ゲオルク・カッツァー&フリードリヒ・ゴルトマン:作品集
カッツァーはポーランド領シレジア出身。戦後は東ベルリンに移住しハンス・アイスラーに師事。また自ら電子音楽スタジオを設立し研究と制作に従事しました。『弦楽音楽1』はその成果がアコースティック楽器で表現されたもので、ペンデレツキの『広島の犠牲者への哀歌』を思わせる特殊奏法による音響の変容で作られています。晩年の『3つの言葉』は逆にシェーンベルクやベルクに回帰したかのような表現主義的でロマンティックな作品。
フリードリヒ・ゴルトマン[1941-2009]は東ドイツ出身ですがダルムシュタットでシュトックハウゼンの講義に接して刺激を受け、4つの交響曲、多くの協奏曲、歌劇を発表しています。『ほとんど凍った落ち着きのない・・・』は終始厳しい点描的な書法で書かれている一方、『アンサンブル・コンチェルト』は長い音の持続が他の楽器に静かに受け継がれ次第に音のテクスチュアが厚みと激しさを増していきます。点描的な激しい音楽となったかと思えば、なぜかフィリップ・グラス風のミニマル・ミュージックになり協和音が響くというユニークな音楽です。(輸入元情報)
【収録情報】
● カッツァー:弦楽音楽1(1971)〜14の弦楽器独奏のための
● カッツァー:3つの言葉(2004)〜弦楽オーケストラのための
● ゴルトマン:『・・・ほとんど凍った落ち着きのない・・・2』(1992)〜9人の奏者のための
● ゴルトマン:アンサンブル・コンチェルト第2番(1985)〜16人の奏者のための
ミュンヘン室内管弦楽団
クレメンス・シュルト(指揮)
録音時期:2021年3月23-26日
録音場所:ミュンヘン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)