本を読むひと 新潮クレスト・ブックス

アリス・フェルネ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784105901332
ISBN 10 : 4105901338
フォーマット
出版社
発行年月
2016年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
237p;20

内容詳細

エステールは、黄色いルノーに本を積んでやってきた。パリ郊外と思しき荒れ地に暮らすジプシーの大家族。女家長のアンジェリーヌは、5人の息子、嫁と孫たちに囲まれて、一日中、焚き火の側に陣取っている。自由と濃密な家族愛はたっぷりとあるが、仕事も生活保障もない、着の身着のままのその日暮らし。彼らの野営地を、あるとき「よそ者」が訪ねてくる。エステールという名の、穏やかで優しい、だが不屈の図書館員だった…。ジプシーの大家族とある図書館員の物語。20年におよぶフランスのロングセラー。

【著者紹介】
アリス・フェルネ : 1961年、パリ生まれ。エセック経済商科大学院大学(ESSEC)卒業。オルレアン大学で経済学の教鞭をとるかたわら文筆活動を開始。1997年刊行の本書はフェミナ賞最終候補作となり、「みんなのための文化と図書館賞」を受賞。刊行後20年近くたった現在も長く読み継がれている。その他の作品に、ゴンクール賞候補となった『戦渦』、15ヵ国語に翻訳されたフェミナ賞候補作『恋人たちの会話』がある

デュランテクスト冽子 : 1948年、東京生まれ。青山学院大学文学部仏文学科卒業後、パリ第四大学でフランス文明講座受講。帰国後、再渡仏し、フリーランス通訳、アパレル企業のパリ駐在員などを務める。在仏40年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    パリ郊外に住むジプシー一家と 図書館員との 交流の物語である。女家長アンジェリーナの 勁さが圧倒的である。図書館員エステールが 読書を通して ジプシー家族の心に 触れていく様を静かに描く。ひどく 清々しい心が洗われるような作品だった。

  • 優希 さん

    貧しく汚らしいジプシーたち。生活の保障のないその日暮らしはある意味で「自由」かもしれませんが、そこには「本」という世界はなかった。図書館員エステールはそこに新しい世界を持ち込んだのだと思います。自然に選べる世界がある幸せと、自由であれど選択肢のない幸せとどちらが豊かなのか考えさせられました。

  • どんぐり さん

    パリ郊外の荒れ地にキャンプ(キャンピングカーで)を張って住むジプシー(ロマ)の大家族のもとに、週1回子どもたちに本の読み聞かせに来る図書館員の女性エステール。彼女がなぜそのような活動をしているのか、私生活も語られないまま話が進む。邦題の「本を読むひと」が主人公ではない、文盲のジプシーたちが主役だ。ジプシーの運命と人生をあるがままに受け入れてしまうアンジェリーヌばあさんの絶対的な態度、貧困のなかで怠惰な生活を送る息子たちと逞しく生きる女たち、言葉を知らないために怒りの中に落ち込んで暴力を振るってしまう

  • のぶ さん

    心に残る優れた文学作品だった。フランスに暮らす、ジプシーの豊かとは言えない大家族。家の長のアンジェリーヌは多くの息子や孫と暮らしている。ある時、車に本を積んでエステールという人物がやってくる。エステールは本を読んで聞かせる図書館員。ジプシー一家とエステールの交流を中心に描いた物語だが、この関係がとても文学的で、自分が言葉を並べても表現できないが、行間から漂ってくる物が印象深い。自分はジプシーの歴史的背景を知らないので読めない部分もあったと思うが、時間をおいて再読するといろんなものが見えてくる本だろう。

  • miyu さん

    「あたしが言うことをよく覚えておきな。人に尽くすのも病気の一種だってこと」アンジェリーヌが死の前にエステールに遺した言葉は感謝と愛情がこもっているだけにとても胸にしみた。この本は限りなくノンフィクションに近いフィクションなのだろう。彼らは架空の人物のようだが実際に都会の沼地に家族で息を潜めて生活しているようにも思える。本を読み話に耳を傾ける為だけにエステールはそこへ通い始める。そんな彼女自身の生活は結局は最後まで語られないのだが、たぶんそれほど幸せではないのかもしれない。なんだかとても不思議な物語だった。

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アリス・フェルネ

1961年、パリ生まれ。エセック経済商科大学院大学(ESSEC)卒業。オルレアン大学で経済学の教鞭をとるかたわら文筆活動を開始。1997年刊行の本書はフェミナ賞最終候補作となり、「みんなのための文化と図書館賞」を受賞。刊行後20年近くたった現在も長く読み継がれている。その他の作品に、ゴンクール賞候補

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