基本情報
内容詳細
C.G.ユングはスイスのボーリンゲン村を隠棲の地とし、心理学・神話学・宗教学・図像学など様々な分野の世界的知性を集めた“エラノス会議”(一九三三年開始)で中心的役割を果たした。そのユングに傾倒したアメリカの資産家ポールとメアリー・メロン夫妻は、一九四二年にボーリンゲン基金を設立、学術研究の支援と出版事業を開始する。“ボーリンゲン叢書”はユング著作集、エラノス講義の書籍化をはじめ、ヴィルヘルム訳『易経』、キャンベル『千の顔を持つ英雄』、ノイマン『グレート・マザー』、鈴木大拙『禅と日本文化』、ヴァレリーやコールリッジの著作集など、数々の名著を送り出し、奨学金で多くの研究者や文学者の活動を支え、考古学発掘調査に資金援助を行なった。ユング、ケレーニイ、エリアーデ、ブロッホ、パノフスキー、ショーレム、ナボコフら、ボーリンゲン・プロジェクトに集う綺羅星の如き人々、二十世紀を変えた“知”が生成される現場を活写した人的交流の文化史。
目次 : 第1章 カンザスシティからマジョーレ湖へ/ 第2章 「ボーリンゲンはわたしのエラノス!」/ 第3章 蘇ったボーリンゲン/ 第4章 エラノス、ユング、神話/ 第5章 文学、美術、そして古代/ 第6章 遺産
【著者紹介】
ウィリアム・マガイアー : 1917‐2009。フロリダ州セントオーガスティン生まれ。フロリダ大学でジャーナリズムを学び、卒業後は『ニューヨーカー』等で働く。1948年から“ボーリンゲン叢書”の編集者として、数々の名著を送り出した。英訳『ユング著作集』編集長をつとめた
高山宏 : 1947年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。大妻女子大学比較文化学部教授。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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