キンノヒマワリ ピアニスト中村紘子の記憶

高坂はる香

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087816471
ISBN 10 : 4087816478
フォーマット
出版社
発行年月
2018年01月
日本
追加情報
:
320p;20

内容詳細

昭和という時代の熱量を受け止め、走り抜けた国民的ピアニストの評伝

日本人のピアニスト像を決定づけた中村紘子。
華やかに輝き続けたピアノの女王は、
2016年7月、惜しまれつつ世を去ったのちも圧倒的存在感を放っている。
第二次世界大戦終結の前年に生まれ、戦後復興を目指すなか最高峰の音楽教育を受け、
高度経済成長、空前のピアノブームなど日本の熱いうねりとパラレルに弧を描く人生。
賢く、屹立する覚悟をもち、キュートでお茶目、度胸ある美しいひとだった。傷つき、つまずくこともあった。批判もされた。どう乗り越えたのか? その強さの源はなんだったのか?
本書では「キャリアの確立」「憧れの存在となる過程」「音楽への考え」「審査員として業界を牽引した時代」「日本の未来への提言」にテーマをわけ、その生涯と音楽をたどる。当代きっての音楽家たち、調律師、マネージャー、コンクール界のレジェンドなどゆかりの人々によるオン&オフステージの貴重な証言が集まった。
頂点を極めた一人の女性の生きかたは、力強く厳しい、愛に満ちたエールである。

<本書より一部抜粋>
●リーダーシップの強さは子供の頃から
●あの斎藤秀雄にケンカを売る
●NHK交響楽団の世界一周ツアー
●ショパン国際ピアノコンクールでの成功
●大衆人気と玄人筋の評価のはざま
●異端の経歴
●共演者から見た中村紘子
●ロマン派作品、ショパンへの愛着
●コンサートプログラムの決め方
●なぜ中村紘子は選ばれたのか

<著者コメント>
この評伝を書くにあたって、さまざまな関係者に話を聞いたが、全員が必ずこのピアノ界のお茶目な親分との愉快なエピソードを大切な思い出として記憶していた。恐れられることもあったが、それ以上に多くの人から愛された。そして音楽とピアノに心から恋い焦がれていた人だった。

<著者プロフィール>
高坂 はる香(コウサカ ハルカ)
埼玉県生まれ。フリーランスの音楽ライター、編集者。中央大学法学部卒業後、一橋大学大学院社会学研究科修士課程でインドのスラム支援プロジェクトを研究。そののちピアノ音楽誌の編集者として、世界のコンクールやピアニストを数多く取材。ショパン国際ピアノコンクール、チャイコフスキー国際コンクール、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールなど長期取材を各誌に寄稿。セミナー、ラジオにも活躍の場を持つ。

【著者紹介】
高坂はる香 : 埼玉県生まれ。中央大学法学部卒業後、一橋大学大学院社会学研究科修士課程でインドのスラム支援プロジェクトを研究。その後2005年よりピアノ音楽誌『ショパン』の編集者として、世界のコンクールやピアニストを取材。2011年よりフリーランスの音楽ライター、編集者として活動。ショパン国際ピアノコンクール、チャイコフスキー国際コンクール、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールなどの長期取材に基づくウェブ上での情報配信などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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高坂はる香さん(フリーライター&編集者)...

投稿日:2018/01/29 (月)

高坂はる香さん(フリーライター&編集者)が中村さんの著書や資料あるいは知人の証言をもとに構築した評伝。人物像がくっきり浮かび上がってきます。大変興味深く、一気に読みました。中村さんご本人の著書と対照しながら読むとますます面白いと思います。

テリーヌ さん | Hyogo | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Isamash さん

    2018年発行の元「ショパン」の編集者の音楽ライター・高坂はる香著作。名前だけは知っていたピアニスト中村紘子を少し距離を置いた冷静な調査で描いていて好感を覚えた。3歳からピアノを学び、日本のピアニストのエリートコース桐朋女子高に入学しながら退学しジュリアード音学院に行ったことや、そこで師匠井口愛子に教え込まれた指を立てて上から叩く日本流弾き方を全否定されたのは知らなかった。中村はその経験から弟子の個性を考慮せず型にはめようとする日本の教育に批判的であった様。ただピアノ界に留まらず、この教育法はまだ根強いか

  • カタコッタ さん

    私にとって日本人ピアニストは中村紘子なのです。実に良く書かれております。ピアノばかりでなくエッセイも面白いものでした。お茶目な所もあり、左手でピアノ、右手で卵を割るところからスクランブルエッグを作られたのを私は番組を観ており、ますますピアニスト中村紘子が好きになったのでした。この楽しいエピソードは有名なのでしょうか、この本に詳しく書かれています。お振袖を着て海外のステージに立った中村紘子さん、さぞかし可愛らしかったでしょうね。カーリーヘアもキュート。ドレスから見えた背中の筋肉の逞しさ!また聴いてみます。

  • Totchang さん

    1960年10月19日イギリスBBCスタジオ収録、16歳の演奏という動画をYOUTUBEで見ることができます。この評伝、とても読みやすく偉大なピアニストの姿をあまねく描いているのではないでしょうか。ご本人の著書は読ませていただいておりますが、このように客観的にあちこちに書かれたものを集め、関係者の話を聞いた事によって描かれた中村紘子の姿はまた違った形で彼女の偉業を思い出させます。海野さんと堤さんにとよるピアノトリオ、棚から出して改めて聴いております。

  • shushu さん

    2年程前に亡くなったピアニスト中村紘子の評伝。小澤征爾とこの人はクラシック音楽家でも別格の知名度がある気がする。敗戦後復興していく日本と重なるような軌跡を感じるからだろう。桐朋の子ども向け音楽教室で学び始め、N響の海外ツアーに同行、欧米に留学し、海外の著名コンクールに入賞、日本を起点に演奏活動を行いながら、海外コンクールの審査員だけではなく日本のコンクール開催の運営にも携わる。日本の音楽界を背負う気概が感じられるその人生がまとめられている。中村さんのエッセイ集を読み返したくなった。

  • trazom さん

    日本音楽界のレジェンドである中村紘子先生ですが、この本は、提灯持ちのような賞賛一辺倒ではなく、中村先生を、教育者、コンクール審査員、音楽の普及者、文筆家などの多面的な側面からとらえ、批判を含めて極めてフェアな視点で描いています。強い使命感を背負い、超人的な活動で生き抜いてこられた中村先生の人生が、そこにあります。主人公も、筆者も、ともに素敵な女性に違いないと感動する読後感です。

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高坂はる香

埼玉県生まれ。中央大学法学部卒業後、一橋大学大学院社会学研究科修士課程でインドのスラム支援プロジェクトを研究。その後2005年よりピアノ音楽誌『ショパン』の編集者として、世界のコンクールやピアニストを取材。2011年よりフリーランスの音楽ライター、編集者として活動。ショパン国際ピアノコンクール、チャ

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