ピアノ・ソナタ全集、舞踏への勧誘、華麗なるロンド、モメント・カプリチオーソ　オールソン（２ＣＤ）

オールソン／ヴェーバー：ピアノ・ソナタ全集が復活！
アラベスク原盤がハイペリオンからリリース！

ヴェーバーというと『魔弾の射手』や『オベロン』といったオペラのイメージがありますが、一方で「ピアノと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」は、痛快な技巧でコンサートでは意外な人気レパートリーになっているほか、ピアノ協奏曲も２曲書いているなど、ピアノにはかなり入れ込んでいたようで、ソナタも４曲書いています。
　ヴェーバーのピアノ・ソナタは、技巧的で華やかなスタイルの中に、ときおり彼のオペラにも通じるロマン的な雰囲気も漂わせるなかなかの傑作ぞろいで、ベートーヴェン晩年の時期に書かれていたことを考えるとかなり進歩的な作風でもあり、メンデルスゾーンやシューマンにも大きな影響を与えたこともよくわかります。
　しかしなぜか全曲を収めたCDにはあまり恵まれず、これまで、ディノ・チアーニによるものや、ジャン・マルタン、コンスタンス・キーン、ミヒャエル・エンドレス、ヤン・フェルミューレンといったところがあったくらいなので、オールソン盤の廃盤が惜しまれていただけに、今回のハイペリオンからの復活は大いに歓迎されるところです。

【オールソン】
1970年第８回ショパン国際ピアノ・コンクールで第１位に輝いたアメリカの名匠ギャリック・オールソンの名盤、ヴェーバーの「ピアノ・ソナタ全集」がハイペリオンから復活！
　ドイツ・ロマン派のオペラ様式を完成させたヴェーバーはどうしても『オペラ』の印象が強いのですが、ピアノ作品も実は重要。ヴェーバーの４つのピアノ・ソナタは、後に続く
　ドイツ・ロマン派はオールソン得意のレパートリー。ソナタにカップリングされた『舞踏への勧誘』もお楽しみに！（東京エムプラス）

アメリカのピアニスト、ギャリック・オールソンは1948年4月3日、ニューヨークに誕生。ジュリアード音楽院でゴロドニツキとロジーナ・レヴィンに師事し、18歳でブゾーニ国際コンクールで優勝、2年後にはモントリオール国際コンクールで優勝し、さらに22歳の時にショパン国際ピアノ・コンクールでも優勝、その高度な技術と完成度の高い表現力を世界に示しました。 　コンクール優勝後は各国でコンサートを開き、EMIと契約してレコーディングでも活躍していましたが、その後はメジャー・レーベルでの録音に恵まれず、日本での知名度がいまひとつなのは残念なところです。
　オールソンの演奏は、ショパンのほか、ベートーヴェンやヴェーバー、ブラームス、リスト、ラフマニノフ、チャイコフスキー、スクリャービン、ショスタコーヴィチ、ウェーベルンなどを録音で聴けますが、それらに一貫するのは高度な技巧と美しい音色で仕上げられた立派な演奏であるということで、作品表現に求められる諸要素を十分に満たす実力の高さが窺えます。（ＨＭＶ）

【収録情報】
ヴェーバー：
・ピアノ・ソナタ第1番ハ長調Op.24
・ピアノ・ソナタ第2番変イ長調Op.39
・舞踏への勧誘Op.65
・ピアノ・ソナタ3番ニ短調Op.49
・ピアノ・ソナタ第4番ホ短調Op.70
・華麗なるロンドOp.62
・モメント・カプリチオーソOp.12

　ギャリック・オールソン（ピアノ）

　録音時期：1987年4月9日−11日、1988年1月4日−6日
　録音場所：ニューヨーク、コンコーディア・カレッジ
　録音方式：デジタル（セッション）
　Arabesqueレーベルからの新装移行再発売