異端児たちの決断 日立製作所川村改革の2000日

小板橋太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784822277895
ISBN 10 : 4822277895
フォーマット
出版社
発行年月
2014年07月
日本
追加情報
:
271p;19

内容詳細

2009年3月期に、国内の製造業史上最大となる7873億円の最終赤字を計上した日立製作所。
そんな崖っぷちの総合メーカーをV字回復に導いたのは、本流から外れた「デッドヘッド(員数外)」の男たちだった――。


本書は製造業の巨大コングロマリット、日立製作所の再生の物語です。1990年後半以降、事業構造の転換にとまどった日立は低空飛行を続けました。そして、訪れたリーマンショックの痛撃。世界的な需要減によって日立は存亡の危機に直面しました。その時に次の執行役会長兼社長に指名されたのは、企業を渡り歩くプロ経営者でも、若手幹部でもなく、既に本体の経営を外れ、グループ会社の会長を務めていた69歳の元副社長、川村隆氏です。


同時期にトヨタ自動車の豊田章男氏が52歳で社長にするなど、経済界では経営陣の若返りが進んでいました。しかも、川村氏の脇を固める副社長も、同じくグループ会社や海外子会社の社長に「上がった」 面々です。そんな若返りに逆行するような人事に、市場やマスコミは懐疑の目を注ぎましたが、川村氏が率いる経営チームは、しがらみの中で実行できなかった経営改革を次々と断行、2014年3月期における過去最高益の礎を築きました。


本流から外れた人々が沈みゆく巨艦の舵を取ることになったのはなぜか。そして、なぜ誰もが成し遂げられなかった経営改革を実現することができたのか――。その謎に、日経新聞産業部記者として長年、日立製作所や日本の製造業を見てきた著者が迫りました。日立製作所を舞台とした経営改革の奇跡をぜひお読みください。



【著者紹介】
小板橋太郎 : 日本経済新聞社企業報道部デスク。1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部記者、日経ビジネス編集委員などを経て現在、日経新聞企業報道部デスク。記者時代は自動車、ゲーム、エネルギー、電機、通信などの業界を担当した。1966年生まれ。東京都出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アメフトファン さん

    日本を代表する巨大企業、日立製作所の復活の秘密が良く理解出来た一冊でした。一度本社から出た川村氏だからこそ思い切った改革が出来たということが良く理解出来ました。名門子会社の御三家に手を出したのはパナソニックが松下電工を子会社化したのと重なりますね。やはり企業は経年劣化していくもので、どこかで改革しなければならないものなのですね。日立が英国で鉄道車両を受注した快挙についても地道な苦労が身を結んだ結果ということを改めて知り勉強になりました。

  • Willie the Wildcat さん

    1年365日。変革の核とスピード。選択と集中。取り組み姿勢が印象的。投資家との直球勝負、そして監査体制の再構築。前者は約43%が外資、後者は社外取締役と外国人の取締役構成比率。後者は、企業文化にも大きく変革を齎したものと推察。ビジネスの見所は、「鉄道事業」。(英国での売込みはNHKで特集を見たが)軌道に乗せるまでの過程に垣間見る気概と覚悟。結果論かもしれないが、V字回復も当然の産物ではなかろうか。言い換えれば、Buz. Opportunityはまだまだ埋もれているのかもしれないと感じさせる。

  • すくすく さん

    図書館でも一昔前なら産業・電機の書棚にはソニー、松下の名前が主だったが、今は東芝不正会計の書籍が殆どだ。その中で成功事例として書棚にあるのが日立のそれである。従来子会社も多数上場していたコングロマリットに訪れた会社最大の危機を本体から一度子会社に転出している役員が本社に戻って再建策を次々と実行に移す。一種痛快劇に見えなくもないが、やっていることは当たり前のことに見える。それを適切なタイミングでしがらみに縛られずやり切ることで結果につなげている。川村氏のあっという間の引き際も驚き、自伝も読みたい。

  • ぐっさん さん

    日立の復活について書かれた本。特に魔術的な方法は書かれていない。社員にも理解できる現実味のある目標を設定する。必要な事業とそうでないものを区別し、不要な事業は売り払い、その資金で必要な事業をより強くする。不要な人材を解雇し、必要な人材を厚遇、または外部から招聘する。これらは全て当たり前のことである。だからこそ正しく行うことは難しい。未来を予測できる完全無欠な方程式はなく、当事者たちの思い込み(仮説)に従い、決断した結果、日立は立ち直り、東芝はあのようなことになったのだろう。

  • Gordon さん

    川村隆氏著の「ザ・ラストマン」読了後、同じく積読になっていた本書も続けて読了。 「ザ・ラストマン」と重複する内容もあるが、前著は川村氏本人の一人称的な視点での内容であるのに対し、本書は日経記者による「日立外」の立場からの客観的な評価、ドキュメンタリーなため、その対比が興味深かった。 大企業病が蔓延しつつあった日立が、2009年の巨額赤字からその後のV字回復に繋がる様々な改革や海外事業へのシフトなど精力的に推し進めていった当時の経営層は相当なパワーが必要だったと思うが、その経験を忘れて欲しくないと思う。

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小板橋太郎

日本経済新聞社企業報道部デスク。1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部記者、日経ビジネス編集委員などを経て現在、日経新聞企業報道部デスク。記者時代は自動車、ゲーム、エネルギー、電機、通信などの業界を担当した。1966年生まれ。東京都出身(本データはこの書籍が刊行

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