アニル・アナンサスワーミー

人物・団体ページへ

私はすでに死んでいる ゆがんだ“自己”を生みだす脳

アニル・アナンサスワーミー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784314011563
ISBN 10 : 4314011564
フォーマット
出版社
発行年月
2018年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
352p;20

内容詳細

「自分の脳は死んでいる」と思いこむコタール症候群、自分の身体の一部を切断したくてたまらなくなる身体完全同一性障害、何ごとにも感情がわかず現実感を持てない離人症―当事者や研究者へのインタビューをはじめドッペルゲンガー実験や違法手術の現場も取材し、不思議な病の実相と自己意識の謎に、神経科学の視点から迫る。

目次 : 第1章 生きているのに、死んでいる―「自分は存在しない」と主張する人びと コタール症候群「私の脳は死んでいますが、精神は生きています」/ 第2章 私のストーリーが消えていく―ほどける記憶、人格、ナラティブ 認知症「こんにちは、かしら。もうわからなくて」/ 第3章 自分の足がいらない男―全身や身体各部の所有感覚は現実と結びついているのか? 身体完全同一性障害(BIID)「この足は断じて自分の足ではない」/ 第4章 お願い、私はここにいると言って―自分の行動が自分のものに思えないとき 統合失調症「自分が崩れて、溶けていくような気がする」/ 第5章 まるで夢のような私―自己の構築に果たす情動の役割 離人症「悪い夢がずっと続いているようだった」/ 第6章 自己が踏みだす小さな一歩―自己の発達について自閉症が教えてくれること 自閉症スペクトラム障害「抱きしめられるのは、檻に閉じこめられる感じがした」/ 第7章 自分に寄りそうとき―体外離脱、ドッペルゲンガー、ミニマル・セルフ 自己像幻視「もうひとりのぼくがいたんだ」/ 第8章 いまここにいる、誰でもない私―恍惚てんかんと無限の自己 恍惚てんかん「自分自身および宇宙全体と完璧に調和しているのだ」

【著者紹介】
アニル・アナンサスワーミー : 『ニューサイエンティスト』誌のニュース編集者を経て、同誌のコンサルタントを務める。カリフォルニア大学サンタクルーズ校のサイエンスライティング・プログラムのゲスト編集者や、インド・バンガロールの国立生命科学研究センターで年に一度開講される科学ジャーナリズムワークショップのオーガナイザーとしても活動。英国物理学会の物理学ジャーナリズム賞、英国サイエンスライター・アワードの「最も優れた研究報道」に贈られる賞を獲得している。初の著書『宇宙を解く壮大な10の実験』(河出書房新社)は2010年に英国物理学会『フィジックス・ワールド』誌で「2010年の本」の第一位に選ばれた。バンガロールとカリフォルニア州バークレーを拠点にしている

藤井留美 : 翻訳家

春日武彦 : 1951年、京都府出身。日本医科大学卒。産婦人科医を経て精神科医に。医学博士、精神科専門医。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長などを経て、現在も臨床に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    デカルトの「我思う故に我あり」という言葉に疑問を覚えていた。それは「自分を身体的存在としての<私>を認識し、考えている<私>自身を信じられない時はどうすればいいのか?」という思いを抱えていたからだ。離人症については程度が小さいが、家庭内でしょっちゅう、八つ当たりされた時に他人事に思えた感覚を思い出しました。そして身体的同一性障害については(失礼を承知だが)私には想像を絶する。しかし、術後に笑顔を見せるようになった彼の姿にはホッとさせられます。後、脳が身体的反応で感情を予測すると言うのは本当に面白いですね。

  • honyomuhito さん

    難しいのはわかっているのに、この手の本をつい手に取ってしまう。自然科学の分野が、人類の永遠の命題である「自分探し」、「自己とは何か」という、問いへの答えをくれるのではないかと、考えてしまうからだ。 本書はコタール症候群、アルツハイマー病、身体完全同一性障害(BIID)、統合失調症、離人症、自閉症などの病気や体験を具体ケースとし、脳神経科学も用いて、科学的に「私」とは何かをさぐる良書である。 https://chirakattahondana.com/私はすでに死んでいる/

  • 澤水月 さん

    「自分の脚が邪魔」な人物の念願の切断手術に立ち合う。薬物による精神変容記すハクスリー『知覚の扉』引用。「我思う、故に我あり」の問題。哲学・倫理・脳科学から「自己とは」を追及。離人症・認知症・てんかんなど当事者、家族に会い話聞く。てんかんの「恍惚発作」=幸福に満ちた「自分が際立ち充足」「世界と自己の融合」が混在した矛盾状態も考察、ドストエフスキーも引く。自と他の齟齬に苦しむあらゆる人に「どんな状態でも自己は消えない」という宣言が私などにはありがたい、知的歯応え十分。脳科学と精神医療違いも記す春日武彦解説も◎

  • アキ さん

    刺激的なタイトル名。仏教の教典の鬼に食われ身体を丸ごと死体と取りかえた男の話、自分はすでに死んでいると思い込むコタール症候群、自己像幻視であるドッペルゲンガー、手足の切断願望をもつ身体完全同一性障害(BIID)など、病的な精神状態から「自己」の洞察を近年の脳科学の知見から解りやすく読み進められる。自己には物質的自己・社会的自己・精神的自己があり、脳が描き出す表象とそれを意識的に経験することが自己意識の基礎になる。驚くほど強靭でありながら、危ういまでにもろい自己。私と思っている私とはいったい誰なのでしょう?

  • 鬼灯の金魚草 さん

    凄く読み応えのある一冊。特に自閉症児は予測機能が損なわれているからだなんて。そもそも予測が出来ないとなると、本当に生きて行くのが大変。過去の行動を元に将来を予測出来ないから、つまり更新が出来ないから全ての経験を毎回ゼロから受け止める。いつだって初めての事だと大きい音も人も怖いはず。基準点がないので全てが初めての経験。しかも自分の身体に関する情報が雑音だらけで行き当たりばったりだそう。親は早く気づいて適切な訓練や治療法を見つけてあげて欲しい。脳は本当に不思議でした。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

アニル・アナンサスワーミー

『ニューサイエンティスト』誌のニュース編集者を経て、同誌のコンサルタントを務める。カリフォルニア大学サンタクルーズ校のサイエンスライティング・プログラムのゲスト編集者や、インド・バンガロールの国立生命科学研究センターで年に一度開講される科学ジャーナリズムワークショップのオーガナイザーとしても活動。英

プロフィール詳細へ

物理・科学・医学 に関連する商品情報

おすすめの商品