（CDA67440／国内仕様MCDA67440）では、クラヴサン曲集の第2巻と第3巻から、組曲を3つ選んで演奏していましたが、今回は第4巻から5つの組曲を選択、第24組曲のみ2曲を抜粋、21と25〜27組曲はすべて演奏しています。
　『空想にふける女』『毒槍』『二重生活者（パッサカリアの動き）』『病み上がりの女』『とげのある女』など、各曲につけられた奇抜なタイトルは見ているだけで想像力をかき立てずにいられません。
　クープランは明らかに彼の身近な人物や事象を描いたのですが、具体的なことを明らかにしていないため謎も多く、ヒューイットによれば、当時の演劇の登場人物、クープランがつきあっていた人たちにしかわからないような、様々な“内輪の冗談”がタイトルに含まれているとのこと。
　曲に絵画的な（あるいは奇抜な）題名を付けるという行為は、16世紀末のリュート奏者が始めたものですが、その後、フランスの数多くのクラヴサン奏者が採用するようになり、クープランはその中の最大の存在だったというわけです。
　近代になってこうした伝統に倣ったのがあのエリック・サティ。つまりピアノで聴くクープランは、サティの原点を探る旅なのかもしれません（？！）。


フランソワ・クープラン：鍵盤音楽集II
クラヴサン曲集第4巻より
第25組曲
　空想にふける女
　神秘的な女
　モンフランベール夫人
　勝利したミューズ
　さまよう亡霊たち

第21組曲
　慕わしき王妃
　跳躍
　クープラン
　ハープ型
　小さな皮肉や

第24組曲
　毒槍
　二重生活者（パッサカリアの動き）

第26組曲
　病み上がりの女
　ガヴォット
　ソフィ
　とげのある女
　パントマイム

第27組曲
　上品な女
　けしの実
　中国風
　頓知（とんち）

アンジェラ・ヒューイット（ピアノ）