スウェーデンのモーツァルトと呼ばれた作曲家
ドイツ、ミルテンブルク生まれのヨーゼフ・マルティン・クラウス。マンハイムをはじめドイツ国内の大学で音楽、法学、哲学を学び、作曲家、劇作家、画家として幅広い活躍をしました。1781年には彼の才能を認めたストックホルムのグスタフ3世の宮廷作曲家に召し抱えられ、4年間のイタリア留学の旅に派遣されることとなります。当時の最先端の音楽に触れたクラウスは、自身の劇音楽にオペラ・セリアの様式を取り入れるなど大きな影響を受けただけでなく、ハイドンやモーツァルトと知遇を得たことは彼の作品に新たな彩りをもたらしました。ストックホルムに帰国後は、宮廷のために劇音楽、歌劇を作曲し、その軽やかで品の良い作風から「スウェーデンのモーツァルト」と呼ばれるようになりました。彼の12曲ある交響曲は、ほとんどが3楽章形式で書かれており、当時としては珍しく短調が用いられた曲が多いことが特徴。また、劇音楽やカンタータはイタリア風の華麗なアリアが要所要所に使われたドラマティックなもの。モーツァルト作品とは違った楽しさが感じられます。
このボックスには、エールハルトが振るコンチェルト・ケルンとラルテ・デル・モンドの演奏が中心に収録されており、これらは発売当時、クラウスの復興に一役買った名演揃いです。(輸入元情報)
【収録情報】
ヨーゼフ・マルティン・クラウス作品集
Disc1
● 劇音楽『アンフィトリオン』 VB27
シャンタル・サントン(ソプラノ)
ゲオルク・ポプルッツ(テノール)
ボン室内合唱団
ラルテ・デル・モンド
ヴェルナー・エールハルト(指揮)
録音:2007年11月8,9日 クルトゥアツェントルム
Disc2
● 付随音楽『オリンピエ』 VB33〜序曲
● カンタータ『嫉妬』 VB46
● 付随音楽『オリンピエ』 VB33〜第3幕と第4幕の間奏曲
● カンタータ『春』 BV47
● 付随音楽『オリンピエ』 VB33〜後奏曲
● カンタータ『弁解』 VB43
● 付随音楽『オリンピエ』 VB33〜第4幕と第5幕の間奏曲
● カンタータ『漁師』 VB44
ジモーネ・ケルメス(ソプラノ)
ラルテ・デル・モンド
ヴェルナー・エールハルト(指揮)
録音:2007年5月&9月 ケルン、ドイツ放送室内楽ホール
Disc3
● 交響曲 ニ長調『シンフォニア・ダ・キエザ』 VB146
● 交響曲 嬰ハ短調 VB140
● 交響曲 ハ長調『ヴァイオリン・オブリガート』 VB138
● 交響曲 ハ短調『葬送交響曲』 VB148
コンチェルト・ケルン
ヴェルナー・エールハルト(指揮)
録音:1992年3月4-8日 ケンペン、クルトゥアフォルム
Disc4
● 交響曲 ハ短調 VB142
● 交響曲 変ホ長調 VB144
● 交響曲 ハ長調 VB139
● 交響曲 ニ長調 VB143
コンチェルト・ケルン
ヴェルナー・エールハルト(指揮)
録音:1991年6月13-16日 ケンペン、クルトゥアフォルム
Disc5
● フルート五重奏曲ニ長調 Op.7, VB188
● 弦楽四重奏曲ト短調 Op.1-3, VB183
● 弦楽四重奏曲ニ長調 Op.1-4, VB184
マルティン・ザントホフ(フルート)
シュパンツィヒ・クァルテット
録音:2001年4月3-6日 ベネディクトボイエルン、クロスター、バロックザール