アントニオ・タブッキ / 和田忠彦

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時は老いをいそぐ

アントニオ・タブッキ / 和田忠彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309205861
ISBN 10 : 4309205860
フォーマット
出版社
発行年月
2012年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
218p 19cm(B6)

内容詳細

東欧の元諜報部員、国連平和維持軍の被曝した兵士、ハンガリー動乱で対峙した二人の将軍、古びた建物を駆け抜ける不思議な風の歌…。ベルリンの壁崩壊以後、黄昏ゆくヨーロッパをさすらう記憶の物語。

【著者紹介】
アントニオ・タブッキ : 1943年イタリア・ピサ生まれ。イタリア語・ポルトガル語で小説や戯曲を執筆する現代イタリアを代表する作家。75年長篇『イタリア広場』でデビュー。おもな小説に『供述によるとペレイラは…』(94、ヴィアレッジョ賞受賞)など

和田忠彦 : 1952年生まれ。東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。同大学副学長。専攻はイタリア近現代文学・文化芸術論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    タブッキの晩年に書かれた9つの短篇を収録。そのいずれもが、タイトルにあるように過ぎ去った「時」をめぐる物語だ。舞台も、ベルリンやワルシャワなど、主として東欧の各地が選ばれている。西欧よりも「時」の刻印をより深く受けたからだろうか。主人公たちも、老年あるいは初老にさしかかる年齢である。篇中、もっとも痛切なのは「亡者を食卓に」だろう。ウンターデルリンデンに瀟洒な家を持ち、今はお金にも不自由しない。しかし、彼は自分の若き日からの人生のすべて失ってしまった。これらは喪失の物語であり、やるせない哀しみの物語だ。

  • miyu さん

    タブッキを本当の意味で味わい尽くすには、とにかく歳をとらねばならない。だから自分が彼の著書を初めて手にした頃、実はまだ何も解っていなかったのだと今さらながら思う。勿論今でもまだ経験不足なのだけれど、少なくとも二十代の、何も知らないくせに知ったような顔をしていた頃よりはマシだ。彼の最晩年の短篇集。どれも好きだが強いてあげるなら「円」「亡者を食卓に」「雲」「ブカレストは昔のまま」やはり苦い味わいのものが好み。少し毛色の変わった(でもタブッキとしたらごく普通の)「いきちがい」もよい。とても贅沢な時間を過ごした。

  • マリカ さん

    『影を追いかければ、時は老いをいそぐ』私たちと同じ時間を生きていると思っていた作家の時間はすでに満ち、作家は、追いかけていた影に追いついてしまった。そして、作家の遺した物語は、私たちの追いかける影となり、追う私たちの心の中で、姿を変え、形を変えていく度も再生されるだろう。いつか私たちが影に追いつき、私たちの時間が満ちるその時まで。 物語の登場人物たちもまた、影を追いかけている。しかし、作家の死によって、彼らは永遠に影を追いかけることとなった。彼らにつかの間の陽を当ててやれるのは、私たち読者しかいない。

  • 三柴ゆよし さん

    <影を追いかければ、時は老いをいそぐ>。時間とは線ではなく、たぶんそれは円のようなもの、そうであってみれば私たちは時に追われ、また同時にその影法師を追いながら老いてゆくのだろう。時の円周上を追い、追われる、その運動はひとつの流れとなり、途切れることなく続く流れはつまりある種の物質であり、そうして生まれた物質が目に映るものであるかといったらそうではない。その目に映ることない物質に物語というかりそめの輪郭を与えたのがこの作品集なのだと思う。追い、老い、追いて、また老いて。円に終点はないののである。

  • TSUBASA さん

    「時」と「書く事」の葛藤が表れた9つの短編集。タブッキ作品は、じっくり物語の世界に向き合うと「いや、私もしらんけど」と数歩引かれるかのような感覚を覚える。今作ではそうすることで、時そのものというより時が残す感情や記憶などの残滓を老いという形で浮き彫りにしているかのよう。この書き方だからこそ見える陰影のようだと感じた。海辺で出会った女の子相手に雲を見つめながら対話する『雲』、素性のわからない男がギリシャのクレタ島に訪れる『いきちがい』が印象的。ヨーロッパの歴史に明るければもっと楽しめたかもというのが心残り。

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