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地上で僕らはつかの間きらめく 新潮クレスト・ブックス

オーシャン・ヴオン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901738
ISBN 10 : 4105901737
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ベトナム生まれの詩人が書いた、文字を読めない母への手紙――。母と僕の苦難、生きる歓び。全米で話題沸騰の鮮烈なデビュー長篇。

読み書きできない母に綴った僕の真実――。ベトナム系詩人の才能迸る初小説。幼い僕を連れ、母は祖母と共に太平洋を渡った。戦争に人生を狂わされた祖母と、新天地アメリカでの生活に翻弄される母。二人の苦難は少年の僕にも影を落とすが、ある年上の少年との出会いによって、僕は初めて、生きる歓びを知る――。アメリカ文学の新たな才能による痛みと美しさに満ちた自伝的長篇。

【著者紹介】
オーシャン・ヴオン : 1988年、ベトナム・ホーチミン市生まれ。幼少時に母や祖母とともにアメリカに移住。ニューヨーク市立大学ブルックリン校にて、詩人で小説家のベン・ラーナーのもとで学ぶ。現在はマサチューセッツ大学アマースト校で創作を教えている。詩作では早くから高く評価され、T.S.エリオット賞を受賞。「天才奨学金」と呼ばれるマッカーサー・フェローシップにも選ばれている。小説では『地上で僕らはつかの間きらめく』がデビュー作

木原善彦 : 1967年生まれ。大阪大学教授。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で第5回日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ちゃちゃ

    読まれることがないであろう、母への手紙。「僕」の抱える痛みは、文字の読めない母には届かない…。幼い頃祖母と母とともにベトナムから渡米し、言語、肌の色、貧困の壁に苦しめられた。その苦難の日々は、ベトナム戦争の暗い影に起因する。多感な思春期に出会った白人青年との恋。薬物の過剰摂取により奪われた彼の命と深い喪失感。繊細で鋭敏な感性から紡がれた文章は、哀切で美しい韻律を含みつつ彼が背負う生きづらさをリアルに伝える。記憶の断片を重ねるように描いた世界は、痛み故に放たれる生の一瞬の煌めきと飛翔を、鮮烈に印象づける。

  • buchipanda3

    著者は幼い頃にベトナムからアメリカへ移住して、現在は詩人として名を馳せているそうだ。本作はそんな彼による自伝的な小説。戦争が家族に残した傷痕、さらに肌の色や性的指向の違いで揺れる自分の存在。そのアイデンティティを求めて、体の奥底から赤裸々に自身をさらけ出す文章は、生きる痛みを見せて読み手の心をえぐる。しかしその言葉は有無を言わせぬ美しさをまとっていた。痛切だが、生きることを言祝ぐようにきらめく。特に生と死と欲を半端な比喩で誤魔化すことなく歌い上げた終盤は、何度も読む手を止めて著者の奏でる言葉に身を委ねた。

  • (C17H26O4)

    痛みで綴られた言葉だった。読まれることのない母への手紙というかたちでしか書けなかったこと。僕は文字に記すことで自分を、自分の世界を、受容し赦し癒したかったのではないだろうか。静かで透き通るようで繊細な言葉が、読者それぞれの何かしらの割り切れない思いにも光を当て、きらめかせ、昇華させるようにも感じた。

  • ケロリーヌ@ベルばら同盟

    オーシャン、この若き詩人である著者の名からの連想だろうか、寄せては帰す波のような文章に惹き込まれ、そして突き放された。戦争。死と暴力の震源に生いたち、米国に渡った一つの家族。母国では名を持たなかった母は、自分に百合の花の名を付け、娘を薔薇と呼んだ。薔薇の息子は、文字を読めない母に宛てて手紙を書く。幼い日の記憶、祖母の物語、母への想い、戦火と貧困に踏みにじられた故国、世界最強の国の歪み。静かで、濃密な旋律で深い思索を奏でる、美しい物語。

  • キムチ

    ベトナム戦争/LGBT.2本の骨格が立った詩的小説。換言すればアジア的モンスーンの風が流れる情景の通奏低音はベトナム戦争によりもたらされた人間の傷の痛み。映画化の話が上がっているのは当然と思われるイメージが心地よかった。オオカバマダラやバッファロー・・・ベトナム移民3世としてアメリカで育つ筆者、成長期で受ける激しい暴力の数々、農園で知り合う白人男性、そして触れ合いはセックスと形を変え溺れる日々が。しかしトレヴァーが持つ傷は彼を自滅へと運び。意外だったのはこれが最近の小説であるにもかかわらず、半世紀前の様

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