放浪・廻遊民と日本の近代

長野浩典

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784863291430
ISBN 10 : 4863291434
フォーマット
出版社
発行年月
2016年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
305p;19

内容詳細

漂泊民(放浪・廻遊民)を受け入れられなくなった現代社会がはらむ非人間的な現象(経済格差の拡大、管理と排除の進行、競争と孤立、効率優先主義など)を見極め、寛容さが希薄になってゆく「近代国家」の淵源はどこにあるのか、そしてこれからその寛容さをどのように回復させていけばよいのか、を問いかける画期的な書。

目次 : 第1章 「サンカ」―九州山地の廻遊民/ 第2章 家船と「シャア」―海と陸を廻遊する人びと/ 第3章 浮浪らい―放浪するハンセン病者/ 第4章 ふたりの“紀州”―放浪する乞食たち/ 第5章 別府と的ヶ浜事件―都市型下層社会の形成とその隠蔽/ 終章 非定住から近代国家を問う

【著者紹介】
長野浩典 : 1960(昭和35)年、熊本県南阿蘇村生まれ。1986(昭和61)年、熊本大学大学院文学研究科史学専攻修了(日本近現代史専攻)。現在、大分東明高等学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • BLACK無糖好き さん

    かつてこの国に存在した、国家に補足されず放浪・廻遊する人々が、社会の近代化に伴い徐々に姿を消して行った過程が書かれている。サンカと呼ばれる山や川辺で箕を作り魚を獲って廻遊しながら生活する人々と、シャアと呼ばれる海の上の家船で生活し海産物の行商等を行っていた人々。本書はこれら廻遊民だけでなく、らい者、乞食にも焦点を当て、下層民への国家による管理統制や排除の実態を辿り、現代のマイナンバー制度のあり方にまで議論を発展させている。国家管理はともかく、人間が生きることの根本を深く考えさせられた一冊。 

  • kuukazoo さん

    大分県を中心に、山の廻遊民「サンカ」、海の廻遊民「シャア」という非定住の職業集団、社会から排除された浮浪らい、乞食といった人々と近代日本社会との関わりを多くの史料に基づき記述。浮浪らいについては全く知らず(確か『砂の器』ってそんな話だったか)、病者への差別や偏見は読んでて辛かった。非定住生活を自ら選んだ人々もいればそうせざるを得なかった人々もいるが、共存を拒み排除してきたのは政府や警察だけではないはず。政府=絶対悪という視野狭窄のもとに終章が読むに耐えない妄言羅列となっちゃったのが大変残念。いい本なのに。

  • カール さん

    近世から近世から近代にかけてに日本各地に存在した最下層民。山岳地帯の村々を回ったサンカや船舶を使い各地を回ったシャア、ハンセン病患者、乞食と言った人々に着目し、主に九州の事例を元にしながら探求した書籍になる。歴史の暗部を語る。多くの人間から差別されてきた階層であり、当人視点からの資料がほぼ残されていないため伝聞による記述も多いが、過酷な生活の中でも懸命に、そして国家とも一定の距離を置き、自由に生き続けた力強さがあった。近代から現在にかけて産業構造の変化や社会変動によって廻遊民としての生活を…(続く)

  • onepei さん

    定住社会側の人々の対応、接し方に興味をもちながら読んだ。

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