ヨーグルト作り職人の踊り〜エリルマーズ作品集
エリルマーズはトルコ系アメリカ人の作曲家。トルコ系といえば作曲家でもあるピアニストのファジル・サイが思い出されますが、彼はサイより20歳ほど年下の世代にあたります。彼の音楽はトルコ民族音楽の要素と西洋音楽をミックスしたもので、さながら21世紀トルコのバルトークかハチャトゥリアン、イッポリトフ=イヴァノフといったところ。
このディスクには弦楽四重奏が中心になった室内楽が集められており、『ヨーグルト作り職人の踊り』では弦楽奏者が演奏しながら足踏みしたり手拍子を叩いたり叫んだりします。タブラに似たトルコの太鼓ダラブッカと弦楽のための『ホッパ』は溌剌という意味の通り熱い民族的な舞曲。ピアノ五重奏曲『執拗な音楽』はその名の通り、中近東の脂がギトギトした味の強い料理を食べさせられているような濃ゆい音楽。絵葉書的エキゾチシズムと紙一重の危うさはあるものの細部の書法の筆致は確かなものです。(輸入元情報)
【収録情報】
エリルマーズ:
1. ヨーグルト作り職人の踊り (2014)
2. ホッパ(溌剌と)3 (2018)〜弦楽四重奏とダラブッカのための
3. ミニアチュアズ・セット第4番 (2012)
4. ミニアチュアズ・セット第5番 (2015)〜弦楽四重奏とトルコの民族打楽器のための
5 ベシメスルタンのトラキアの大気 (2015)
6. 執拗な音楽 (2019)〜ピアノ五重奏のための
カープ・ディエム弦楽四重奏団
チャールズ・ウェザービー(第1ヴァイオリン)
マリサ・イシカワ(第2ヴァイオリン)
コリン・フジワラ(ヴィオラ)
グレゴリー・ソーアー(チェロ)
エルバーク・エリルマーズ(打楽器、ピアノ:2,4,6)
録音時期:2020年1月20-22日
録音場所:テキサス州ヒューストン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)