グロサ集　グレン・ウィルソン

アントニオ＆ホアン＆エルナンド・デ・カベソン：グロサ集
グレン・ウィルソン

スペイン・ルネッサンス期に活躍したアントニオ・デ・カベソンは、幼児期に失明するもののオルガニストとして修行を積んで成功、カルロス１世、フェリペ２世の主任オルガニストとして仕え、スペイン鍵盤音楽の発展に大きく貢献します。
　その作風はのちのバロックのスタイルを先取りしたような対位法表現と即興的な手法を特徴としたもので、主要作品は、グレン・ウィルソンによって演奏されたナクソス・レーベルの「ティエントと変奏曲全集」で聴くことができます。
　今回のアルバムでは、その「ティエント」と同じくスペインの変奏曲形式のひとつである「グロサ」に着目、カベソン作品をメインに、彼の息子エルナンドとホアンの作品も組み合わされて変化のある内容に仕上げています。
　この「グロサ」の素材としては、当時流行していたシャンソンやマドリガルなどの世俗歌曲のほか、宗教的な音楽なども選ばれているということで、当時の音楽の雰囲気を想像するという楽しみ方もできるかもしれません。

【収録情報】
アントニオ・デ・カペソン：
・恋をお望みの方は
・サーナ・メ・ドミネ
・憐れみたまえ
・私は神が何かを与える時に行く
・私の最後のため息
・オザンナ（ジョスカン・デ・プレの『ミサ・ロム・アルメ』第6旋法より）
・緑の美しい木
・小さな楽しみは私を選ぶ
・はかない喜びのために
・シュザンヌはある日
・私は死を持続する
・私の熱烈なため息
・別れの時には
・フランス風カンシオン
・誰かが教えてくれる
・パンジェ・リングァ・デ・ウレダ

エルナンド・デ・カベソン[1541-1602]：
・シュザンヌはある日
・甘き思い出−デュルス・メモワール
・めでたし、海の星よ−アヴェ・マリス・ステラ
・小さな楽しみは私を選ぶ

ホアン・デ・カベソン[?-1566]：
・私は嘆き悲しむ

アントニオ・デ・カベソン：
・破壊から呼び出され

　グレン・ウィルソン（チェンバロ）
　使用楽器：Harpsichord by Donatella Santoliquido after instruments of the Valladolid school. Modified sixth-comma meantone temperament, a=415 Hz.

　録音時期：2012年6月1-3日
　録音場所：シチリア、ピアナ・デグリ・アリバネージ、聖マリー・ホデゲトリア教会
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）